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“Think”のノウハウをワークステーションに凝縮──「ThinkStation S20」の内部に迫る(1/2 ページ)

» 2009年07月14日 16時30分 公開
[元麻布春男,ITmedia]
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NehalemコアのXeonを採用した「20」世代のThinkStation

「ThinkStation S20」はレノボのワークステーションラインアップでシングルCPUを採用する第2世代のモデルだ

 日本で“レノボ”というと、主にビジネス市場向けに展開しているノートPC「ThinkPad」の印象が強いが、ほかにも、企業向けデスクトップPCの「ThinkCentre」や、中小企業向けサーバの「ThinkServer」といったラインアップ展開で、企業向けコンピューティング全般をカバーしている。2007年11月に登場した「ThinkStation」は、同社が展開するx86ベースのワークステーションブランドだ。

 ThinkStationのラインアップは、大きく2つに分けられる。シングルソケットのSシリーズとデュアルソケットのDシリーズだ。アルファベットに続く数字がそれぞれのシリーズにおける世代を表す。2009年7月時点で最も新しいThinkStationはNehalem世代のXeonを搭載する「20」番台になる。「S20」はシングルソケットワークステーション、「D20」がNehalem-EPのデュアルソケットワークステーションというわけだ。SシリーズとDシリーズで本体の外観は似ているが、本体サイズはDシリーズが大きい。ちなみに、D20の本体サイズは210(幅)×579(奥行き)×485(高さ)ミリ、S20の本体サイズは175(幅)×460(奥行き)×478(高さ)ミリだ。

 今回紹介するThinkStation S20(4105RZ6)は、Nehalem世代のXeon W3540(動作クロック2.93GHz)を搭載したシングルソケットモデルだ。インテルがワールドワイドでNehalem世代のXeonを発表した2009年3月31日(米国時間3月30日)に、レノボが同時発表した。現時点でS20シリーズが搭載可能な最上位CPUは3.2GHz動作のXeon W3570なので、4105RZ6で採用されたXeonのグレードは上から2番目ということになる。

AMDのGWS向けGPU「Fire Pro」を採用した4105RZ6

搭載するCPUはNehalem世代のXeon W3540。CPUに統合されたメモリコントローラは3チェネルのメモリバスをサポートする。評価機は標準構成でPC3-8500(DDR3 1066)を4Gバイト(2Gバイト×2)実装する

 Xeon W3540は8Mバイトの3次キャッシュメモリを備えたクアッドコアCPUで、ベースクロックが1066MHzであるため、CPUとIOH、4つ用意されたCPUコア間を接続するQPIの転送レートは4.8Gbpsになる。CPUに内蔵されたメモリコントローラは3チャネルのメモリバスが接続するが、それぞれのチャネルで2基のメモリスロットが利用できるため、CPU全体では6基のメモリスロットをサポートすることになる。評価機は最大で12GバイトのPC3-8500を実装できるが、今回は、標準構成となる2Gバイトのモジュール(ECC付きアンバッファドDIMM)を2基、あわせて4Gバイトが組み込まれていた。

 ThinkStationのマザーボートはIntel X58 Expressチップセットを実装する。HDDインタフェースもチップセットに内蔵されたものを利用している。オンボードに用意されたネットワークコントローラはBroadcom製で、ギガビットネットワークに対応するが、こちらはvProなどで利用されるIntel AMT(Active Management Technology)を標準構成でサポートしない。

 なお、ワークステーションとしては珍しく、サウンド関連のスペックが充実している。コントローラそのものはチップセット内蔵のIntel High Definition Audioだが、アナログのマルチチャンネル出力とデジタル出力(S/P DIF出力)に加え、デジタル入力(S/P DIF入力)まで用意している。コンシューマー向けPCを含めても、デジタル入力を備えたPCは多くない。

 評価機に搭載されているグラフィックスカードは、AMDのATI FirePro V5700だ。コンシューマー向けのRadeon HD 4600シリーズに相当するGPUを利用した、グラフィックスワークステーション(GWS)向けモデルで、GDDR3 512Mバイトのグラフィックスメモリを実装する。ディスプレイ出力は、1系統のDVI-Iに加えて2系統のDisplayPortを持つ。

 評価機に組み込まれたATI FirePro V5700はPCI Express 12ボルトを使った外部補助電源を必要としないが、本体に搭載された電源ユニット(最大出力625ワット)は、12ボルトPCI Express補助電源コネクタ(6ピン)を2本用意している。ThinkStation S20では、NVIDIAのQuadro FX580、同FX1800、同FX4800、そして、ATIのFirePro V3700など、モデルごとに異なるグラフィックスカードを用意するほか、GPUから派生したNVIDIAのGPGPUプロセッサカード「Tesla」をHPC(High Performance Computeing)向けのオプションとして用意しているのも、ThinkStationの特徴だ。電源ユニットが持つ外部電源コードはそれらのグラフィックスカードで使われることになる。

 拡張スロットは、PCI Express Gen2 x16スロットが2基と、PCI Express x4、PCI Express x1、PCIがそれぞれ1スロットずつ設けられている。なお、1つだけあるPCIスロットには、標準構成でIEEE1394のアダプタカードが組み込まれている。ThinkStation S20に組み込まれた拡張カードは、ケース内部に用意された大型の樹脂ケージで固定される。ケージの固定は樹脂の弾性を利用しており、拡張カードの取り外しにドライバーなどの工具を必要としない。

評価機に組み込まれていたマザーボード(写真=左)。メモリスロットは6基あり、最大で12Gバイトまで搭載できる。拡張スロットはPCI Express x16が2基、PCI Express x4、PCI Express x1、PCIがそれぞれ1基用意される。グラフィックスカードはGWS向けモデルのATI Fire Pro V5700で、そのほかにIEEE1394インタフェースカードも標準構成で組み込まれている(写真=右)

拡張スロットに差したグラフィックスカードとIEEE1394インタフェースカードは、樹脂ケージで固定される(写真=左)。ThinkStationに組み込まれる拡張カードにはNVIDIAの「Tesla」のように長くて重いカードも用意されており、安定動作にはこのような固定ケージが必須だ。拡張カードを着脱するときはケージを90度開いて作業を行う(写真=右)

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