10月19日に台湾で行われたAMD Technical Forum & Exhibition 2010では、「Northern Islands」という開発コード名で“次世代GPU搭載グラフィックスカード”の姿が公開されたが、今回発表されたモデルは、そのNorthern Islandsの第1弾で、開発コード名「Barts」と呼ばれていたシリーズだ。その“Barts”ことRadeon HD 6800シリーズのラインアップは、上位モデルのRadeon HD 6870と下位モデルのRadeon HD 6850の2機種で構成される。
Radeon HD 6870はストリームプロセッサ数が1120基、コアクロック900MHz、ROPsは32基。グラフィックスメモリはGDDR5を1Gバイト実装する。グラフィックスメモリバス幅は256ビットになる。TDPはアイドル状態で19ワット、最大で151ワットで、外部補助電源用に6ピンコネクタを2基備える。
Radeon HD 6850はストリームプロセッサ数が960基、コアクロック775MHz、ROPsは32基。グラフィックスメモリはGDDR5を1Gバイト実装する。グラフィックスメモリバス幅は256ビット。TDPはアイドル状態で19ワット、最大で127ワットになる。外部補助電源用に6ピンコネクタを1基備える。

Radeon HD 6800シリーズの構成はRadeon HD 5000シリーズと大きく変わらない(写真=左)。Radeon HD 5850とRadeon HD 6870の主要なスペックを比べると、構成トランジスタ数、搭載するストリームプロセッサ、SIMD Engine、テクスチャユニットの数をそれぞれ減らしてダイサイズを縮小しながらも、ジオメトリスループットは向上している(写真=右)
AMDが示した相対性能。Radeon HD 6870では、GeForce GTX 460(グラフィックスメモリ1Gバイト搭載モデル)から30%以上の向上を見せ(写真=左)、Radeon HD 6850では、GeForce GTX 460(グラフィックスメモリ768Mバイト搭載モデル)から、やはり30%以上の向上が見られたという(写真=右)Radeon HD 5000シリーズでは、シングルGPUで最上位のラインアップを「Radeon HD 5870」「Radeon HD 5850で構成していた。しかし、今回登場するRadeon HD 6870とRadeon HD 6850は、シングルGPUの最上位ラインアップではなく、Radeon HD 5830といった実売価格150〜250ドルのミドルレンジを担う。シングルGPU最上位ラインアップは今後登場する「Cayman」と呼ばれる「Radeon HD 6970」「Radeon HD 6950」が引き継ぎ、さらにその上位にはデュアルGPUで構成される「Antilles」こと「Radoen HD 6990」が予定されている。なお、実売価格1万円台前半の価格帯にあるRadeon HD 5770は、そのまま現役として継続する。

“Barts”ことRadeon HD 6800シリーズは、「ハイエンドの低価格帯」をカバーするラインアップだ(写真=左)。Radeon HD 6800シリーズは、Northern Islandsの第1弾として登場する。次には、ハイエンド向けのRadeon HD 6900シリーズが控えている(写真=右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.