今回、日本AMDが紹介したATI Eyefinityは、同社の次世代GPUといわれているEverGreen(開発コード名)でサポートされる機能だ。そのライブデモがEverGreenの正式発表に先立って行われたことになる。AMDでは、EverGreenのライブデモとして、2009年6月に行われたCOMPUTEX TAIPEI 2009でDirectX 11をサポートする画像のリアルタイムレンダリングデモも行っているが(このときの詳細はDirectX 11への対応と省電力CPUの充実が最重要課題──AMD Press Conferenceを参照のこと)、今回のライブデモは、EverGreenでサポートされる新機能を紹介する第2弾といえる。
日本AMDのライブデモで解説を行った米AMDグラフィックプロダクトグループ デスクトップ・グラフィックス部門プロダクトマネージャーのズビカ・グリーンスタイン氏は、ATI Eyefinityについて、「1つのGPUで3台のディスプレイに画像を同時表示できる」と説明したうえで、EverGreenでは「高いGPUパワーを利用して、1つのGPUで6台のディスプレイに同時表示が可能だ」と紹介した。
実際、日本で行われたATI Eyefinityのライブデモでは、6台並べた30型ワイド液晶ディスイプレイを1台のPCに接続し、「7680×3200ドット」という超高解像度で「COLIN McRAE DiRT 2」のゲームプレイを行った。AMDの説明では、表示解像度をドライバに依存しているゲームタイトルならば、ATI Eyefinityで超高解像度の表示が可能になるという。

1つのGPUで6台のディスプレイに同時表示する「ATI Eyefinity」のライブデモ(写真=左)。デモで使われていたレースシミュレータ「COLIN McRAE DiRT 2」のグラフィックス設定画面には「7680×3200ドット」が指定可能になっていたAMDの資料によると、ATI Eyfinityに対応するゲームタイトルとして、COLIN McRAE DiRT 2以外に、フライトシミュレータの「Tom Clancy's H.A.W.X」やリアルタイムストラテジーの「BATTLE FORGE」などが挙がっている。また、同じ資料では、ゲームタイトル以外にも、複数のフォームを別々のディスプレイに表示して作業効率を向上させる利用方法などが訴求された。

COLIN McRAE DiRT 2以外にも、「Tom Clancy's H.A.W.X」(写真=左)と「BATTLE FORGE」(写真=右)も紹介された。ATI Eyefinityは基本的に3画面同時出力が可能とされているが、EverGreenではGPUパワーに余裕があるため、6画面の同時表示にも対応できる
AMDは、ATI Eyefinityのメリットはゲームプレイだけでなく、オフィスの生産性向上にも貢献すると訴求している。例えば、従来1台のディスプレイで重ねていた複数のフォームを(写真=左)、6台のディスプレイに分けて表示することで、一覧性を高めて作業効率を向上させることも可能だ(写真=右)
DirectX 11への対応と省電力CPUの充実が最重要課題──AMD Press Conference
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