“新生活者”にぴったりの無線LANルータ――NECアクセステクニカ「AtermWR4500N」安くて速いお手軽無線LAN(2/2 ページ)

» 2009年03月26日 18時00分 公開
[兼子忍,ITmedia]
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“11nテクノロジー”の実力を検証する

左が“11nテクノロジー”を採用した「AtermWR4500N」、右は11b/g対応の「AtermWR1200H」

 それではWR4500Nの通信速度を検証していこう。今回は2台のA4ノートPCを使い、うち1台をデスクトップPC(有線)に、もう1台をモバイルノートPC(無線)に見立てて、共有フォルダへのファイル転送にかかった時間をストップウォッチで実測して転送速度を算出した。転送時間は、100Mバイトのファイル1つを転送した時間と、1Mバイトのファイル100個を転送した時間を手動で計測している。また比較対象として、同社の11b/g対応無線LANルータ「AtermWR1200H」経由で接続した際のベンチマークテストも行った。

 無線接続のPCとルータの距離は、同じ部屋で約2メートル離れた場所と、壁をはさんだ異なる部屋(直線距離で約8メートル)の2つの状況で計測を実施している。いずれも、無線接続にはノートPCの内蔵無線LANモジュール(Intel WiFi Link 5300AGN)を用いた。

 なお、今回のテストは軽量鉄骨造のアパートで行ったため、外部に設置された無線LANルータからの電波を排除することはできていない。アクセスポイント探索画面には常に数台の無線LANルータがリストアップされる状態での計測となったことを付け加えておく。

有線LAN接続に使用したPCは「Endeavor NJ2150」(OSはWindows Vista Business)、無線LAN接続は「Endeavor NJ3100」(OSはWindows Vista Business)となっている

 周囲に無線LANルータの電波が飛び交う状況でのテストとなったが、結果はWR1200Hに比べてすべてのテストで2倍以上の転送速度をキープしており、11b/gに対する“11nテクノロジー”の優位性が明らかに見て取れた。また、別室から接続した場合の転送速度は、同じ室内での接続と比較して低下しているものの、その差はわずかでしかない。無線LANルータとクライアントPCの間には壁やガラス戸が存在したが、素材が電波を遮へいしづらく、無線LANルータとクライアントPC間で良好な感度を維持できたことが、目立った速度低下を引き起こさなかった原因と考えられる。

お手軽な無線LAN環境アップグレード手段としてオススメ度は高い

 “11nテクノロジー”採用のWR4500Nは、理論値の無線通信速度が11nドラフト2.0対応製品の半分にとどまり、LANポートに100BASE-TXを採用するといったスペックは、現行の無線LANルータとしてやや中途半端な印象を与えるかもしれない。しかし、セキュリティ機能やセットアップの手軽さ、コンパクトにまとめた筐体デザインなど、通信速度以外の部分は上位モデルと比べてもまったく遜色はなく、無線LANルータとしての完成度は非常に高い。なにより最大のポイントは、実売8000円前後というリーズナブルな価格だ。出費がかさみがちな新生活に、低価格なNetbookと無線LANルータを新規購入してPC環境をそろたいと考えている人に、AtermWR4500Nはまさにうってつけの製品といえるだろう。

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