最強クラスのサウンドカード「SE-300PCIE」をピュアオーディオ目線でチェックするどれだけスゴイか(3/3 ページ)

» 2011年06月06日 14時00分 公開
[野村ケンジ(撮影:矢野渉),ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

USB接続の外付けサウンドデバイスとの音質差は?

 気になるもう1つのポイント、USB接続のサウンドユニットである「SE-U55SX2」と音質はどれだけ違うだろうか。

 結論を先に述べると、SE-300PCIEはSE-U55SX2とは次元が違うクオリティだった。その差は内蔵か外付けか、DACの種類がうんぬんというよりも、製品づくりに対するクオリティ追求の差だろう(世代差といっていいかもしれない)というイメージだ。単純に音質でどちらか選ぶのだったら、断然SE-300PCIEだと結論できるほど印象が違うものだった。

 というわけで、SE-U55SX2との音質差があまりにもかけ離れていたため、他社のUSB DACも持ち出してその差をチェックしてみよう。用意したのはHRT「Music Streamer II」だ。

photophoto 音質比較のために使用したHRTのUSB接続のサウンドデバイス「Music Streamer II」。価格は2万8350円で、PCオーディオ機器としてはハイクラスに入る製品だ。コストパフォーマンスに優れるサウンドクオリティを実現すると評価があり、日本ではサエクコマースが販売している。また、Music Streamer IIおよびSE-U55SX2とのUSB接続には、サエクコマースのPCオーディオユーザー向け高品質USBケーブル「SUS-480」(参考価格は1.2メートルで2万5000円)を使用した

 Music Streamer IIは、アメリカのHRT(HighResolution Technologies)製のUSB DACだ。USBバスパワーで動作し、出力はアナログRCAのみ(ヘッドフォン出力はなし)というシンプルな構成となっている。SE-300PCIEと同様に独立電源を再生成する回路を搭載し、アシンクロナス(非同期)モードを使用することでジッター(正確にはジッターエラーといい、時間軸の狂いによる信号エラーやひずみのこと)を排除するなど、さまざまな高音質化のための工夫を施している。サンプル周波数は96kHz/24ビットまで対応する。

 Music Streamer IIの音と比較すると、ダイナミックレンジやS/N感はほぼ変わらなかったものの、解像度感と空間表現の細やかさに差が出た。Music Streamer IIは派手さこそないものの、音楽を飾りもひずみもなくストレートに伝えてくれるため、クリアですがすがしい音に感じる。対してSE-300PCIEは勢いはすごいが、細やかな部分が描ききれず、それが災いしていまひとつピントが甘いかなと感じてしまった。

 とはいえ両者の差はピュアオーディオの視点で「詳細に違いを聴けば」というものである。

 機能的に両者には若干の差があるので、単にアナログ音声のみ比較してSE-300PCIEが劣るとは判断しがたい。その音質にしても、もう少しコンシューマー寄りのスピーカーシステムであればどうだろうと思う実力はしっかり見せつけてくれた上、グラフィックスカードレスのPCシステムにするなど、PCシステムによって音質や音色の傾向がけっこう変化する可能性はある(PCゲーム用システムとなると両立は難しいだろうが……)。高レベルなアナログサウンドを追求するピュアオーディオの世界は天井がないので、これはある意味仕方ない。SE-300PCIEにとって少々厳しい表現となったのも、オーディオ機器だと認めつつ、その目線で評価したためである。

 さて、筆者宅の大型スピーカーにはベストな相性とはならなかったが、ブックシェルフ型のような中域の濃密感が重要となるスピーカーの場合はマッチする可能性が高いと思う。単純に好みの話をいっても、温度感の高いSE-300PCIEが好みだという人は多くいるはずだ。

 いずれにせよ、SE-300PCIEのPCオーディオとしてのレベルは「PCパーツではなく、オーディオ機器と肩を並べて比較できるレベル」に達している。家庭のこだわりAVシステムとともにSE-300PCIEを使用するだけで、普段使用するデスクトップPCが「とびきりハイクラスなサウンドを聴かせてくれるPCオーディオプレーヤー」に変身するだろう。



前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月21日 更新
  1. 文字起こしと要約がずっと無料のAIボイスレコーダー「Comu Action Pro」発売 9月20日まで2万9800円 (2026年08月20日)
  2. 総メモリ748GB、AI性能20PFLOPS! デルがGB300搭載のワークステーション「Dell Pro Max with GB300」を発売 (2026年08月20日)
  3. ビジネスシーンにもなじむチタンボディー! 本格ランウォッチ「Amazfit Cheetah 2 Pro」を日常使いしてみた (2026年08月19日)
  4. Google「Pixel 11」は何が変わった? 前モデル「Pixel 10」からの進化ポイントをチェック (2026年08月20日)
  5. 5ボタン搭載でWeb閲覧作業を効率化できる「エレコム ワイヤレスマウス M-FBL01DBXSBK」がセールで10%オフの1250円に (2026年08月20日)
  6. 大阪・関西万博の人気パビリオンが東京で進化! 漱石アンドロイドも登場する「いのちの未来+」体験レポート&石黒教授インタビュー (2026年08月20日)
  7. 上下2画面で21型相当の圧倒的作業領域! 実売約7万円で手に入るサンコーの2画面モバイルディスプレイを試す (2026年08月20日)
  8. ゼンハイザーがaptX Adaptiveをサポートし、ユーザー自身でバッテリー交換も可能になった高性能ワイヤレスイヤフォン「MOMENTUM True Wireless 5」 (2026年08月20日)
  9. アイオー、レコーダーソフト「BDレコ」「DVDレコ」が他社製Blu-rayレコーダーからのダビングに対応 (2026年08月18日)
  10. VITURE、63gの軽量ボディーを採用したスマートグラス (2026年08月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー