Intel×McAfeeの「DeepSAFE」でサイバー犯罪者の1歩先へ担当者に聞く(3/3 ページ)

» 2011年10月19日 11時00分 公開
[後藤治,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

“攻撃型”のセキュリティや、セキュリティベンダーの中立性について

―― ここからは雑談レベルでかまわないので、少し別の話を聞かせてください。まず、直近の30日以内で、個人的に印象に残ったセキュリティの脅威は何ですか?

マーカス 30日か……うーん。Mac向けのマルウェアかな。Windodwsではよく知られているFAKE AV(偽アンチウイルスソフト)がMacでも効果的に被害を出している状況だ。Macが特別狙いにくいわけではないのに、どうして出てくるまでにこれだけ時間がかかったのかは興味深いね。それと最近の話題では、iPhoneでボットネットをコントロールするアプリもあった。“脱獄”したiPhoneに限られるが、かなり高度にボットネットをコントロールできるようだ。

―― ややおおざっぱな話ですが、サイバー犯罪を根絶するために効率的な方法はなんだと思いますか?

マーカス 犯罪がなくならないように、サイバー犯罪を根絶するのは不可能だろう。ただ、我々のようなセキュリティベンダーの知識と、インテルが持つようなハードウェア技術を組み合わせることによって、犯罪者の1歩先を行く、これまでような“後追い”ではないセキュリティを今後は考えていく必要があると思う。

―― 例えば、私有地に不法侵入したらガードマンが来て警棒で叩く、あるいはドーベルマンが走ってきてかみつく、といったように、サイバー攻撃者に対して自動報復を行うようなセキュリティは考えられませんか?

マーカス 我々がやっているのは専守防衛型のセキュリティだが、確かに攻撃型のセキュリティをやっている企業もある。ボットネットや悪意のあるWebサイトを攻撃して排除する考え方もあるし、それは実際に可能だろう。ただ、自動的に報復するという考え方は、個人的には気に入らないね……犬が反撃するのはすごいな(笑)。

 とはいっても、警察の捜査に協力したり、その種の政府機関に情報提供を行うことはある。例えば、ボットネットであるとか、あるコードがどこの誰によって書かれた可能性があるかといったようなことだ。その結果、犯罪者の逮捕や起訴につながることはある。ただもちろん“自動報復”に比べれば時間がかかる。

―― 政府への協力という話がでましたが、例えば、ある2国間でサイバー戦争が起きたときに、米国の企業であれば米国に協力するといったように、中立性を保つのが難しくなる状況があると思うのですが、セキュリティ企業としてそういった点はどう思いますか?

マーカス 我々はグローバルな企業で世界中に顧客がいるし、世界中の政府や警察と協力関係にあるので、どこか特定の政府に肩入れするということはない。我々はお金をもらい、セキュリティというサービスを提供している。第一義的に、忠誠を誓うのは顧客だ。

―― 仮に、ある国に対して大規模なネットワーク攻撃が発生し、その政府から攻撃元を調査してほしいと依頼があったとして、その結果、調査内容を元に精密爆撃が行われたという状況でも、「我々はただ情報を提供しただけだ」ということでしょうか。

マーカス まず第1に、サイバー世界で起きたことに対して、セキュリティベンダーのリポートを元に直接的に軍事行動へ繋がると考えるのは現実的ではない(笑)。

 第2に、例えばある攻撃に対して、仮に日本政府に情報提供を求められればそれを提供するし、米国でも中国でも同様で、特定の国には情報提供はしない、ということはありえない。

 我々はマルウェアやサイバー攻撃に対してよく知り得る立場にいるので、求められれば平等に情報を出していく。あくまでも我々は、顧客を守るのが最終目的なので、それについてやるべき攻撃の検出や情報収集をしていくことになるだろう。

―― ありがとうございました。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月31日 更新
  1. Corsairの縦長ディスプレイ「XENEON EDGE」に待望の白&紫が登場! ガンダムやエヴァコラボの高級デバイスも (2026年03月30日)
  2. 高騰続くPCパーツ市場に変化? DDR5メモリの一部値下がりと依然厳しいストレージ事情 (2026年03月28日)
  3. “パワードスーツ”はもうSFの道具じゃなかった 高尾山でコンシューマー向け外骨格「Hypershell X Pro」を試す (2026年03月27日)
  4. 間もなく始まる「Amazon 新生活セール Final」――買い忘れのないように今からチェック! (2026年03月28日)
  5. SNSの死後削除ニーズは5割! コロナ禍で変化した「おひとりさま信託」の実態 (2026年03月29日)
  6. MSがWindowsのAI統合戦略を転換、パフォーマンスと信頼性向上に注力/Armが自社設計のCPU「Arm AGI CPU」を発表 (2026年03月29日)
  7. 「録音+文字起こし」を耳元で完結 Nottaユーザー必携の“常時装着”AIレコーダー「Zenchord 1」を試す (2026年03月30日)
  8. 「PS5 Pro」は13万7980円に値上げ SIEが4月2日からの価格改定を発表 「日本語専用モデル」は据え置き (2026年03月28日)
  9. ベンキュー、量子ドット有機ELパネルを採用した26.5型/31.5型ゲーミングディスプレイ (2026年03月30日)
  10. ONYX、10.3型電子ペーパー「BOOX Go 10.3」の新モデルを発売 フロントライトモデルも用意 (2026年03月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年