今度のThinkPadはなぜ赤い(1/2 ページ)

» 2010年01月22日 17時30分 公開
[登丸しのぶ/Shinobu T. Taylor,ITmedia]

ThinkPadをより幅広いユーザーに使ってもらいたい

Lenovo ThinkPad Xシリーズ ワールドワイドプロダクトマーケティングマネージャーのミカ・マジャプロ氏

 AMDプラットフォームを採用して10万円を切る価格を設定するなど、ThinkPadシリーズの新製品「ThinkPad Edge」と「ThinkPad X100e」はこれまでのThinkPadシリーズにはない特徴を備えている。この新しいラインアップについてLenovoはなにを目指すのか。Lenovo ThinkPad Xシリーズ ワールドワイドプロダクトマーケティングマネージャーのミカ・マジャプロ氏は「ThinkPad EdgeはSLシリーズを置き換えるシリーズで、ThinkPad X100eは薄型・軽量・長時間駆動を特徴とするThinkPad Xシリーズの新機種」としている(ThinkPad EdgeとThinkPad X100eのコンセプト詳細についてはレノボ・ジャパン、「10万円を切る」ThinkPadを発表を、ThinkPad X100eの詳細については10万円を切る「ThinkPad X100e」は本当に“ThinkPad”なのかをそれぞれ参照のこと。なお、レノボ・ジャパンが製品発表会で示した資料では、X100eをSLシリーズのモバイルPC版と位置付けている)。

 マジャプロ氏は、ThinkPad Edge、ThinkPad X100eを投入した一番の狙いを「ビジネス用途で高い評価を得てきたThinkPadシリーズを、より求めやすい価格帯に設定することで、学生などエントリーユーザーに使ってもらえるようにすること」と語った。このため、販売チャネルも家電量販店などに拡大していきたいとしている。ThinkPadとしては異例の白や赤のカラーバリエーションも、新規ユーザー開拓の意思表示ということだ。

 ThinkPad EdgeもThinkPad X100eも、ThinkPadシリーズとしては初めてAMDプラットフォームを採用したが、このはなぜか。マジャプロ氏は、「CPUパワーと価格のバランスを考慮して、現時点で最も優れた価値を提供できるプラットフォームを選択した」と説明する。ただ、PCメーカーやユーザーからのフィードバックを受けて、最適なプラットフォームを今後も選択していくとしており、今後の状況によってはインテルプラットフォームを採用する可能性も否定していない。

 ThinkPad EdgeやThinkPad X100eに見られるような大胆な低価格化を進めていくLenovoで気になるのが、ThinkPadの品質を支えてきた大和事業所の存在だ。コスト削減の一環として、この開発拠点を海外に移す計画はあるのだろうか。「ThinkPadシリーズは、これからも大和事業所で開発を続けていく。今回の新製品も、大和事業所において従来のThinkPadシリーズと同様の耐久性および信頼性の試験をクリアしている。業界において最も優れたエンジニア製品というThinkPadの評価を守り続けるためにも、 ThinkPadシリーズは長年の経験を有する優れたエンジニアと開発環境を備えた大和事業所で開発することが重要と考えている」(マジャプロ氏)。

ThinkPad EdgeとThinkPad X100eは、AMDのノートPC向けプラットフォーム「2GUT」(以前はCongoと呼ばれていた)やアイソレーションタイプのキーボードを採用するなど、これまでのThinkPadとは一線を画する性格を持つ(写真=左)。ThinkPad X100eに“赤い”カラーバリエーションが用意されたのに、「時代が変わった」とつぶやいたThinkPadユーザーが少なからずいたと聞く(写真=右)

ノートPCとSkylightでユーザー需要のほとんどをカバーできる

Lenovo ブランドアンバサダーのスティーブ・ミラー氏

 Lenovoが2010 CESで公開した「Skylight」は、3G通信機能を備えたQUALCOMMの「Snapdragon」を採用し、重さ1.6ポンド(約820グラム)で10時間のバッテリー駆動時間を実現している。Lenovoブランドアンバサダーのスティーブ・ミラー氏は、同製品の投入に至った経緯を次のように語っている(Skylightの詳細は、プライベートイベントで「T410」「U1 Hybrid」「Skylight」に肉薄するを参照のこと)。

「Netbookが登場して、PC市場のほぼ30%を占める状況となった。このことで、非常に軽く、薄く、簡単で、かつ手軽なデバイスへの需要が高いことをLenovoはあらためて認識した。この市場を狙ってスマートフォンが台頭してきたが、スマートフォンの小さなキーではタイピングが思うようにできず、Webブラウジングもやりにくい。フルサイズのキーボードが必要と考えている」(ミラー氏)

 Lenovo イノベーションセンター プログラムマネージャーのケビン・ベック氏も、ミラー氏の説明を補足して次のようにコメントした。「Netbookは携帯性に優れてはいるが、バッテリー駆動時間が4〜5時間と制限があり、ノートPCと差別化が難しい。Skylightは純粋にインターネットアクセスとマルチメディアプレーヤーとしての機能に特化している。気軽にバッグに入れて持ち運びできるのに、電話より多くの機能を備えている」(ベック氏)

 このコンセプトを体現するかのように、Skylightでは“無駄”が徹底的に省かれている。まず、LinuxをベースにLenovoがUIをカスタマイズした「Skylight OS」を採用し、ソフトウェアをユーザーが自分でインストールできない。デバイス内部のファイル構造も見ることはできず、ファイルを入れると自動的に音楽ファイルや映像ファイルとして認識される。ただし、このおかげでユーザーがデータファイルのメンテナンスをする必要がなくなり、PCに詳しくないユーザーでも携帯電話の感覚で簡単に使える。

 Skylightは、最大20Gバイトまで搭載可能なフラッシュメモリのほかに、microSDカードやUSBメモリなどのデータストレージ用インタフェースも備えている。Skylight本体を壊してしまっても、外部メモリに情報を格納しておけば別のデバイスで同じ環境がすぐに再現できるわけだ。

「PowerPointやWordなどは自宅のノートPCで、外出したときにWebブラウジングやチャットがしたいと思ったときは携帯利用に特化したSkylightを持っていくように、2台あればユーザーニーズのほとんどをカバーできるだろう」と、ベック氏はSkylightの価値をアピールしている。

Skylightは、10型ワイド液晶ディスプレイを搭載した重さ約1キロの小型デバイスだ(写真=左)。「常に持って身近にある」ことを意識したボディデザインは、女性ユーザーも配慮しているという(写真=右)

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