グラフィックスカードで先週最も注目を集めていたのは、MSIの独自クーラー「Twin Frozr III」を採用した、オーバークロック仕様の「Lightning」シリーズだ。GeForce GTX 580搭載の「N580GTX Lightning」と、Radeon HD 6970搭載の「R6970 Lightning」が登場し、大型のパッケージを並べるショップがいくつか見られた。価格は順に7万円弱と4万5000円前後だ。
N580GTX Lightningは、コアクロックを772MHzから832MHzに、メモリクロックを2004MHzから2100MHzに引き上げており、基板上部をTwin Frozr IIIで覆ったデザインとなっている。補助電源は標準の6+8ピン構成から8+8ピンとなっており、最大消費電力も標準の244ワットから260ワットに向上している。
R6970 Lightningは、コアクロックを880MHzから940MHzを引き上げており、メモリクロックは5500MHz相当を保つ構成。補助電源はN580GTX Lightning同様に6+8ピンから8+8ピンとなっており、最大消費電力は250ワットから269ワットに上がってる。
入荷したツートップ秋葉原本店は「各ブランドのシングルGPU最上位を使ったオーバークロックモデルということで、価格が標準仕様の2割程度高いですが、狙っている人は確実にいるかなと思いますね。すでにデュアルGPU構成のGeForce GTX 590やRadeon HD 6990が登場していますが、マルチGPUのパフォーマンスをフルに発揮できないゲームがまだ多いこともあり、“シングル最強”にこだわるユーザーは根強いですよ」と語る。
ちなみに、独自クーラーを採用したオーバークロック仕様のカードのトレンドは徐々に変化しているようだ。某ショップは「Lightning人気はまだまだありますが、GALAXYの風神シリーズの評価も高まっているので、うかうかしているとMSIも危ないでしょう。外排気仕様の『IceQ』で一世を風びしながら現在は埋もれた感のあるHISのようにならなければいいですが……」と動向をシビアに見守っていた。
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