システム構成 | |
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CPU | Core i7 965 Extreme Edition(3.20GHz) |
マザーボード | MSI X58 Pro |
チップセット | Intel X58 Express |
メモリ | DDR3-1333(GeIL GV33GB1333C9TC 1GB×3/9-9-9-24) |
HDD | WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB) |
OS | Windows Vista Ultimate(SP2) 32ビット版 |
R4890 Cyclone OCは、搭載したクーラーユニットの高い冷却性能とミリタリークラスの信頼性を誇るコンポーネントによって、オーバークロック設定を可能にしている。その性能向上はいかほどなのだろうか。以前レビューで紹介したRadeon HD 4890搭載リファレンスカードのベンチマークテストの結果と比較してみた。なお、以前のレビューで測定した条件とWindows Vistaのサービスパックバージョンと、ドライババージョンは同一でないのでその点は注意していただきたい。
ベンチマークテストの結果では、低負荷時で10%、高負荷時で7%前後のスコアアップが確認できた。コアクロック30MHzのオーバークロックだが、3DMark06でいえば定格設定のRadeon HD 4890とRadeon HD 5870との中間的なポジションになる。3DMark Vantageではそれぞれの開きがもう少し大きいものの、メインストリーム向けのRadeon HD 5770は十分に上回る。
R4890 Cyclone OCでは、MSIの技術力で生まれた冷却性能の余裕をオーバークロックに割り当てているため、静音性能は「リファレンスと比べればいい」という程度だ。静音性能を期待するユーザーには向いていないことになるが、それでも、うるさいほどではない。また、R4890 Cyclone OCに用意されたソフトウェアで動作クロックやファンの回転数を下げれば、“静かなグラフィックスカード”に変身することも可能だ。
リリース時期の関係から、オリジナルデザインを採用するグラフィックスカードは、最新のチップをいち早く使いたいユーザーには向かない。しかし、最新GPUという事実より、ドライバの安定度が増してGPUの価格もこなれてきた時期に登場するオリジナルデザインカードは、冷静に検討を重ねてきた“違いの分かる”ユーザーに選んでもらえる。違いが分かるからこそ、高い信頼性を可能にするコンポーネントや、オーバークロック設定を可能にする強力なクーラーユニットを搭載するR4890 Cyclone OCの特徴にマッチしている。
Radeon HD 4890はすでに“旧機種”の世代になってしまったが、高い性能で人気のRadeon HD 5870搭載モデルは製品供給が依然としてタイトなままだ。そういう状況にあって「高性能グラフィックスカードが今すぐ欲しいっ!」というユーザーに、R4890 Cyclone OCは、またとない選択肢となるのではないだろうか。
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