評価で用いたIdeaPad U300sのシステム構成は、CPUがCore i7-2677M(TDP 17ワット。1.8GHz、Turbo Boost Technology有効時で2.9GHz)、チップセットはIntel QS67 Express、システムメモリはDDR3-1333を4Gバイト載せ、データストレージは容量256GバイトのSSDを採用する。グラフィックスはCPUに統合したIntel HD Graphics 3000を利用する。
TDP 17ワットクラスのCPUとはいえ、Sandy Bridge世代のCPUで導入した“第2世代”のTurbo Boost Technologyによって、動作クロックは最大2.9GHzまで上がる。また、Ultrabookには、価格を抑えるためにCore i3級のCPUを採用するモデルもあるが、IdeaPad U300sは、Core i7級を採用する。デュアルコアで4スレッド同時対応はCore i3級と同じだが、先に述べたTurbo Boost Technologyの対応に加えて、4Mバイトの3次キャッシュメモリなど、Core i5級、Core i3級に対して優位な点もある。
さらに、データストレージもSSDなのでPCの起動、アプリケーションの起動、そして、データアクセスが速い。ただ、その一方で、導入するOSが64ビット版 Windows 7 Home Premium Service Pack 1であるのにかかわらず、システムメモリは4Gバイトしか載せておらず、増設もできない。。
このように、メモリがアンバランスな構成といえるIdeaPad U300sだが、ベンチマークテストで測定した結果は総じてよろしく、特に、SSDを搭載したことでデータストレージ系のベンチマークテストで高いスコアを示している。また、BBench 1.01(海人氏作)によるバッテリー駆動時間の測定でも、電源プランをバランスに設定し、10秒ごとのキー入力と60秒ごとに無線LANでWebページにアクセスを繰り返す条件において、6時間58分でバッテリー残量5%になった。
| ベンチマークテスト項目 | IdeaPad U300s | ||
|---|---|---|---|
| PCMark7 | PCMarks | 3425 | |
| lightweight | 3498 | ||
| productivity | 2864 | ||
| creativity | 5984 | ||
| entertainment | 2511 | ||
| computation | 8337 | ||
| system_storage | 4260 | ||
| PCMarkVantage | PCMarks | 10169 | |
| memories | 5561 | ||
| TV and Movies | 4071 | ||
| Gaming | 7082 | ||
| Music | 12215 | ||
| Communications | 10463 | ||
| Productivity | 12317 | ||
| HDD | 20124 | ||
| CrystalDiskMark3.0 | 1000M | Seq | 251.1 |
| 512K | 190 | ||
| 4K | 17.11 | ||
| 4K QD32 | 45.97 | ||
| Seq | 104.6 | ||
| 512K | 177.9 | ||
| 4K | 33.9 | ||
| 4K QD32 | 41.15 | ||
| CINEBENCH R11.5 | OpenGL | 8.46 | |
| CPU | Multi | 2.33 | |
| CPU | Single | 1.09 | |
| CINEBENCH R10 | CPU | 4523 | |
| CPU | 8852 | ||
| 3DMark06 | 3DMarks | 3526 | |
| CPU | 2955 | ||
| モンスターハンターフロンティア オンライン ベンチマークテスト(絆) | 1360×768ドット | 1480 | |
| The Last Remnant | 1366×768ドット | 16.52 | |
| ストリートファイターIV | 1366×768ドット | 7929 | |
Ultrabookのコンセプトを反映したノートPCが、外資系PCメーカーを中心にいくつか登場してきたが、その多くは、デザイン、特にボディの薄さを訴求する。そこで、最薄部の“数値”を競うために正面をできる限り薄くする“くさび形”のボディを採用するケースが増えてくる。その影響で本体インタフェースが背面になるなど、使い勝手に支障がでる場合もある。
IdeaPad U300sは、ボディの薄さも訴求するが、極端なくさび形状とならず、側面にインタフェースを配置して使い勝手を考慮している。使い勝手という意味では、日本語キーボードで無理のないレイアウトを実現しているのも評価したい。
また、デザインを重視するUltrabookながら、多くのモデルがシルバーやブラックであったりするなか、IdeaPad U300sのクレメンタインオレンジは、カタログやWebページで「派手!」と思われるかもしれないが、実際に生活の場や仕事の場で使ってみると、意外と落ち着いた色合いで必要以上に存在を訴えることもない。それでいて、「あ、あれにあるのはIdeaPad U300s」とすぐに分かる個性もある。これこそ、ユーザーに密着した使う場所を選ばないUltrabookに求められるバランスの取れたデザインといえる。
IdeaPad U300sの実売価格は、12月初旬の時点で14万円後半から15万円弱と、競合するUltrabookと比べると高い水準にある。ただ、これを、デザインと使い勝手に対する付加価値と判断できるユーザーに、クレメンタインオレンジのボディは最も適したモデルと映るはずだ。

最近では、購入してパッケージを開封するのも“ユーザーの大切な楽しみ”となっている(写真=左)。IdeaPad U300sのパッケージを開くといきなり天板のクレメンタインオレンジがユーザーの目に飛び込んでくる(写真=右)→「IdeaPad U300s」をLenovo公式サイトで購入する
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