ASRockブースで挑発的なAMD 890GXマザーのライブデモを見るCeBIT 2010(1/2 ページ)

» 2010年03月08日 16時23分 公開
[長浜和也,ITmedia]

警告のホイッスルに負けない“ASRock”魂!

 いろんな意味でアグレッシブなPCバーツベンダーといえば、ASRockはまず外せない。CeBIT 2010でも、Gulftownで「そこまで見せちゃっていいんですかっ!」というライブデモを披露していたが、どうやら、どこぞから“ホイッスル”を鳴らされたらしい、とある関係者が語っていた。しかし、それにも負けないASRockは、そのGulftownのライブデモを続行しただけでなく、AMDのマザーボードでも、挑戦的なライブデモを行っていた。

どんな過激なネタでも堂々とライブデモで紹介してしまう勇気あるASRockのブース。きょうはASRock UCCのライブだっ(写真=左)。主役はAMD 890GXを搭載した890GX Extreme3。搭載するCPUはトリプルコアのPhenom II X3 720だぜっ(写真=右)

 CeBIT 2010で、マザーボードベンダーがこぞってアピールしていたのが、このイベントにあわせてAMDがローンチしたAMDの“8シリーズ”チップセットを搭載した新モデルだ。AMD 890GX、AMD 890FXの最上位モデルをはじめとする多数の製品がCeBIT 2010で台湾ベンダーが集結するHall 17を飾った。ライブデモを行うブースも多々ある中、注目を集めていたのは、やっぱり「あのっ!」ASRockだ。ホイッスルを鳴らされて意気消沈と思いきや、同社のAMD 890GX搭載マザーに実装された過激な機能を意気揚々と説明してくれた。

 その機能の名前は「ASRock UCC」という。似たような名前に、ちょっと前にTwitterで超有名になった日本の企業とはまったく関係なく、「Unlock CPU Core」の略称だ。そのまま解釈すると「Black EditionのようにCPUの倍率制限を解除しちゃうの?」と思ってしまうが、ASRock UCCはさらに過激で、「トリプルコアCPUで眠っている“もう1つのコア”を有効にする」というものだ。

 とはいえ、実を言うと、この機能はほかのAMD 890GXやAMD 890FX搭載マザーボードでも実装可能な機能で、PC USERで掲載したAMD 890チップセットレビュー「チップセットでSATA 6Gbpsをついにサポート! AMDの「AMD 890GX」をぐりぐり試す」で使用したASUSの「M4A89GTD PRO/USB」にも、「CORE UNLOCKER」という名称で同じ機能が用意されている。

眠っているコアをたたき起こせっ!

 先ほども述べたように、CeBIT 2010のHall 17には、AMD 890GX、AMD 890FX搭載マザーボードが多数展示され、ライブデモもいたるところで行われていたが、この機能をアピールするところはほとんどなかった。「ある種の遠慮」が作用した結果かもしれないが、そういう空気が渦巻く中で、ASRockでは、ブースのど真ん中でGulftownとともに、Unlock CPU Coreのライブデモを堂々と行っていた。

 ライブデモで動作していたのは、AMD 890GXを搭載する「890GX Extreme3」だ。サウスブリッジにSB850を組み合わせ、メモリはオーバークロックでDDR3-1800(PC3-14400)まで対応可能。チップセットに統合されたRadeon HD 4290専用のグラフィックスメモリとして使えるサイドポートメモリとして、DDR3-1333(PC3-10600)を128Mバイト用意している。

 画像出力インタフェースにはアナログRGBのほかにDVI-DとHDMIを備える。そのほかのインタフェースとしては、SB850でサポートされる2基のUSB 3.0、6基のSerial ATA 6Gbpsにも注目したい。また、ハイエンドマザーボードらしく、3本のPCI Expressm x16スロットで3枚差しのCrossFireXにも対応する。

 以上、ここまでのスペックをチェックしていくと、いたってまじめなハイエンドのAMD 890GXマザーボードという風情だが、ライブデモでは、ASRock UCCの機能がメインとして紹介されている。この機能を有効にするにはBIOSで用意された設定メニューを「Enable」とするだけでいい。再起動すると、“眠っていたコア”が復活して、トリプルコアのCPUがクアッドコアとして動き始める。

BIOSでトリプルコアの「Phenom II X3 720」と認識されているCPUも(写真=左)、ASRock UCCが有効になれば(写真=中央)、クアッドコアのPhenom II X4 20に変身する(写真=右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月11日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  3. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  4. Minisforum、Intel N100を搭載したスティック型ミニPC「Minisforum S100」の国内販売を開始 (2024年05月10日)
  5. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. ASRock、容量約2Lの小型ボディーを採用したSocket AM5対応ミニベアボーンPCキット (2024年05月10日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  10. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー