インテルは、1月8日にデスクトップPC向けのCore i5/Core i3シリーズと、ノートPC向けのCore i7/Core i5/Core i3シリーズを発表した。いずれも32ナノメートルプロセスルールの“Westmere”コアを採用した最初のモデルで、CPUパッケージに45ナノメートルプロセスルールのGPUコアを統合したのが特徴だ。デスクトップPC向けモデルは「Clarkdale」、ノートPC向けモデルは「Arrandale」という開発コート名でそれぞれ呼ばれてきた。CPUコアの構成トランジスタ数は3億8300万個、グラフィックスコアは1億7700万個になる。ダイサイズは、CPUコアが81平方ミリメートル、グラフィックスコアが114平方ミリメートルだ。
ClarkdaleとArrandaleに実装されるグラフィックスコアは、パッケージの中でQPIで接続されるほか、画像出力のインタフェースを持つチップセットとはCPU側がDMI、グラフィックスコア側はIntel Flexibie Display Interfaceで接続する。なお、グラフィックスメモリはCPUと接続するDDR3メモリで共有することになる。
インテルは同時に、“Clarkdale”CPUに対応した「Intel Q57 Express」「Intel H57 Express」「Intel H55 Express」チップセットと、“Arrandale”CPUに対応した「Intel QS57 Express」「Intel QM57 Express」「Intel HM57 Express」「Intel HM55 Express」チップセットも発表している。
加えて、Arrandaleと対応チップセット(開発コード名でIbex Peak-Mと呼ばれていた)で構成される新しいノートPCプラットフォーム(開発コード名はCalpella)で利用できる無線LANモジュールとして「Intel Centrino Ultimate-N 6300」「Intel Centrino Advanced-N 6200」「Intel Centrino Advanced-N+WiMAX 6250」を発表した。
デスクトップPC向けの“Clarkdale”は、「Core i5-670」「Core i5-661」「Core i5-660」「Core i5-650」「Core i3-540」「Core i3-530」のCore i5シリーズ4モデルとCore i3シリーズ2モデル、ノートPC向けの“Arrandale”は「Core i7-620M」「Core i7-640LM」「Core i7-620LM」「Core i7-640UM」「Core i7-620UM」「Core i5-540M」「Core i5-520M」「Core i5-520UM」「Core i5-430M」「Core i3-350M」「Core i3-330M」の、Core i7シリーズ5モデル、Core i5シリーズ4モデル、Core i3シリーズ2モデルだ。
それぞれのスペックは以下のようになる。
CPU | 動作クロック | TurboBoost最高クロック | コア数 | 2次キャッシュメモリ | 対応メモリ | TDP | 実売価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i5-670 | 3.46GHz | 3.73GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1333 | 73ワット | 2万5800円 |
Core i5-661 | 3.33GHz | 3.60GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1333 | 87ワット | 1万7800円 |
Core i5-660 | 3.33GHz | 3.60GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1333 | 73ワット | 1万7800円 |
Core i5-650 | 3.20GHz | 3.46GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1333 | 73ワット | 1万5990円 |
Core i3-540 | 3.05GHz | 対応せず | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1333 | 73ワット | 1万2080円 |
Core i3-530 | 2.93GHz | 対応せず | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1333 | 73ワット | 1万260円 |
(記事掲載当初、Core i3-530の動作クロックに間違いがありました。おわびして訂正いたします)
CPU | 動作クロック | TurboBoost最高クロック | コア数 | 2次キャッシュメモリ | 対応メモリ | TDP | 実売価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-620M | 2.66GHz | 3.33GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1066 | 35ワット | 3万160円 |
Core i7-640LM | 2.13GHz | 2.93GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1066 | 25ワット | 3万160円 |
Core i7-620LM | 2.0GHz | 2.8GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-1066 | 25ワット | 2万7250円 |
Core i7-640UM | 1.20GHz | 2.26GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-800 | 18ワット | 2万7710円 |
Core i7-620UM | 1.06GHz | 2.13GHz | 2/4 | 4Mバイト | DDR3-800 | 18ワット | 2万5250円 |
Core i5-540M | 2.53GHz | 3.06GHz | 2/4 | 3Mバイト | DDR3-1066 | 35ワット | 2万2250円 |
Core i5-520M | 2.40GHz | 2.93GHz | 2/4 | 3Mバイト | DDR3-1066 | 35ワット | 2万440円 |
Core i5-520UM | 1.06GHz | 1.86GHz | 2/4 | 3Mバイト | DDR3-800 | 18ワット | 2万1890円 |
Core i5-430M | 2.26GHz | 2.53GHz | 2/4 | 3Mバイト | DDR3-1066 | 35ワット | 非公開 |
Core i3-350M | 2.26GHz | 対応せず | 2/4 | 3Mバイト | DDR3-1066 | 35ワット | 非公開 |
Core i3-330M | 2.13GHz | 対応せず | 2/4 | 3Mバイト | DDR3-1066 | 35ワット | 非公開 |
“Clarkdale”“Arrandale”ともに、すべてのモデルがデュアルコアとなるが、インテル ハイパー・スレッディング・テクノロジーに対応するので同時に4本のスレッドを処理できる。また、Nehalem世代のCPUに導入されたインテル ターボ・ブースト・テクノロジーをCore i3シリーズ以外のモデルがサポートする。デュアルコアの1つが動作を止めたときにできる熱設計の余裕を利用して、残りのコアの動作クロックを上げる技術で、例えば、動作クロック3.46GHzのCore i5-670は最高3.73GHzまで動作クロックが上昇する。
“Clarkdale”、“Arrandale”ともにグラフィックスコアを同じパッケージに実装するが、Arrandaleでは、グラフィックスコアもインテル ターボ・ブースト・テクノロジーと同様に動作クロックを上昇させる「Intel HD Graphics with Dynamic Frequency」を新たに導入した。CPUコアが動作クロックを抑えているときにできた熱設計限界のマージンを利用してグラフィックスコアの動作クロックを上げるのは、インテル ターボ・ブースト・テクノロジーと同じだ。
インテルは、“Clarkdale”と“Arrandale”の性能について、従来のCPUと比較した相対値を示している。それによると、Core i5-650とCore 2 Duo E8400の比較では、PCMark Vantageの結果で61%、SYSmark2007の結果で16%ほどCore i5-650が有利であった。このほか、同様に、Core i5-650とCore 2 Quad Q9400との比較では、PCMark Vantageの結果で40%、SYSmark2007の結果で22%、Core i5-650が有利だった。
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