続いて高須氏から、NECパーソナルコンピュータの概要と、NECパーソナルプロダクツから変わる事業体制について説明があった。NECパーソナルコンピュータは、NECパーソナルプロダクツからPC事業だけを切り離して分社化した組織で、開発生産拠点は山形県米沢市の米沢事業所、保守サポート拠点は群馬県太田市の群馬事業所が従来通り担うことになる。
高須氏は、NECパーソナルコンピュータの事業体制でも、NECパーソナルプロダクツと同じように「商品企画と開発」「部材調達」「生産」「販売」「サービス・サポート」という一貫した過程を自社だけで行うが、このうち、商品企画と開発、部材調達、そして、サービス・サポートの分野でレノボとの連携を図っていくことになると説明した。
商品企画と開発においては、「Wireless TV」「SmartVision」といったAV/TV機能や「スクラッチリペア」「クリスタルライズドキーボード」などのデザイン技術、指紋認証や人感センサーに代表されるセキュリティ機能などでNEC独自の高付加価値技術を活用し、レノボの堅牢性能、信頼性、環境技術、管理機能などのグローバル市場で求められる技術と連携して、国内向けPCを強化していくという。
また、高須氏が「最も大きな効果が出る」と述べた調達体制では、レノボのスケールメリットを生かしたワールドワイド規模の調達能力で共通部材を確保するが、高輝度LECやステレオ立体視対応パネル、チューナーカード、スクラッチリペアに加飾技術など、日本市場向けの先端部財はNECのパートナーを活用して調達するとしている。
サービス・サポート分野では、NECのコンシューマーユーザー向けサポートサービス「121コレクトセンター」を充実させ、従来は購入から2年目以降のユーザーで無償化だった「使い方相談」を2012年1月からすべてのユーザーで無償化にする。また、レノボ・ジャパンのサポートでは、2011年10月から電話対応業務をNECパーソナルコンピュータに委託する。なお、法人ユーザーのサポートは、従来のままとなる。
米沢事業所については、高須氏も「生産体制も現状を維持する」と述べており、その理由として、最短納期3日間のBTO生産体制の維持と、これまでも取り入れてきたトヨタ生産方式を磨き上げていくことを挙げている。
販売体制も、全国に展開した33カ所の営業拠点と全国3000人の営業部隊による現状の販売体制を維持して国内約3000店の量販店をサポートしていくが、NECパーソナルコンピュータとNEC営業との連携強化を図ってバックアップ部門を新設するほか、レノボとの連携も強化していくとしている。
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