また、作業スタッフからの意見・要望を取り入れた治具を独自開発するなど、より効率よく作業するようにするための体制も取られている。セルラインをよく見ると、家庭でもよく見かける矢崎化工のイレクター部材や電動ドリル、お掃除ローラーなどを応用してラインに組み込んだ「自作・工作モノ」も多くあり、ネジの閉め忘れをチェックする吸着機構搭載チェックマシン「Qちゃん」やキートップの相違検出シート「発見くん」なども彼らのアイデアで取り入れられた。


より効率よく、確実に製品チェックできる“アナログ”なチェックパーツも製造ラインの声や意見、アイデアで多数開発されている。左はPC底面のネジがきちんと付いているかのチェックマシン「Qちゃん」。PCそれぞれのネジ穴に合わせてエア吸着機構があり、吸い付かなければOKという仕組み。中央はファンがきちんと動作しているかをチェックできる風車治具。右はキートップが正常な位置に付いているかを一目でチェックできる相違検出シート「発見くん」。写真では「O/ら」キーが誤っているのが分かるだろうか「IT技術フル活用すべきところ、例えば当社と販売店、海外サプライヤーをシームレスに結ぶグローバル標準のバーチャル垂直統合型受注・発注・生産管理ステム(VCMシステム)は徹底してIT化していますが、あえてアナログな部分も意外に多くあります。それは人のチェックも含めて、ユーザーのための製品の高品質さを保つためです。無理なく効率よく作業できれば、その分品質がグッと高められます。自動化ではなくにんべん付きの自働化と呼び、ただ倹約一筋ではない、省コストだけを追求するだけではない、(米沢事業場だけに)米沢藩の窮地を救った上杉鷹山が行った三大改革の教えを大切にしています」(同 若月統括マネージャ)


作業スタッフのためのトレーニングルーム「ものづくりYOZAN道場」。視力検査から作業工程の確認、ネジ止めの時間計測コーナーなどがあった(写真=中央)。10×10個のネジ止めを45秒以内にできれば合格とのこと。イレクター部材と“コロコロ”で構成された、袋入れマシン。コロコロで袋をくっつけ、エアポンプ動作でがばっと袋の口が開く仕組み「専用マシンとして外注するとかなりコストがかかると思います。創意工夫ですね」(若月統括マネージャー)一部PCリテラシーの高い層はメーカー製PCはつまらなくなったと思っているかもしれないが、それはいたって“まじめ”だからだろう。PCにナショナリズムを感じたりはしないし、いわゆる日本的な考えに共感するものでもないかもしれないが、このようなPCも含めて取捨選択できる日本ユーザーは改めて恵まれている。NECのPC生産拠点を眺めると「国産PC事業は終わり」などとはおそらくこの段階ではみじんも思っていない。「マジメのなにが悪い」と。
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