“2画面”タッチパネルの使い勝手は?――「Sony Tablet P」徹底検証(中編)孤高のAndroidタブレット(2/2 ページ)

» 2011年12月13日 18時45分 公開
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2画面に最適化した「サクサク・エクスペリエンス」を搭載

Sony Tablet Pでは2画面操作に最適化したタッチパネルのチューニングが行われている

 ソニーはSony Tabletシリーズにおいて直感的な操作を追求すべく、ハードウェアとソフトウェアの両面で独自技術によるチューニングを施し、通常のAndroidタブレットより快適なタッチ操作を実現したとしている。

 この快適化技術には「サクサク・エクスペリエンス」という名前が付けられており、Webブラウザに追加された即応性技術の「クイックビュー」、スムーズなタッチ操作を可能にする「クイック・タッチ」、独自開発の「ソフトウェアキーボード」で構成される。

 1つ目のクイックビューとは、JavaScriptの実行より先にコンテンツのテキスト情報を優先して表示させることで、ユーザーが必要な情報にすばやくアクセスできるようにしたものだ。

 Webページが完全にロードされるまでの時間を短縮できるわけではないが、ロードが完了する前からテキスト情報を読んだり、次のリンクにタッチしたり、といった効率的な利用が可能になる。JavaScriptを多く使っているサイトや低速なネットワーク環境で特に効果的な機能だ(Sony Tablet Sによるクイックビューのテスト動画はこちら)。

 2つ目のクイック・タッチは、触れた指の動作に応じて画面表示を自然に追従されるため、タッチパネルの応答性を最適化したもの。特にSony Tablet Pでは、別々のタッチパネルが動作する2画面をまたいで自然なタッチ操作ができるように、デバイスドライバのかなり深い部分のパラメータやタイミングまで調整したという。

 実際、Sony Tablet Pでは2画面をまたぐように、1本指でスクロールしたり、2本指でピンチイン/アウトしたり、といった操作が違和感なく行える。画面間のすき間は約9ミリと、2画面構成のデバイスにしては狭額縁にまとまっており、画面間の段差もないため、上画面から下画面に指でなぞっていっても、画面間の継ぎ目に指が少し当たる程度でスムーズな操作が可能だ。慣性スクロールも自然に動作する。

Sony Tablet Pの2画面によるWebブラウズ。2画面をまたいだ1本指のスクロール操作や、2本指のピンチイン/アウト操作も違和感なく行える
本体を両手で持ち、2本の親指で入力することを想定したソフトウェアキーボードを搭載する

 3つ目のソフトウェアキーボードも2画面構成のSony Tablet Pに最適化したものを搭載している。本体を両手で持ちながら、2本の親指で入力することを想定したデザインだ。

 キートップを大きめに表示したQWERTY配列のキーボードで、予測変換やつながり予測(変換候補から語句を確定すると、続く語句の候補を表示)、オートコンプリート、学習辞書といった入力支援機能を持つ。日本語入力はローマ字入力で行う仕様で、かな入力やフリック入力が可能なソフトウェアキーボードは用意していない。

 Sony Tablet Sと同様、キーから指を離した段階ではなく、指がキーに触れた時点で即座に文字入力が行えるようにして、体感速度の向上を図っている。句読点など一部のキーは長押しで別の入力候補を表示できるが、その場合は指がキーに触れた時点で文字が入力され、長押しの状態になると、入力直後の1文字が瞬時に消えて入力候補のメニューが現れる。ソフトウェアキーボードの反応は良好で、サクサクと軽快に使えた。

 状況に応じて、キー配列を瞬時に自動で切り替える機能を備えるのもSony Tablet Sと共通だ。例えば、メールアドレス入力時はスペースバーの左に「@」キーが追加され、パスワード入力時は最上段に数字キーがサッと現れる。Sony Tablet Sのようなテンキー付きキーボードのレイアウトは用意していないが、この画面サイズではキーが小さくなってしまうので不要だろう。

