「IPS236V」実力診断――2万円台前半で買える新IPSパネル搭載の23型フルHD液晶安いときれいは両立するか(2/4 ページ)

» 2010年11月29日 06時00分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]
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6色個別調整や独自の表示機能を用意

タッチセンサー式のボタンを押すと、まずはOSDのルートメニューが起動する

 OSDメニューの操作は、画面下に用意された6つのタッチセンサー式ボタンで行う。ボタンとフレームの色がほとんど同じ色で判別しにくいため、操作には慣れが必要だ。

 いずれかのボタンを押すと、OSDのルートメニューが起動する。ルートメニューにはMENU、SMART+、MODE、AUTO(オートアジャスト)、INPUT(入力切り替え)、EXIT(OSDのオフ)の各項目があり、そのすぐ下のタッチセンサー式ボタンに触れることで、対応するメニューが表示される。MENU、SMART+、MODEについては、少し詳しく見ていこう。

 まずはMENUの項目だが、ここではディスプレイのセットアップを行う。ピクチャー、カラー、表示、ボリューム、その他のタブで構成される。操作は左右ボタンでタブを選択して、下ボタンで項目を選び、左右ボタンでパラメータを調整するという手法で、少々煩雑だ。例えば、ルートメニューの構成のように、各ボタンにタブを対応させれば、もう少しスマートな構成になったのではないだろうか。

 ピクチャータブの項目は明るさ、コントラスト、画質(シャープネス)、BLACK LEVEL(HDMI接続時のみ)を用意している。カラータブには、色温度とガンマの項目を用意する。色温度はユーザーモードと3種のプリセット(WARM、MEDIUM、COOL)を選択できる。ユーザーモードの調整はRGB各色の増減のほか、6色相環によりRGBCMY各色ごとの色相とサチレーション(色飽和度)の調整が可能だ。ガンマは1.8〜2.6の範囲を0.2刻みで調整できる。色温度の数値指定はできないが、6色個別調整と数値でのガンマ調整に対応しているのはありがたい。

「MENU」のピクチャータブでは、輝度やコントラスト、シャープネスを調整できる
MENUのカラータブからは、色温度やガンマを調整できる
色温度をユーザーモードにすれば、6色個別調整が行える

「SMART+」では、スケーリング機能や独自機能の設定を行う

 SMART+の項目には「オリジナル画面比」「デュアルウェブ」「シネマモード」のタブを用意している。オリジナル画面比では、推奨解像度以下の映像信号が入力された場合の表示方法を選択できる。選択肢はアスペクト比を無視して画面全体に拡大表示する「ワイド」と、アスペクト比を維持する「オリジナル」の2種類を用意する。

 デュアルウェブとシネマモードは、添付のユーティリティソフトと合わせて使用する。このソフトはWindows環境のみの対応なので、Mac OSなどでは利用できない。OSDメニューのSMART+タブでは各機能をオン/オフにできるだけだが、ソフトの導入後にWindowsのタスクバーに表示されるアイコンを右クリックすることで詳細な設定も行える。

 デュアルウェブは、表示域いっぱいに2つのウィンドウを並べて表示する機能だ。並べたウィンドウのどちらかをドラッグしてサイズ変更することで、もう片方のウィンドウサイズも自動的に調整される。また、新規に開いたウィンドウも自動的にサイズが調整される仕組みだ。また、オプションとしてウィンドウの左右入れ替え、ウィンドウの右左移動、新規ウィンドウの位置固定(右/左)などの機能も備えている。2つのWebページを並べて表示したい場合などに効果的な機能だが、多くの人にとって常用するような機能ではないため、キーボードショートカットなどで気軽にオン/オフの切り替えができたほうがよかったと思う。モードをオフにした際、使用前のウィンドウサイズに戻すなどの配慮もしてほしかった。

 シネマモードは、デスクトップの特定の範囲だけを強調し、動画を引き立たせる機能だ。具体的には、選択範囲以外の領域を暗くすることにより、相対的に映像部分を引き立たせる。16:9より画面が横に長い映画コンテンツや解像度の低いストリーム動画では、画面の上下や左右に黒帯を表示することになるが、この黒帯部分を暗くできるため、暗いシーンでも画面回りの黒浮きが気になることなく、映像に集中しやすくなるというわけだ。このため、ほかの作業をしながら、動画部分だけを際立たせたいという用途には向かない(そもそも、選択範囲以外の場所をクリックすると、自動的にシネマモードが解除されてしまうので、できる作業はごく限られる)。

デュアルウェブ機能でWebページを2枚並べた例。並べたウィンドウのどちらかをドラッグしてサイズを変更すると、もう片方のウィンドウもサイズが自動的に調整される

用途別の画質モードは5種類用意されている

 MODEの項目では、用途別の画質モードやユーザーモードを切り替える。モードはユーザー、ムービー、テキスト、画像、sRGBの5種類から選択できる。ムービーモードはハイコントラストでメリハリのある表示、テキストモードは明度側を持ち上げて、文字の視認性を高めている。画像モードは明部と暗部を適度に調整して、階調と色彩を両立させた設定だ。いずれのモードもコントラストとカラーの設定は固定となる。

 なお、モードの選択時は画面が左右に二分割される。左半分に変更しようとしているモードでの色調やコントラスト、右半分にユーザモードの色調やコントラストが映し出される仕組みだ。2つのモードの違いを見比べながら、表示内容に適したほうを選べるのはありがたい。

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