ここから新しいIntel X25-Mの性能をSSDSA2MH160G2GCを使ってベンチマークテストで検証していくが、今回の測定では「CrystalDiskMark 2.2.0」と「HD Tune Pro 3.50」のベンチマークモード、そして、PCMark05の「HDD Test Suit」の3種類を利用している。
インテルのSSDはAHCI(Advanced Host Controller Interface)モードに最適化されているが、HDDからの換装やWindows XP環境などではIDEモードで使うことも多いことから、今回はIDEモードでも測定している。
また、書き込みテストでドライブのパーティションを完全に空けた状態にしておく必要があるHD Tune Pro以外のファイルフォーマットは、すべてNTFSで統一した。なお、初代モデルについては、ファームウェアを最新の「045C8820」に更新してから測定している。
| テスト環境 | |
|---|---|
| マザーボード | ASUS P5K-E |
| グラフィックスカード | 玄人志向 GF8500GT-E256H/HP |
| CPU | Core 2 Quad Q9450 |
| メモリ | Patriot Memory PSD24G800KH DDR2 PC2-6400 CL=5 (5-5-5-15) 2Gバイト×2 |
| システム側HDD | Deskstar P7K500 HDP725050GLA360 |
| OS | Windows Vista Ultimate(SP2) |
CrystalDiskMark 2.2.0では、ランダム4Kバイトの書き込みがSSDSA2MH160G2GCでわずかに遅くなるものの、それ以外の項目では、すべてSSDSA2MH160G2GCが上回っている。ただしその差は少ない。IDEモードのシーケンシャルライトと512Kライトの数値がAHCIのときよりも改善している点は興味深い。
HD Tune Pro 3.50の結果では、初代モデルで読み出しテスト、書き込みテストともに転送速度のブレが見られ、とくに書き込み時には最も遅い状態で0.1Mバイト/秒まで落ち込むことがあったが、SSDSA2MH160G2GCでは最も遅くても56.3Mバイト/秒まで速度が出ている。また、SSDSA2MH160G2GCのAHCIモードではブレ幅が減り、転送速度が格段に安定していることにも注目したい。
なお、SSDSA2MH160G2GCでもIDEモードにおいては初代モデルと同じく書き込み時に転送速度が大きく落ち込む傾向が確認された。この挙動からも、X25-MシリーズがAHCIモードにチューニングされていることがうかがえる。
比較したSSDの容量などで条件が異なるため、一概にはいえないものの、SSDSA2MH160G2GCではCPUの負荷率も2%程度減少しているなど、細かな部分でも改良が施されていることがうかがわれる。ランダムテストで、SSDSA2MH160G2GCのIOPSがリード、ライトともに大きく改善されているのも、その表れといえるだろう。
■新モデル
■初代モデル
PCMark05のHDD Test Suitは、実際のアプリケーションの動作を再現することで、ドライブの性能を測るベンチマークテストだ。一般的な指標としては、Windows XPの起動条件を再現した「XP Startup」、オフィスアプリなどの起動を再現した「Application Loading」、Webアクセスなどを再現した「General Usage」が使われる。今回行った測定でも、SSDSA2MH160G2GCの結果はすべての項目で初代モデルを上回った。
ただし、SSDSA2MH160G2GCのIDEモードではXP Startupが大きく落ち込む傾向が確認されている。SSDの交換でシステムの起動速度の改善を図りたい場合は、可能な限りAHCIモードで動作させたいところだ。
上記のベンチマークテストで確認された新旧測定結果の差を、大きいと見るか小さいと見るかは難しいところだ。2009年8月の時点で初代モデルが安く売られていることや、フラッシュメモリではプロセスルールの微細化が進むと書き換え可能な回数が減るなどの点を気にするがゆえに初代モデルを選ぶ人も多い。ただ、性能面から見てみると実アプリケーションでの動作を重視した新モデルの快適度は高い。SSDに換装して作業環境を改善したいユーザーならば、新モデルの購入をお勧めしたい。
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