性能と薄さ、堅牢性の確保に加えて、ThinkPad X1には、従来のThinkPadとは異なった特徴を“あえて”持たせている。その1つがキーボードだ。ThinkPad Edgeシリーズに使われていたのと同じ、6列配列のアイソレーションタイプを採用する。また、液晶ディスプレイはゴリラガラスと組み合わせたグレア(光沢)タイプとなり、内蔵スピーカーはステレオで、高音質化補正のためにドルビーホームシアター Ver.4を導入する。
いずれも、コンシューマー向けのノートPCで採用される機能だが、最近では、こうしたコンシューマー向けの機能が企業向けのノートPCでも求められるようになっているのだという。それも、コストダウンのためでなく、企業ユーザーから求められたから導入したというのだ。内蔵オーディオの高音質化は、VoIPやプレゼンテーションなど、ビジネス目的にも活用できるが、ThinkPad X1ではあくまで副次的な効果で、主目的はプライベートシーンでの活用にあるとレノボ・ジャパンは説明する。
大企業のIT環境をターゲットとした従来のThinkPadは、どちらかといえば保守的なデザインを踏襲し、また、それが既存のユーザーに支持されてきた。このようなThinkPadを育ててくれたユーザー層は既存のThinkPad Classicで大事にしながら、これまでThinkPadを選んでこなかったユーザーにもアピールしたい、というのがThinkPad X1に課せられた最も重要な任務になる。ほかのThinkPad Classicモデルがアルファベットに続く3桁の数字を型番にするのに対し、これまで例のない、1桁の数字を型番としたのには、そのような、“これまでとは違う”という意味が込められている。
“ThinkPadの既存ユーザー”としては、このチャレンジの成否を見守ると同時に、かつてThinkPad X300シリーズがThinkPad T420sへとフィードバックされたように、X1によって培われた技術が、次世代のThinkPadに反映されることを期待したい。
求められたのは薄くて軽い“T”──開発者が語るThinkPad T400sの「メリハリ」
レノボ、「ThinkPad X300」の技術説明会を開催
ThinkPad X300に込められた“大和”魂
大和研が誇る「ThinkPad X300」を速攻で分解した
薄く、軽く、そして頑丈なモバイルノート――写真で解説する「ThinkPad X300」
大和の技術を結集した“究極のThinkPad”――「ThinkPad X300」発表会
ThinkPad に隠された“フクロウの羽根”の秘密Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.