米Adobe Systemsは9月13日、同社の電子書籍向けプラットフォーム「Digital Publishing Platform」を使用して作成された電子書籍のプレビューを行うためのiPadアプリ「Adobe Content Preview Tool」をリリースした。価格は無料。
同アプリは、Adobe InDesign CS5で作成したデータをObjective-CやAdobe AIRを用いてマルチプラットフォームに対応させる「Digital Publishing Platform」を補完するためのもの。
Digital Publishing Platformでは、InDesign CS5でページレイアウトと双方向機能を追加、さらに記事のタイトルと説明、雑誌の号数といったメタデータを追加したものを「.issue」フォーマットで書き出した後、今後提供予定のユーティリティ「Digital Content Bundler」で素材のパッケージ化を行う。このパッケージ化されたデータを「Digital Content Viewer」でレンダリングして読者に届けるというのが基本的なワークフローとなる。
今回リリースされたアプリは制作側がプレビューツールとして利用するiPad向けのDigital Content Viewerといえる。同社では今後、Adobe AIRによるDigital Content Viewerも用意する予定だとしている。
Digital Publishing Platformの技術を全面的に採用した事例としては、iPad用アプリ「WIRED Magazine」がよく知られている。このパブリッシング技術が提供されることで、InDesignの価値が改めて見直されるとともに、従来の出版産業がマルチプラットフォームに展開する動きが加速するとみられる。
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