LGのフルHD液晶ディスプレイ注目機種――120Hz駆動の「W2363D-PF」と超解像の「E2350VR-SN」を試す動画表示の違いをチェック(4/4 ページ)

» 2010年07月07日 11時00分 公開
[林利明(撮影:矢野渉),ITmedia]
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E2350VR-SNの超解像は使えるのか?

画面の左半分が超解像オフ、右が超解像オンの様子。オンにすると、ディテールが描き込まれて全体に鮮明さが増す

 E2350VR-SNの超解像は効き具合がハッキリしていて、いろいろな動画で解像感がアップし、細部がより描き込まれ、鮮明さが増すような印象を受ける。E2350VR-SNはノイズフィルタ(モスキートノイズ/ランダムノイズ)とオーバーシュート(輪郭の偽色)の抑制機能も搭載しており、超解像を有効にしたときの画質低下を低減している。実際、超解像を有効にしてもノイズやオーバーシュートはそれほど目立たない。

 超解像は、低解像度な映像だけでなく、元から高解像度な映像でも有効だ。むしろ、高解像度な映像を超解像のLow設定で見たほうが、分かりやすいかもしれない。低解像度の動画だと、Low設定では強度が弱く感じ、MediumやHighの設定にすると、逆に強すぎる場合がある。動画全体や輪郭部分のシャープネスが不自然に強調され、ノイズが見えたり、粗く見えてしまうのだ。高解像度な動画はLow設定、低解像度な動画はMedium設定がバランスよく感じた。

 また、動画の視聴においては、見た目に分かるほどの動画ブレは感じなかった。文字が高速でスクロールするテロップなどでは、輪郭がぼやけて見えるものの、こうした特定のシーンを除けば快適に視聴できるだろう。加えて、超解像を有効にすると輪郭がクッキリと描かれるため、見た目の残像感を軽減する効果もある。

 一方、静止画の表示品質については、中間調の発色が浅いものの、デフォルトでコントラストのバランスがよく、黒の締まりがよい。単色のグラデーションを表示すると、バンディング(トーンジャンプ)と色かぶりが見られる部分があるが、動画表示がメインなら不都合は感じない。視野角は、TN方式の液晶パネルとして平均的な印象だ。角度を付けて画面を見ると色度変化が大きいものの、正面から普通に見るぶんには問題ない。

sRGBモードでのモノクログラデーション表示
sRGBモードでのカラーグラデーション表示

120Hz駆動のW2363D-PFか、超解像のE2350VR-SNか

 以上、W2363D-PFとE2350VR-SNの2台を同時に使ってみたが、核となる機能が明確に異なるだけに、どちらを選ぶか悩ましいところだ。実売価格はW2363D-PFが4万円前後、E2350VR-SNが2万円台前半となっており、いずれもコストパフォーマンスは高い位置にある。

 1つはっきりしているのは、ゲームやNVIDIA 3D Visionへの対応を重視するなら、W2363D-PFで決まりということだ。特にPCでFPSなどを積極的にプレイするユーザーは、W2363D-PFの強みを引き出せるだろう。また、合計3系統のデジタル入力があるため、DVI-DにはPC、2基あるHDMIには家庭用HDゲーム機やBlu-ray Discレコーダーを同時につないでおくことができる点もありがたい。

 一方のE2350VR-SNは、何といっても超解像がウリだ。超解像はさまざまな映像コンテンツに利用でき、動画共有サイトの動画やストリーミング動画など、少しだけ低めのビットレートでエンコードされた映像によく効くという印象を受けた。ゲーム以外の映像コンテンツを頻繁に視聴するユーザーには、E2350VR-SNが向いているといえる。

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