NX90Jqはバッテリーで長時間駆動するようなPCではないが、海人氏のBBench 1.01を利用し、参考までにバッテリー駆動時間を計測してみた。無線LAN(IEEE802.11g)で常時接続し、BBench 1.01側の設定は60秒ごとのWebページ巡回、10秒ごとのキーストローク入力だ。Windows 7の電源プランは、付属ユーティリティの「Power4Gear Hybrid」を使うのではなく、Windows 7標準の電源プラン「バランス」に切り替えて測定した。
テスト結果は2時間47分で、思っていた以上に長時間のバッテリー駆動ができた(バッテリー残量5%で休止状態へ移行)。バッテリー駆動時間の公称値が約2.8時間なので、かなり健闘したといえる。屋内で移動しながら、1〜2時間くらいバッテリー駆動で使うぶんには問題ないだろう。
静音性や発熱は、特に気になるようなシーンはなかった。稼働中はそれなりにファンが回転し、マシン負荷が高くなると回転数が上がるのも分かるのだが、それほど耳障りな音や音量ではない。NX90Jqの排気口は本体背面にあるため、聞こえてくる排気音が多少なりとも緩和されている一面もありそうだ。パームレストやキーボード面が熱を持って不快に感じることもない。ボディが大きいことも有利に働き、排熱性と静音性は全体的にうまく仕上げていると感じた。
NX90Jqの魅力は、コンセプトの通りデザインとサウンドだ。個人の好みもあるが、液晶を閉じていても開いて使っていても、そのたたずまいは「カッコイイ」。その高音質は映像や音楽の鑑賞、特にボーカルが入った音楽をよく聴く人は気に入ると思う。
パフォーマンスも高く、最新の3Dゲームには力不足だが、HD映像の編集といった比較的ヘビーな用途も大きなストレスなくこなせる。18.4型ワイドで1920×1080ドットという大画面・高解像度は使い勝手がよく、映像や音楽、画像の編集用途にもうってつけだ。20万9800円という価格も、このデザイン、サウンド、パフォーマンスのまとまりを考えると、買い得感があるといえる。
導入時に1つ気を付けておきたいのは、マウスの使用まで見据えた設置スペースだ。本体サイズは横幅が長いため、机上で結構な場所を取る。ノートPCというより、液晶一体型デスクトップPCとして考えておいたほうがよいだろう。
最後に、この手の製品は実物を見て、触れてこそ本当の魅力が伝わるものだ。ボディデザインにコストがかけられていることは一目見て分かるが、国内大手メーカーのPCと比べて、どうしても展示しているショップが少ないのが現状なので、その点でとても損をしている。最近はASUSのPCを展示している量販店も増えているので、NX90Jqが気になるなら、多少は足を伸ばしても実機に触れてみることをおすすめしたい。
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