キートップを大きめに表示したQWERTY配列のキーボードは、文字を入力する度に予測変換の候補がキーボード上部に表示される(写真=左)。一部のキーは長押しで別の入力候補が現れる(写真=右)

キーをタップしたときの「コッ」という音の有無、予測変換やオートコンプリート、候補学習などの設定はカスタマイズできる

 本体が横位置の場合、ソフトウェアキーボードは下画面いっぱいに表示される。主要キーのキートップは約9(横)×9(縦)ミリ、キーピッチが約10(横)×10.25(縦)ミリの表示サイズだ。両手で本体を支えて、2本の親指で入力するには十分な大きさといえる。ボディの横幅が180ミリあるため、手が大きくないユーザーは、中央付近のキーを押すのに親指が届くように手をずらして持つ必要があり、長文の入力はさすがに厳しいが、慣れればある程度の長いメールも難なく書けるだろう。

通常の日本語入力キー(画面=左)。「ABC/?123」キーを押すと数字/記号入力キーに切り替わる(画面=中央)。さらに「Alt」キーを押すと別の記号入力キーに切り替わる(画面=右)。キー表示を切り替えると、上部のカラーも変わり、見た目にキー配列がどのような状態か分かりやすくなっている ※これらの画面キャプチャは2画面の境界が分かりやすいように、間に黒い線を入れた(以下、同様)

メールアドレス入力欄ではスペースバーの左に「@」キーが追加される(画面=左)。パスワード入力欄では最上段に数字キーが追加される(画面=中央)。英字入力キーもすっきりしたレイアウトだ(画面=右)

Sony Tablet Pのソフトウェアキーボードによる文字入力。本体を両手で持ち、2本の親指で入力することを想定して、デザインされている
Bluetoothキーボード「SGPWKB1」は、サイズが299(幅)×127(奥行き)×24.5(高さ)ミリ、重量が約410グラム(単三形乾電池2本含む)だ。キーピッチは約19ミリ、キーストロークは約2ミリのアイソレーションデザインを採用する

 ただし、ノートPCのように机上に置いて10本の指で入力するには小さすぎるサイズだ。どうしてもSony Tablet Pで長文を入力したい場合、Bluetoothキーボードを利用するとよいだろう。ソニーはオプションとして、コンパクト(といってもSony Tablet Pに比べるとかなり大きいが)なBluetoothキーボード「SGPWKB1」(ソニーストア直販価格6980円)を用意している。

 なお、Sony Tablet PのUSB 2.0 Micro-Bコネクタは、クライアント機能のみでホスト機能をサポートしていないため、USBキーボードを接続して利用することはできない。USBストレージの接続やUSBポート経由での充電や給電も非対応となる。

 本体が縦位置の場合、ソフトウェアキーボードは左右に分割され、表示領域の下半分に表示される。主要キーのキートップは約8.5(横)×10.5(縦)ミリ、キーピッチは約9.75(横)×11.5(縦)ミリといった表示サイズだ。縦位置ではボディの幅が158ミリになるので、2本の親指が中央のキーまで届きやすいが、キートップが縦長で細いことから、ツメを立てるようにして入力しないとミスタイプしやすいだろう。

縦位置でのキーボード表示例。横方向の解像度が低くなるので、キーが縦長になる

 ハードウェアキーボードやボタン類がなく、ほぼすべての操作を指のタッチで行うタブレットデバイスでは、液晶ディスプレイとタッチパネルの品質が製品の完成度に直結する重要なポイントだ。

 その点、Sony Tablet Pでは、視認性と解像度が高い2画面の液晶ディスプレイに、独自のサクサク・エクスペリエンスで最適化したタッチパネルを組み合わせており、2画面でのタッチ操作がしやすいよう各所に工夫が見られる。最初は見慣れない2画面での操作に少し戸惑うかもしれないが、慣れれば予想以上に“使える”印象だ。


 次回はソニー独自のアプリやサービスを試していきたい。

・→汎用性と独自性のはざまで:“2画面”アプリは実用に足るか?――「Sony Tablet P」徹底検証(後編)

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