2009年クリスマスギフトの主役はKindle──Netbookは投げ売り(1/2 ページ)

» 2009年12月08日 14時00分 公開
[登丸しのぶ/Shinobu T. Taylor,ITmedia]

 米国で最も大切な祝日の1つである“サンクスギビングデー”。毎年11月の第4木曜日のこの日は、ターキーをたらふく食べてもゆっくり寝てはいられない。翌日、金曜日は1年で最大のショッピングチャンスである「ブラックフライデー」のため、あらゆる小売店が早朝から店をオープンさせるからだ。

“黒金”恒例の「深夜」「早朝」販売

シアトル郊外にあるFry'sのレントン店は、ホリデースペシャルを狙う買い物客で早朝5時から終日混雑していた

 ブラックフライデーは、あらゆる小売店が大幅な値下げを実施し、クリスマス商戦の口火を切る。ブラックフライデーの「ブラック」には、この日を境に小売店が“黒字”に転じるという意味がある。多くの小売店は早朝5時に店をオープンし、黒字獲得のために最大限の努力をする。中には玩具大手のToysRusのように、深夜12時スタートという気合いの入った店もある。

 11月に入ると、ブラックフライデーに向けて新聞、テレビ、オンラインなどで、セールの広告が白熱してくる。ここで、各ショップが力を入れて宣伝するのは「Door Busters」と呼ばれる、先着○人限定の特価品だ。2009年のDoor Bustersでは、小売り大手の「Walmart」が50型の三洋電機製プラズマテレビを598ドル、MagnavoxのBlu-rayプレーヤーを78ドルで売り出した。家電量販店大手の「BEST BUY」は、1店舗につき5台限定でCeleron搭載のヒューレット・パッカード(HP)製のノートPC「HP G60-507DX」を、たったの197ドルで販売した。1ドル90円としても1万7730円だ。

Fry'sで200ドル台で販売されるASUSのNetbook(写真=左)。Fry'sでこの日一番人気だったHPのCore 2 Duo搭載ノートPC「HP Pavilion dv4-1540us」。タイムセールで表示価格から100ドル引いた649ドルまで実売価格が下がった(写真=右)

 ベイエリアのエレクトロニクス量販店大手「Fry's」のレントン店(ワシントン州シアトル郊外)では、ブラックフライデーの開店時間を朝5時にしていた。しかし、その時間にはすでに店を取り囲むほどの長蛇の列ができた。Fry'sでもDoor Bustersとして177ドル99セントのGateway製Netbook「LT2022U」を100台も用意していたが、開店と同時に売り切れたという。Door Bustersがはけた後も、同店舗では表示価格より50ドル引き、100ドル引きといったホリデースペシャル価格を連発して終日多くの買い物客でにぎわっていた。

 ブラックフライデーにおける販売価格の相場(ただし、Door Busters対象商品を除く)は、NetbookがWindows XPモデルで200ドル後半、Windows 7モデルが300ドル半ばから後半といったところだ。しかし、今ではNetbookよりスペックが高いCULVノートPCが500ドル前後で購入できるため、米国でもNetbookの値ごろ感は薄れている。ノートPC売り場のレイアウトも通常タイプのノートPCやCULVノートPCを前面に押し出し、Nebookは片隅に追いやられている。

シアトル郊外のベルビューにあるBEST BUYでもASUS のNetbook「Eee PC 1005HAB」が279ドル99セントで販売されていた(写真=左)。BEST BUYでは、ASUSのNetbookと4GバイトのSanDisk製USBメモリ、インナーケースがセットになって349.97ドルだった(写真=右)

BEST BUYで販売されていた東芝製ノートPC「Satellite L505D-55983」のWindows 7モデル。こちらは、4GバイトのSanDisk製USBメモリとワイヤレスマウス、インナーケースがついて492ドル96セントだ(写真=左)。BEST BUYではNokiaのノートPC「Booklet 3G」も扱っていた。本体単体の実売価格は599ドル99セントだが、AT&Tのサービスを2年間契約すると299ドル99セントでPC本体が購入できる(写真=右)

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