ソニーらしさはAndroidタブレットでも健在か?――「Sony Tablet S」徹底検証:発売記念・特大レビュー(1/9 ページ)

» 2011年09月17日 19時00分 公開

まずは“S”のWi-Fiモデルから投入

「Sony Tablet S」の32Gバイト/Wi-Fiモデル(SGPT112JP/S)

 製品発表から約5カ月弱、ついにソニー初のAndroid搭載タブレットデバイス「Sony Tablet」を入手できる日が来た。まずは、9.4型ワイド液晶を搭載した「Sony Tablet S」シリーズのWi-Fiモデルが2011年9月17日に発売され、同シリーズの3G+Wi-Fiモデルと、折りたためるボディに5.5型ワイド液晶を2面並べた「Sony Tablet P」シリーズ(3G+Wi-Fiモデルのみ)が2011年10月〜11月に発売される予定だ。

 市場参入ではやや遅れた感のあるソニーだが、2012年度には日本国内のAndroid搭載タブレットデバイスでシェア1位、ワールドワイドのタブレットデバイスではアップルに次ぐシェア2位を目指すという。

 その試金石ともいえる第1弾製品のSony Tablet S/Pシリーズは、Android 3.x+デュアルコアTegra 2と標準的なシステム構成ながら、さまざまな面で独自の工夫を加えており、数あるAndroidタブレットの中でも異彩を放っている。

 ソニーはSony Tabletの特徴として、「優れたデザイン」「快適な操作性」「ネットワークサービス」「テレビなどさまざまな機器との連携」の4つを挙げているが、これらが実際にどう具現化されているのか、今回はSony Tablet Sの32Gバイト/Wi-Fiモデル(SGPT112JP/S)でチェックしていこう。

※テストは試作機で行ったため、実際の製品と一部異なる可能性があります。


タブレットの常識を打ち破る「偏重心」という提案

「偏重心デザイン」のボディは、本体の丸みが持ち運ぶときにもフィットする

 まずは「優れたデザイン」についてだが、重心を片側に寄せた「偏重心デザイン」が目新しい。似たようなデザインがあふれかえるタブレットデバイス市場にあって、一目で判別できるデザインに所有欲をくすぐられる人は少なくないだろう。雑誌を折り返した形状がモチーフというボディは片側が丸みを帯びており、持ちやすさを考えて、あえて厚みを持たせている。

 こうすることで、縦位置の状態にして片手で持っているときは、ボディの丸みが手のひらにフィットし、重心が握っている側に来るため、手に余計な負荷がかからず、実に持ちやすい。横位置では厚いほうが上に来るように持つが、この場合も下に向かってボディが絞り込まれているため、違和感なく持てる。ただし、今度は重心が上に来るので、縦位置より重さを感じやすい。

縦位置の状態にして片手で持つ場合は、厚みのある部分が握りやすく、手にかかる負担が小さい(写真=左/中央)。横位置では重心が上に来るので、左手で本体を持って、右手でタッチ操作するような場合は縦位置より重さを感じる(写真=右)

 細かいところだが、背面のデザインにも注目だ。背面は画面と同じような光沢処理に見えるが、細かな突起が敷き詰められており、これが滑り止めとなってしっかり握れるほか、指紋が付きにくい効果もある。背面の段差はボディの先端を薄く見せつつ、横位置で持った際に小指が引っかかって、グリップしやすくなる印象だ。

 テーブルなど水平な場所に置いたときの使い勝手もよい。片側に厚みがあるため、横位置の状態では画面にわずかな傾斜がつき、フラットなボディのタブレットデバイスより表示が見やすく、タッチ操作も少し楽に行えるのだ。ただし、縦位置の状態でテーブルなどに置くと、左右で高さが異なるため、慣れないと少々違和感があるかもしれない。

背面はシルバーの本体にブラックのカバーをかぶせたような独特のデザインで、確かに折り返した雑誌をイメージさせる(写真=左)。背面は表面と同じ質感に見えるが、細かな突起が並んでいるため、握りやすく、指紋が付きにくい(写真=中央)。水平な場所に横位置で置くと、わずかに傾斜がつく(写真=右)

 単にこれまでのタブレットと違う見た目を狙っただけでなく、実用上のメリットがあるデザインに仕上げているのは、小型軽量のガジェットを率先して作り続けてきた世界屈指のメーカーであるソニーらしいこだわりが感じられる。持ち方によって使いやすさが変わるデザインだが、このチャレンジ精神は高く買いたい。

 9.4型ワイド液晶を搭載した本体のサイズは241.2(幅)×174.3(奥行き)×10.1〜20.6(高さ)ミリ、重量は約598グラム(3G+Wi-Fiモデルが約625グラム)だ。実測では590グラムと公称値よりわずかに軽かった。10型前後のAndroidタブレットとしては非常に軽く、薄型軽量で好評を博しているiPad 2のWi-Fiモデル(約601グラム)よりも軽いのがうれしい。偏重心デザインに加えて、この軽さも持ちやすさに大きく貢献している。

 Sony Tablet Sは軽さを追求しつつ、複雑な形のデザインも採用するため、外装にアルミニウムなどの金属は使っておらず、軽くて加工しやすい樹脂がベースとなる。そのため、全体にカッチリと作り込まれてはいるのだが、ほかのタブレットに見られる金属的で硬質な感触はなく、見た目よりかなり軽く感じることもあり、人によっては上質感がもっと欲しいと思うかもしれない。ここは持ちやすさと軽さのトレードオフといえる。

 しかし、ボディの材質にも工夫が凝らされていることは知っておきたい。Sony Tablet Sは家電とつながる赤外線リモコンの機能を内蔵しているが、ボディに赤外線通信用の穴や継ぎ目があると不格好なので、背面の光沢ブラックの部分全体に赤外線送受信部に使われる素材を大胆に用いている。また、側面と内部のフレームにはグラスファイバー素材を用いて、軽さと頑丈さの両立を図っているのは見逃せない。

 なお、以下の記事でSony Tablet S/PをほかのAndoridタブレットやiPad 2と並べてサイズ比較をしているので、併せて参照していただきたい。

Sony Tablet SとiPad 2の前面。ほかの機種との比較は以下の記事を参照

長辺の比較

短辺の比較

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