SanDiskはMLCにフォーカスする──トップが考える「SSD」成長の条件

» 2009年06月18日 17時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

「SSDビジネスのベストタイミングは2009年の後半からだ」

米SanDisk 代表取締役社長 兼 最高執行責任者のサンジェイ・メロートラ氏

 来日した米SanDisk 代表取締役社長 兼 最高執行責任者のサンジェイ・メロートラ氏は、同社の共同設立者の1人で、エンジニアリング担当の役員、上級副社長を歴任してきた。技術畑出身のメロートラ氏だが、最近はSanDiskの経営全般に関与しているという。そのため、今回のインタビューは、SSDを軸としたSanDiskのこれからの戦略が主なテーマとなった。

 SanDiskのSSDに対するユニークなアプローチとして、2008年初頭に注目されたのが、2008 Internarional CESでも展示されていた「Vaulter DISK」だ。少容量のSSDとHDDを使うことで、当時、価格が高かったSSDをミッドレンジからバリュークラスのノートPCでも搭載できるようにするのがVaulter DISKの目的だった。SanDiskは、このVaulter DISKを2008年にプロモーションしていたが、そのために、Netbookへの搭載をきっかけとするSSDの低価格化と普及の動きに乗り遅れ、競合がSSDビジネスを成長させていくなかで、やや出遅れた感があった。

 SanDiskは、2009年に通常タイプノートPCへの搭載を想定した「G3 SSD」を発表し、2009 International CESでの展示や、先日行われたCOMPUTEX TAIPEI 2009の動作デモなどで、その卓越したパフォーマンスをアピールしている。しかし、期待されているG3 SSDの製品出荷はまだ先だ。

 このあたりの事情を、メロートラ氏は「競合はSSDのビジネスをいい状態で展開している。確かに、SanDiskのSSDビジネスの立ち上がりは出遅れた」と振り返っている。SanDiskは、G3 SSDの製品出荷時期を、2009年の後半に予定しているが、2009年の初頭に製品を発表し、6月には動作デモを行うところまで来ているのに、状況が急転するSSD市場でこのタイムラグはマイナスとならないだろうか。しかし、メロートラ氏は「G3 SSDの投入は、2009年後半がベストのタイミングだ」と説明する。

「現時点(2009年の前半)におけるSSDの市場規模は、まだまだ小さい。SSDの市場は2010年から2012年にかけて本格的に成長する。G3 SSDは、現在、数多くのシステムにおける検証試験を行っている。SanDiskが投入するG3 SSDは、市場とユーザーに大きなインパクトを与える必要がある。そのため、十分な性能と十分な信頼性を持たせなければならない。このように、市場の成長条件とSanDiskの準備が完全に整う2009年後半が、G3 SSDを市場に投入する最高のタイミングといえるのだ」(メロートラ氏)

「本格的な普及に必要なのはMLCだ」

 SanDiskは、OEMに特化してSSDビジネスを展開している。メロートラ氏は、日本のパワーユーザーが、自分のノートPCのパフォーマンスを向上させるために、ショップなどでSSDを購入し、自分で換装していることを知っていると述べたうえで、「しかし、SanDiskのSSDビジネスは当面OEMを中心に展開していく。リテール市場に製品を出荷する予定は今のところない。個人ユーザー向けにSSDを出荷するのは、もっと後になるだろう」と語った。

 メロートラ氏は、SSD市場が成長する重要な条件として、「普及するのに適切なレベルまで価格が下がることが必要」と述べている。G3 SSDはMLC NANDフラッシュを採用しているが、これも、SanDiskのSSD開発が、今後MLCベースにフォーカスしていくことを示している。メロートラ氏は、この理由を「MLCベースのSSDは市場が十分成長するだけのコストが実現できるからだ」と説明している。

2009年のCESに合わせて発表されたNetbook向け第2世代の「P-SSD」と通常ノートPC向け第3世代SSDの「G3 SSD」(写真=左)。COMPUTEX TAIPEI 2009で行われていたG3 SSDの動作デモ(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー