“かざして”最大560Mbps──「TransferJet」、2010年早期に製品化目指すCEATEC JAPAN 2009

» 2009年10月06日 16時43分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo ソニーブースのTransferJet展示コーナー

 大容量のデータを高速で転送・通信する近未来のニーズを担う近接無線伝送技術「TransferJet」のデモ展示が、CEATEC JAPAN 2009の複数ブースで行われている。

 TransferJetは、ソニーが開発した4.48GHz帯無線を用いる近接無線伝送技術。非接触ICカード(FeliCaなど)のように機器どうしを2〜3センチ以内に近づける(あるいは“タッチ”する)──操作で、高速かつ(複雑な設定なしに接続できるため)容易、(近距離でのみ通信するため)安全に通信できる特徴を持つ。通信速度は物理層で最大560Mbps、実効速度で375Mbpsを実現する。

 試作機とともに積極的にデモンストレーションを展開するのは、ソニーと東芝。それぞれTransferJetコンソーシアムのプロモーター会員であり、PCや家庭用AV機器、携帯電話を中心に、自社の豊富な製品群を軸にした利用シーンの提案と利便性のアピールを行っている。

photophoto Qosmio G50とT-01のTransferJetモジュール内蔵試作機でデモを行う東芝。なお、今回の東芝ブースは目玉のCELLテレビ一色で、もしかしてあるかもと期待した“Blu-ray Discドライブ内蔵”Qosmioの展示は、残念ながらなかった

 東芝は、AVノートPC「Qosmio G50」シリーズ、Windows Mobile搭載スマートフォン「T-01A」、ハイビジョンテレビ「REGZA」シリーズの3製品を用い、Transfer JetとDLNAを組み合わせた家庭向けコンテンツシェアリングのシーンを描く。携帯端末とノートPCはTransfer Jet、ノートPCとテレビはLAN(DLNA)を用いて家庭内のデータをそれぞれの機器で共有できるイメージだ。

photophoto キオスク端末に触れて情報を携帯電話で取得する──というシーンは昨今珍しいものではなくなったが、得られる情報量や質をさらに高められるなら、今までなかった新たなサービスが生まれる可能性も高いという

 ソニーは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケションズ製端末「Cyber-shotケータイ S001」にTransferJetモジュールを内蔵した試作機で、人と人、人と店などが“触れ合い”ながら利用するシーンを目指したデモを行う。現在、携帯電話に備えるFeliCaやQRコード認識機能で情報を取得できるサービスはいろいろ存在するが、非接触ICサービスと変わらない使い勝手で、よりリッチなデータを即座に取得できるとなると「今後、今まで思いつかなかった新しいサービスが続々生まれてくる可能性も高い」と期待を込める。

photophotophoto FeliCa通信と同じように、互いを重ねるだけでデータを送受信できる。とくに携帯電話への内蔵化は、規格策定が済み次第促進しそうだ。PCに関しても「VAIOは早期からFeliCa内蔵モデルを出していた。TransferJetも同様に積極的に載せていきたい」(説明員)とする用だ

 なお、TransferJetはFeliCaとも共存可能だ。FeliCaと使い方は似ているがそれに置き換えるものとは想定しておらず、どちらかというと赤外線通信機能の代替となりえるだろう。ちなみにソニーが今回展示した試作機はTransferJetチップを納めたカバーが少し盛り上がっているが、「あくまで既存の端末に機能を追加したため。携帯メーカーの技術があれば違和感なく内蔵できるであろう──ほどのモジュール小型化は可能で、技術的にはほぼできあがっている」とのことだ。

 TransferJetの当面の目標は、早期の規格策定と内蔵機器の実製品化だ。TransferJetコンソーシアムのプロモーター会員には、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルなどの携帯電話事業者や、ニコンやオリンパスイメージングなどのカメラメーカーなども含まれる。携帯電話やPC、AV機器、デジタルカメラ・ビデオカメラ、ポータブルメディアプレーヤーなど、“あれば、かなり便利になりそうだ”と思える製品群、思い描けてしまうのではないだろうか。「2010年の早期に、国内で搭載製品を出したいと思う」(説明員)。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月25日 更新
  1. 画面が伸びる! 勝手に回る! デジタル文房具の未来を拓くLenovoの“変態ギミック”搭載PC 3選 (2026年02月23日)
  2. 攻めの構造と98%レイアウトの賛否はいかに? ロジクールの“コトコト”キーボード「Alto Keys K98M」を試す (2026年02月25日)
  3. 羊の皮を被った赤い狼 日常に溶け込む“ステルス”デザインにRTX 5070を秘めたゲーミングノート「G TUNE P5(レッド)」レビュー (2026年02月24日)
  4. AI故人との対話は「1年」まで?――開発者があえて「卒業」を推奨する理由 (2026年02月24日)
  5. パーツ高騰の救世主? 実売6000円弱のコンパクトPCケースや1.4万円のIntel H810マザーが話題に (2026年02月23日)
  6. 16GB版と8GB版のすみ分けが進むRTX 5060 Ti――HDD「完売」報道の影響は? 今週末のアキバパーツ事情 (2026年02月21日)
  7. テンキーレスの定番「ロジクール MX KEYS mini」が1.3万円で買える (2026年02月24日)
  8. モニター台とドッキングステーションが合体した「Anker USB-C ハブ 10-in-1 Monitor Stand」が28%オフの1万7990円で販売中 (2026年02月20日)
  9. AIツールやショートカットを爆速で操れる「ロジクール MX MASTER 4」がセールで1万7910円に (2026年02月24日)
  10. マウスの概念が変わる! ロジクールG「PRO X2 SUPERSTRIKE」が切り開く“身体感覚”と直結する新たなクリック体験 (2026年02月18日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年