ゴールドなエクスペリエンスが味わえる?――「HP Mini 210 Vivienne Tam Edition」実力診断デザインのよさは分かったが……(2/3 ページ)

» 2010年05月06日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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最新のNetbookとして手堅くまとめたハードウェア仕様

 ハードウェアの基本設計はベースモデルのHP Mini 210と共通だが、比較的ハイスペックな仕様が採用されている。詳細は掲載済みのファーストインプレッション記事でも紹介しているので、ここでは簡単にまとめておく。

 ボディのサイズは268(幅)×179(奥行き)×23.5〜28.5(高さ/突起部除く)ミリ、重量は約1.18キロで、実測の重量も1.169キロとほぼ公称値通りだった。ボディの端が緩やかに絞り込まれているため、持った際に厚さはあまり気にならず、重量も携帯しやすい範囲でまとまっている。

 背面に搭載した標準の3セルリチウムイオンバッテリーは容量が33ワットアワー(10.8ボルト 2455mAh)で、公称の駆動時間は約4.25時間とされている。オプションの大容量バッテリー(6セル)を導入することで、駆動時間は公称で約9時間まで延長できるが、本体の厚さと重量が増し、カラーが通常のHP Mini 210と同じブラックになる点は覚えておきたい。

 付属のACアダプタのサイズは36(幅)×89(奥行き)×27(高さ)ミリと小型で、重量はACアダプタ本体のみで161グラム、電源ケーブル込みで271グラム(実測)だ。電源ケーブルの代わりとしてコンセントに直接挿せるウォールマウントプラグも付属しており、ACアダプタにこれを装着した重量は202グラム(実測)だ。電源ケーブルは3ピンタイプでかさばるのでこちらのほうが携帯しやすい。

棒状のリチウムイオンバッテリー(容量は10.8ボルト 2455mAh)を背面に装着している。付属のACアダプタはコンパクトで、3ピンの太い電源ケーブルとウォールマウントプラグを使い分けられる
工具いらずで内部にアクセスできるのも隠れたポイント。バッテリーを外すと現れるオレンジ色のレバーとボタンを操作することで、底面のカバーが外れる。ツメで固定されたカバーを外す際は破損しないように注意が必要だ
底面カバーを外すと、1基のSO-DIMMメモリスロットや2.5インチSerial ATA HDDが露出する。Mini PCI Expressカードスロットにはハーフサイズの無線LANモジュールが装着済みで、フルサイズのスロットが1基空いている

 基本スペックは、最近のNetbookとしては標準的なもので、CPUにはAtom N450(1.66GHz)、チップセットはIntel NM10 Expressを用いている。グラフィックス機能は、CPU内蔵グラフィックスコアのIntel GMA 3150を利用する。メインメモリの容量は2Gバイト(PC2-6400)、データストレージには2.5インチHDD(Serial ATA)を採用しており、容量は250Gバイトだ。HDDの回転速度は7200rpmの高速タイプとなっている。光学ドライブは内蔵していない。

CPUには、Intel GMA 3150グラフィックスコアとメモリコントローラをCPU内に統合したAtom N450を搭載している。動作クロックは1.66GHz、2次キャッシュは512Kバイトで、Hyper-Threadingに対応している。TDP(熱設計電力)は5.5ワットだ。アイドル時にはEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)により動作クロックが下がる

 通信機能、端子類の装備もNetbookとしては標準的な内容だ。通信機能は100BASE-TX/10BASE-Tの有線LANと、IEEE802.11b/g/nの無線LANを標準装備する一方、Bluetoothは内蔵していない。端子類は本体の両側面に配置されており、合計3基のUSB 2.0、アナログRGB出力、マイク/ヘッドフォン端子、SDHC対応SDメモリーカード/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード/MMC対応カードスロットを備える。また、前面にはステレオスピーカー、液晶ディスプレイの上部にはWebカメラとマイクも搭載する。

前面の下部にステレオスピーカーを内蔵。サウンドの臨場感を増すユーティリティ「Beats Audio」も備える
背面はリチウムイオンバッテリーで占有されており、インタフェース類などはない

左側面にDC入力、アナログRGB出力、排気口、USB 2.0、マイク/ヘッドフォン端子を用意する。HDDアクセスランプが側面にあるのは珍しい
右側面にはカードスロット、スライド式の電源スイッチ、通風口、2基のUSB 2.0、100BASE-TXの有線LAN、ケンジントンロックホールが並ぶ

デバイスマネージャ画面。内蔵HDDはHGSTの「HTS725025A9A364」だった

高解像度の液晶ディスプレイと良好な入力環境を用意

 液晶ディスプレイの画面サイズは10.1型ワイドだ。画面の解像度は、量販店モデルが1024×600ドット、同社直販のHP Directplusモデルは1366×768ドットとなっている。表面はいずれも光沢仕上げなので、画面への映り込みは少し気になるだろう。

 今回試用したのは直販モデルだが、画面サイズに対して解像度が高い(ドットピッチが狭い)こともあり、輝度は最近の製品としては若干暗めの印象を受けた。もっとも、Netbookとしては高い解像度を確保したことで、広い作業環境が得られるのはありがたい。視野角は特に上下方向が狭いものの、ヒンジの角度は約135度まで開くので、ある程度見やすい角度に調整できる。ヒザの上で使う程度ならば、特に問題はないと思われる。

光沢タイプの10.1型ワイド液晶ディスプレイは、直販モデルと店頭モデルで画面解像度が異なる
LEDバックライトを搭載した液晶ディスプレイ部は薄型だ。液晶ディスプレイは約135度まで開く

 キーボードはキートップの間隔を広げて、キートップのみを表面に露出させた浮き石型(アイソレーションタイプ)のデザインを採用する。主要キーのキーピッチは実測で約17.5×17.5ミリ確保している。PgUp、PgDnのキーが省かれているが、キー配列は比較的素直だ。キーボードユニットのたわみは意識しないと分からない程度で、スイッチは良好といえる。ただ、カーソルの上下キーが小さく、やや打ちにくい点は気になった。

 最上段のF1〜F12キーには検索、輝度調整、音量調整、外部ディスプレイ出力、無線LANオン/オフなどのワンタッチボタン機能が割り当てられており、通常のF1〜F12キーとして使うにはFnキーとの同時押しで入力する必要がある。つまり、一般的なノートPCとは逆の設定になっているわけだが、これらはBIOSセットアップの設定で割り当てを入れ替えることも可能だ。

 タッチパッドは、左右のクリックボタンをパッド内に統合した「クリックパッド」を採用。パッドの下方を押すと、パッドの端が沈み込んでクリックの動作となる仕様だ。シナプティクスの多機能ドライバ(V7.4)により、マルチタッチジェスチャーもサポートする。そのほか、本体と共通のデザインを採用したワイヤレス光学式マウスが付属する。

浮き石型の日本語85キーボードを採用。Enterキーは幸福を意味する「ダブルハッピネス(双喜)」の文字で飾られている。パームレストの長さは51ミリだ
クリックボタンを統合したクリックパッドは指の滑りがよい。パッドのサイズは78(横)×44(縦)ミリと横長だ。左上にクリックパッド機能のオン/オフボタンがある
付属のワイヤレスマウスもデザインが本体と共通化されている。小型の受信部をUSBポートに装着して使う仕組みだ

タッチパッドにはシナプティクスの多機能ドライバが導入されており、2本指での縦横スクロール、つまみズーム、回転などといったマルチタッチジェスチャーに対応している。ユーティリティで設定すれば、3本指のタッピングで任意のアプリケーションを起動したり、3本指でパッドを弾くことでページ送りをする機能なども利用できる

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