AMD FXは“Bulldozer”のコード名で開発が進んでいるハイエンド向けCPUのラインアップにつけられるブランド名だ。5月31日に発表された「AMD 9シリーズ」チップセットでサポートするAM3+に対応し、AMD FXブランドのCPUとAMD 9シリーズチップセット搭載マザーボードで「Scorpius」というプラットフォームを構成する。
なお、AMD FXブランドでは、4コア、6コア、8コアがラインアップとして登場する予定だ。その時期については、COMPUTEX TAIPEI 2011において、AMD 9シリーズチップセットの登場後60〜90日後となる「2011年の夏の終わり」と予告している。
AMD FXに導入するBulldozerについては、これまでもAMDは情報を公開している。Core部と整数演算スケジューラ、1次キャッシュメモリをコア専属とすることで従来のPhenom II X6から性能とスケーラビリティを向上させるともに、フェッチユニット、命令デコーダ、浮動小数点スケジューラ、2次キャッシュメモリ、そして、浮動小数点積和算ユニットはコア全体で共有することで省電力化と集積化を進めている。
また、Bulldozerでは、浮動小数点積和算ユニット(FMAC)として、128ビット単位で命令を処理できるユニット(128ビットFMAC)を2基実装するが、これを1つにまとめて256ビット単位でAVX命令を処理できるユニットとしても機能する。
さらに、AMD FXでは、Advanced Encryption Standard(AES)命令をサポートした。このことで、暗号化されてたデータの復号化処理が大幅に改善され、AMDはその効果についてPhenom II X6 1100Tの2倍に達するとしている。
AMD FXでは、製品パッケージも従来の“FX”から変更されて、赤を基調としたデザインになる。さらに、8コアのモデルでは、金属製ボックスを採用する。

AMDが示した“Bulldozer”ことAMD FXブランドCPUの特徴(写真=左)。コア共有で2基用意される128ビット命令対応のFMACは、2基連動して256ビットのAVX対応として動かすこともできる(写真=右)
“Bulldozer”こと、AMD FXブランドのサンプルが動いているといわれるデモシステム(写真=左)。そのデモシステムで動かしていたAMD OverDriveでは、8基のコアが確認されていた(写真=右)
AMD FXブランドのために新しくデザインされたパッケージ。左は8コアモデル用で右が4コアモデル用という(写真=左)。8コアモデルは倍率変更ロックが解除できる特別バージョンとなる予定で、パッケージも金属製のボックスを採用する(写真=右)
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