光学ドライブ付きで“Ultrabookより軽い”だと!?――「FMV LIFEBOOK SH76/E」を試す今こそ見直したい“Made in Japan”(2/5 ページ)

» 2011年11月17日 18時50分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

薄型軽量ボディに通常電圧版Core i5を詰め込む

 CPUは通常電圧版のCore i5-2520M(2.5GHz/最大3.2GHz)を採用している。Sandy Bridgeの開発コード名で呼ばれる第2世代Core iシリーズの中堅モデルで、これは先代機と同じだ。

 Ultrabookなど1キロ台前半のモバイルノートPCでは、放熱設計やバッテリー駆動時間の関係から低電圧版/超低電圧版のCPUが採用されることが多いが、低電圧版/超低電圧版のCPUは発熱が抑えられているぶん、通常電圧版に比べて動作クロックが低く、パフォーマンスも低いデメリットがある。これだけの薄型軽量ボディながら通常電圧版CPUを搭載しているのは大きなアドバンテージといえる。

 グラフィックス機能はCore i5-2520Mが内蔵するIntel HD Graphics 3000を利用する。第1世代Core iシリーズ内蔵のIntel HD Graphicsに比べて3D描画性能が向上しているほか、高機能なメディア処理機能「Intel Quick Sync Video」を搭載している。対応ソフトを利用することで、HD動画を快適に鑑賞できるだけでなく、ハードウェアエンコーダによる動画変換などの作業も高速に行なえる。

CPUはTDP(熱設計電力)が35ワットのCore i5-2520M(2.5GHz/最大3.2GHz/HT対応)を搭載。CPU内部に2つのコアを内蔵するデュアルコアCPUで、Hyper-Threadingにより、4スレッド(4コアぶんの命令)を同時に取り込んで処理が可能だ。EIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)、Intel Turbo Boost Technology 2.0に対応しており、アイドル時から低負荷時は最低800MHz、高負荷時には最高3.2GHzまで動作クロック周波数が高くなる

店頭モデルにもSSDを採用してパフォーマンスアップ

底面のネジ止めされたカバーを外すと、2基のSO-DIMMスロットとSSDモジュールにアクセスできる。ハーフスリムモジュールを採用したSerial ATA接続のSSDがHDDベイに装着されていた

 メモリはPC3-10600 SO-DIMMに対応しており、標準で4Gバイト(2Gバイト×2枚)を搭載し、最大搭載容量は8Gバイト(4Gバイト×2枚)となっている。メモリスロットは背面の小さなカバーから容易にアクセスすることが可能だ。

 データストレージに標準で128GバイトのSSDを搭載している点にも注目したい。フラッシュメモリにデータを記録するSSDは、HDDに比べてアクセス速度が非常に速く、OSやアプリケーションの起動、Webブラウズなど、レスポンスを高速化する効果がある。HDDのようなヘッドやプラッタなどの機械部品がないため、動作音がなく、衝撃や振動に強いというメリットもあり、モバイルノートPCとはたいへん相性がよい。

 これまでも直販モデルのカスタマイズでSSDの搭載は可能だったが、量販店モデルに標準搭載されたことは歓迎したい。

 ちなみに、評価機に搭載されていたSSDは東芝の「THNSFB128GMSJ」という小型モジュールタイプ(コネクタ自体は通常のSerial ATAコネクタが利用されている)のモデルだ。樹脂製のマウンタを介して底面からアクセスできる2.5インチベイに装着されている。

起動時間を高速化する「クイックスタート」の設定。デフォルトではクイックモードの設定だ。クイックモードに設定していても、Windows 7のスタートメニューで「シャットダウン」を選択すると、通常のシャットダウン操作となる

 レスポンスについては「クイックスタート」という機能も搭載されている。これは、電源ボタンを押してWindows 7を終了した場合に、どのモードへ移行するかを設定できる機能だ。

 クイックスタートの設定には、通常のシャットダウンのほか、PCスタート時間を短縮する「クイックモード」と、PCスタート時間および省電力を両立する「エコクイックモード」が用意されている。電源ボタンを押してWindows 7を終了すると、一度リスタートした後にスリープ(クイックモード)/ハイバネーション(エコクイックモード)に入る仕組みのようで、実際には電源は切れていないが、ユーザーはそれを意識することがない。

 起動時間を比較してみたところ、通常はWindows 7の起動に31秒前後かかったのに対し、クイックモードでは約10秒、エコクイックモードでは約25秒での起動が可能だった。

 なお、クイックスタート設定時の消費電力についても計測を試みたが、手持ちのワットチェッカーではどのモードでも0.0ワットと表示されてしまい、測定限界以下の消費電力だった。

薄型軽量モバイルノートPCでは充実の拡張性

USB 3.0ポートの隣にあるUSB 2.0ポートは、本体の電源オフ時でもスマートフォンなどを充電できる。「電源オフUSB充電ユーティリティ」では、充電機能のオン/オフ、バッテリー駆動時にも充電機能を利用するか、といったことを指定できる

 本体装備の端子類は、USB 3.0、2基のUSB 2.0(1基は電源オフ時のUSB充電対応)、HDMI出力、アナログRGB出力、ExpressCard/34スロット、SDXC/SDHC対応SDメモリーカードスロットなど、このクラスの薄型軽量モバイルノートPCとしてはかなり充実しているといえる。特にExpressCard/34スロットを備えている製品は最近では珍しい。

 通信機能は1000BASE-T準拠の有線LAN、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN、そしてIEEE802.16e-2005準拠のモバイルWiMAXを標準搭載する。Bluetoothは内蔵していない。

 そのほか、液晶フレームの上部に約30万画素のWebカメラ、タッチパッドの左右ボタンの間に指紋センサーを装備している。

 プリインストールOSは、64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)を採用している。オフィススイートにはPowerPointとOneNoteが含まれたOffice Home and Business 2010を搭載するほか、豊富な電子辞書アプリ、さまざまな用途向けのアプリ、独自のサポート系ユーティリティなど、富士通のオールインワンモバイルらしく付属ソフトは盛りだくさんだ。

前面にワイヤレス通信のスイッチを配置(写真=左)。背面はバッテリーで占有されている(写真=右)

左側面は手前から、ヘッドフォン、マイク、USB 3.0、USB 2.0(電源オフ充電機能付き)、HDMI出力、アナログRGB出力、排気口、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ(写真=左)。右側面は手前から、ExpressCard/34スロット(ダミーカード装着済み)、メモリカードスロット、着脱式の光学ドライブ、USB 2.0、盗難防止用ロック取り付け穴を備える(写真=右)

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