3月11日の大震災直後、アキバのPCパーツショップでは乾電池やLEDライト、UPSといった、電力不足や計画停電に対処するためのアイテムが突発的に売れた。そして6月に向かう現在は、USB扇風機が人気を集めている。
パソコンハウス東映は「例年と比べて注目している人は格段に多いです。暑くなりだした大型連休前後で取り扱いを始めましたが、今日までずっと好調な売れ行きをキープしています」と語る。やはり、電力不足による節電が背景にある。大量の電力を消費するエアコンが使いづらい状況になっており、暑さ対策としてUSB給電で稼働する扇風機を求める人が少なからずいるようだ。
例年より広めのスペースを使ってUSB扇風機を並べているというフェイス秋葉原本店では、タワー型扇風機も好調に売れているという。目立っていたのはグリーンハウスの「SLIM TOWER FAN」で、価格は1980円だった。サイズは90(幅)×100(奥行き)×330(高さ)ミリで、ケーブル長は120センチ。「机の下に配置して、足下を涼しくするために使う人も多いみたいです。USB給電ですし、それほど強い風ではないですが、そよ風程度でもあるとないとでは大違いですから。会社にある自分のデスクで使っている人も多いんじゃないでしょうか」と話していた。
ドスパラ パーツ館では、先週登場した日本トラストテクノロジーの「USB COOL BLACK」が好評だった。2000rpmの12センチファンを搭載したスタンド置きタイプの扇風機で、価格は1580円。「スタンドを折りたたんで持ち運べるので、ノートPCを外から冷却するのに便利です。ノートPCも長時間使っていると机を温かくしてしまうものが多いですが、コレをうまく使えばパームレストを汗まみれにしなくてすみますよ」とプッシュする。
一方で自作ユーザーに人気なのが、汎用ファンに直接USBケーブルをつないだタイムリー「BIG FAN」シリーズだ。パソコンハウス東映は「むき出しのファンでマシンの熱を逃したり、涼しい空気を自分に当てたりできます。ちゃんとファンガードもついていますし、無骨ですけど汎用性は高いんですよ。12センチタイプも8センチタイプも好調です」と語る。
ちなみに、家電量販店で売られている一般的な扇風機はすでに一部の人気モデルで品薄が叫ばれているが、USB扇風機はどこのショップも潤沢と話していた。ある店員さんは「まあ、扇風機をPCの周辺機器と考える人は一般的にはニッチですからね。こういうところも、アキバならではの魅力かもしれません」と少し誇らしげだった。
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