それではDCP-J925Nに搭載された新型エンジンの性能をじっくりと見ていこう。ここではさまざまなデータや反射原稿をプリント、コピー、スキャンしたサンプルデータを掲載している。
ただし、プリントやコピーについては、出力されたものをスキャンしてデータにしているため、現物と異なるケースが多い。色再現性は正確さを欠くため、評価は本文を確認してほしい。
写真プリントのサンプルは、ブラザーの写真光沢紙(BP71G)にプリンタドライバの最高品位設定で印刷したものだ。
ぱっと見は悪くないが、元画像に比べて全体的に青みがかっており、色彩の力がもうひとつ。シャドーも浮き気味のため、平たんな印象になった。細部の描写については問題なく、絵画の文様や表情まで再現できている
こちらも青みが全体にさしており、夕刻間近の写真が午前中のような雰囲気になってしまった。もっとも、これは色がころびやすい難しいサンプルなので、特にDCP-J925Nのカラーバランスだけが悪いわけではない。描写は細部までできている。
ほんの気持ちイエローが強いが、かなりニュートラルなバランスを保てており、印象がよい。下生えなど細かな部分の描写にも不満はない。雲の微妙な階調はやや飛びがちながら、破たんすることなく描けている。
人肌はわりと適正に表現できた。ただ、白い敷物やタキシードの暗部は階調の欠落が見られ、細部が判別しにくくなっている。
非常に高彩度だが、階調がさほど崩れていないため、印象はよい。さすがに果物はみずみずしさがなくなったが、ワインやボトルの映り込みなどはキレイに再現できた。
カラーコピーでは普通紙に対して、デフォルト設定と高速設定で印刷したサンプルを用意した。
色彩が落ち、階調もつぶれているが、オブジェクトの判別は可能だ。色鉛筆のケースの文字も判読できるレベルなので、チャートやイラスト程度ならば問題ないだろう。
標準と似た傾向だが、ハイライトの飛びとシャドーではつぶれがより出てきた。バンド状に白線が生じているため、試し刷りなど用途は限られるだろう。
スキャンサンプルは反射原稿を600dpiで取り込んだものを掲載している。スキャンドライバの設定は、自動補正などの機能は利用していない(DCP-J925Nの場合、そのような設定がそもそもない)。
カラーバランスはなかなか適正だが、白飛びや黒つぶれが発生している。明点と暗点を指定できれば好転が見込めるが、ドライバに機能を搭載していないのは惜しい。紙焼き写真などのスキャンを考えると、もう少し高機能なドライバを用意してほしいところだ。
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