MSIの「R4890 Cyclone OC」で“Cyclone”の冷却性能に迫るイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2009年11月25日 11時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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ベンダーの実力が問われる「オリジナルデザイン」モデル

 クーラーユニット「Twin Frozr」を搭載して「冷える」「オーバークロックに強い」という印象が定着してきたMSIのグラフィックスカードラインアップで、異彩を放つのが「Cyclone」シリーズだ。ユニークな外見に見合った冷却性能をどこまで示せるのか、Radeon HD 4890を搭載する「R4890 Cyclone OC」でチェックしてみた。

 新しいGPUが発表された直後に登場するグラフィックスカードは、そのほとんどがリファレンスデザインに沿ったモデルだ。ユーザーの人気も(登場時期が)「早い」「安い」「潤沢」なベンダーの製品に集中する傾向にある。それだけに、その後に登場するオリジナルファンやオリジナル基板を採用したモデルでは、ベンダーの開発力が試されることになる。

 MSIが開発したオリジナルモデルとして「N260GTX Lightning」を紹介しているが、このグラフィックスカードに搭載されていたクーラーユニットが「Twin Frozr」だ(N260GTX Lightningのレビューは、遊び心を刺激するAir Forceに注目──「N260GTX Lightning」を楽しむを参照のこと)。今回紹介するクーラーユニットの「Cyclone」は、主にMSIのRadeonシリーズを搭載するグラフィックスカードに採用される。

 CycloneシリーズでRadeon HD 4890を搭載した「R4890 Cyclone OC」は、強力な冷却性能を生かしたオーバークロック仕様のモデルだ。今ではRadeon HD 5800シリーズにフラッグシップの地位を譲ったものの、Radeon HD 4890搭載モデルは値頃感が出ており、R4890 Cyclone OCも2万円台半ばで販売されている。1世代前とはいえ、かつてのシングルGPU最上位モデルなので、性能は十分だ。そのオーバークロック版が2万円台半ばということで、お買い得度も高い。

大口径ファンを取り囲むヒートパイプ、ヒートシンクの組み合わせがなんとなく“虫っぽい”「R4890 Cyclone OC」(写真=左)と、高い冷却性能とオーバークロック性能を見せた“Twin Frozr”搭載の「N260GTX Lightning」(写真=中央)を並べる。 定格設定がコアクロック850MHz、メモリクロック975MHzに対し、R4890 Cyclone OCはコアクロック880MHz、メモリクロック975MHzに設定されている(写真=右)

強烈なインパクトを与える外見だけにセッティングに注意

 Radeon HD 4890のリファレンスカードデザインがフルカバードタイプであるのに対し、Cycloneシリーズでは、ファンが外部から見えるオープンタイプを採用している。中央に10センチファンを配置し、4本の“極太”ヒートパイプが円弧に広がり、そこに大型のヒートシンクを接続する。PCI Expressの拡張カードは、規格で高さが107ミリに制限されている。Cycloneの10センチファンはこの制限いっぱいのサイズだ。加えて、周りにヒートパイプがはみ出るので、PCケースの内部には、ある程度の空間が必要になる。また、スロットを差したグラフィックスカードの本体が少しでも傾いてしまうとスロットにフィンが干渉するので、ブラケットをしっかりネジで固定しておくのが好ましい。

PCI Express拡張カードの制限ぎりぎりになる10センチファンと、そこからはみ出す4本の極太ヒートパイプを組み合わせたごついスタイルがCycloneの特徴だ。そのサイズゆえに内部空間に余裕のあるPCケースとスロットとの干渉を防ぐための確実な固定が必要だ

GPUと密着するクーラーヘッドの上にヒートシンクが載り、そこから左右に2本ずつあるヒートパイプを介してヒートシンクへ熱が移動する。外側にあるヒートパイプは径が太い

 PCI Express補助電源コネクタが6ピン2個という仕様はRadeon HD 4890のリファレンスカードと同じだ。ブラケットに用意されたインタフェースはDVIが1基、アナログRGBが1基、HDMIが1基といった構成で、このうち、2系統が同時に利用できる。ブラケットに設けられた排気用スリットには、MSIのロゴが刻まれている。

画像出力インタフェースはDVIが1基、アナログRGBが1基、HDMIが1基。PCI Express補助電源コネクタは6ピン2基の構成だ

 基板に実装したコンポーネントでも、N260GTX Lightningと同様の「ミリタリークラス」の部品が採用されている。クーラーユニットを外して確認してみると、Hi-C Cap(高効率ポリマーコンデンサ)が確認できた。このような耐久性の高い部品を採用することで、オーバークロック設定でも長期の使用に耐えられる信頼性を得ることができる。

基板上にはHi-C Capが確認できる。「ミリタリークラスの信頼性」をアピールしていたLightningシリーズと同等の品質をCycloneシリーズでも実現している

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