5月の連休明けに登場して以来、供給量不足とコストパフォーマンスの高さから「入れば即売れる」と複数のショップで評判になっていたRADEON HD 4770カードだが、先週は初の独自クーラー搭載モデルが登場した。XFXの「HD-477A-YDFK」で、価格は1万6000円弱。在庫は潤沢だ。
HD-477A-YDFKは、熱を背面ブラケットに放出する“外排気”タイプのクーラーを搭載する。PCI Express x16接続で、補助電源は6ピンタイプ1基。メモリはGDDR5 512Mバイトだ。入荷したフェイス本店は「外排気タイプはミドルクラス以上のグラフィックスカードでほぼ確実に売れる鉄板の仕様といえます。人気のRADEON HD 4770カードということで、普通ならヒット間違いなしでしょう」と語る。
ここで「普通なら」と注釈が入るのは、現状で売れるグラフィックスカードに変化が生じているのと、今後登場するGPUに関係があるようだ。ほかにも同様のコメントを残すショップがいくつかあった。ある店員氏は「5月から6月にかけてRADEON HD 4770が潤沢に出回っていたら、HD 4650並みかそれ以上の大ヒットになっていたけど、今は補助電源なしのGeForce 9600 GTカードが同価格帯で人気を集めているから、HD 4770の魅力の1つである消費電力の低さがかすんでしまう。近いうちによりコストパフォーマンスに優れたミドルクラスのGPUが登場するというウワサも流れてるし、今HD 4770を急いで購入する理由がなくなっているんだよね。本当、すごくもったいない」と話していた。
そうした状況の中で現在ヒットしているのはシングル基板になったGeForce GTX 295カードだという。ツートップ秋葉原本店は「GeForce GTX 295はデュアルGPU構成ですが、これまでは2枚の基板を組み合わせて作っていました。それが1枚の基板にまとまったことで、電気回路と排熱機構が合理化したという評判です。また、将来的なことでいえば、ベンダー各社のオリジナルクーラーが作りやすくなるといったメリットもあるでしょう。そうした背景もあって、2枚構成のときよりも順調に売れている印象があります」という。
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