Radeon HD 6000シリーズのダイサイズは、255平方ミリメートルと、Radeon HD 5000シリーズの334平方ミリメートルから35%縮小された。SIMD Enginesの数、ストリームプロセッサの数、テクスチャユニットの数もそれぞれ減っている。グラフィックスメモリの転送レートも153.6Gバイト/秒から134.4Gバイト/秒と下がっているのに、ジオメトリスループットは7億2500万ポリゴン/秒から9億ポリゴン/秒と増え、演算能力もRadeon HD 5000シリーズのキーワードであった「1T FLOPS」からRadeon HD 6870で「2T FLOPS」に達する。
Radeon HD ダイ内部の構成はRadeon HD 5000シリーズと同様に“デュアルコア”的な構成を持ち、Radeon HD 6870で16基、Radeon HD 6850で12基のSIMD Enginesを搭載する。Radeon HD 6800シリーズで改善されたというテッセレーション処理では、スレッドの管理と演算結果のバッファ利用が強化され、テッセレーションが1〜13ピクセル/ポリゴン程度までならRadeon HD 6870はRadeo HD 5870の約1.5倍以上の性能を示し、特に6〜10ピクセル/ポリゴンまでは2倍に近い向上を見せるという。
AMDでは、Radeon HD 6800シリーズのテッセレーション性能は16ピクセル/ポリゴンまでで良好な性能を示し、実際のアプリケーションにおける処理内容を考えるとこれで十分だと説明している。
Radeon HD 6800シリーズでは、アンチエイリアスの演算にDirectComputeによるGPUコンピューティングを用いる「Morphological Anti-Aliasing」を導入し、Super-Samplingよりも速い処理が可能。異方性フィルタリングでも新しいアルゴリズムを採用した。
マルチディスプレイのEyefinity Technologyでは、従来から6画面同時出力対応を特徴としているが、Radeon HD 5000シリーズでは、6基のmini DisplayPortを搭載する「Radeon HD 5890 Eyefinity」か、2枚のRadeon HD 5000シリーズでないと対応できなかった。Radeon HD 6800シリーズを搭載するグラフィックスカードのリファレンスデザインでは、映像出力のインタフェースとして、デュアルリンク対応DVIとシングルリンク対応DVI、HDMI(1.4a準拠)、Mini DisplayPort(1.2準拠)を備え、1枚のグラフィックスカードでも6画面の同時出力に対応できる。
ビデオプロセッサでは、従来のUVD 2.0から進化した「UVD 3.0」を導入することで、Blu-ray 3DやDivXのデコードをハードウェアで支援できるようになった。
従来までのUVDとUVD2では、VC-1、H.264のデコードやインバーストランスフォーム、モーションコンプレッション、MPEG-2(IDCTプロフィール準拠)のインバーストランフォーム、モーションコンプレッションでハードウェア支援が受けられたが、UVD3ではこれらに加えて、Blu-ray 3Dのマルチビューコーデック、MPEG-2、MPEG-4(DivX/xVid)で同様のハードウェア支援が得られる。
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