自作PCユーザーが使える“デスクトップ版Llano”はどこまで遊べる?イマドキのイタモノ(2/3 ページ)

» 2011年06月30日 14時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

GPUに重きを置く反面、CPUはAthlonという

 デスクトップPC向けLlanoのパフォーマンス測定にあたって、今回比較用に用意したのは、Core i5-2500KとにIntel Z68 Expressチップセットを組み合わせて構成したシステムと、Phenom II X4 980 Black EditionにAMD 880G+SB710チップセットを組み合わせて構成したシステムだ。これと、A8-3850にA75チップセットを組み合わせて構成したシステムを比較する。なお、外付けのGPUとしては、Radeon HD 6670を用意する。

 CPU性能の検証には、PCMark Vantage、PCMark 7、Sandra 2011.SP3(17.64)、CINEBENCH R11.5、そしてMediaEspressoを用いた。MediaEspressoは、各種ハードウェアアクセラレーションに対応しているが、今回はCPUによるトランスコード処理で計測している。

CPUとチップセット、グラフィックス以外の測定環境
メモリ DDR3-1600 2Gバイト×4枚
HDD Intel SSD 510 120GB
OS 64ビット版 Windows 7 Home Premium Service Pack 1

PCMark Vantage(その1)
PCMark Vantage(その2)

PCMark 7(その1)
PCMark 7(その2)

Sandra 2011.SP3(17.64) Processor Arithmetic
Sandra 2011.SP3(17.64) Processor Multi-Media
Sandra 2011.SP3(17.64) SHA256&AES256

Sandra 2011.SP3(17.64) .NET Arithmetic
Sandra 2011.SP3(17.64) .NET Multi-Media
Sandra 2011.SP3(17.64) Memory Bandwidth

CINEBENCH R11.5
MediaEspressoによるトランスコード処理

 PCMark Vantageでは、OverallでA8-3850とA75のシステムがPhenom IIとAMD 880Gのシステムを抜いている。個別のテスト項目を見てみると、MemoriesやTV and Movies、Gaming、そしてMusicなどでA8-3850が優位に立つ一方、CommunicationsやProductivityでは劣っている。今回、サポートされている中で標準的なメモリを使っているため、A8-3850のシステムではDDR3-1600を、Phenom IIとAMD 880GのシステムではDDR3-1333を組み合わせている。メモリに関してはここで差が表面化したものと思われる。

 そのほか、グラフィックス機能に関してはRadeon HD 6550DとRadeon HD 4250となるため順当の差といえる。CPUに関しては、同じクアッドコアとはいえ、動作クロックが大幅に異なるほか、Athlon IIベースのLlanoとPhenom IIベースの差が出た。

 PCMark 7では、OverallでA8-3850のシステムがPhenom IIとAMD 880Gのシステムを抜いている。ただ、その理由はentertainmentでの大差とsystem_storageの差が効いているだけだ。entertainmentはGPUが大きく影響するし、system_storageはPhenom IIとAMD 880GのシステムがサウスブリッジにSB710を利用していてSerial ATA が3Gbpsとなっているためで、これも当然の結果だろう。

 なお、Core i5とIntel Z68 Expressのシステムに対しては、さらに大きな差を付けられている。同じクアッドコアとはいえ、動作クロックはさらに高く、CPU性能では対抗できない。また、グラフィックス性能も、ゲームより汎用アプリケーションにフォーカスしたPCMark 7では同等という結果となっている。

 Sandraでは、CPU性能を評価するCPU Arithmetic/Multimediaで、Core i5に対してテストによって半分以下という状況だ。.NET Arithmetic/Multimediaや、Cryptographyも同様の傾向を示している。Memory BandwidthはDDR3-1600を組み込んだA8-3850のシステムがDDR3-1333のPhenom II+AMD 880Gシステムを上回るものの、Core i5とIntel Z68 Expressのシステムには及ばない。

 CINEBENCH R11.5は、OpenGLのみ今回の比較対象のなかではずば抜けて高いスコアだが、Multi CPUの結果はSabineで確認してきた傾向と同じく低調だ。MediaEspressoも同様で、A8-3850はCore i5に対して約1.5倍かかっている。

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