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» 2011年12月28日 18時00分 公開

購入指南:あなたに最適なNASはどれ? 容量や機能で選ぶ「TurboNAS」シリーズ (2/2)

[瓜生聖,ITmedia]
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TurboNASの選び方――機能/性能編

 前回も触れたが、TurboNASの型番の付け方についておさらいしておこう。

TurboNASの型番。TS-x09は性能的にふさわしい位置に記述している。また、この表はあくまで原稿執筆時の現行製品に適用される

 TurboNASの型番には3ケタないし4ケタの数字が含まれている。その1ケタ目(数字が4ケタある場合は2ケタ目まで)がベイ数、生産終了品との不整合や若干の例外(TS-x09は本来TS-x69あたりのポジションとなる)はあるものの、おおむね下2ケタが相対的な性能を表すと考えてよい。そのため、TS-119とTS-210を比較するとTS-119は1ベイだが2ベイのTS-210よりも性能は高い。

 非常に幅広いラインアップのどのモデルを選ぶのかは、プロセッサに負荷のかかるRAID構成や各種ネットワークサービス、同時利用ユーザー数などを考慮しながら決めていくことになる。例えばバックアップ用途にはTS-410、ファイルサーバにはTS-459ProIIといった具合だ。

 また、性能以上に注意すべきなのがプロセッサアーキテクチャの違いだ。TS-x1xはARM系のMarvellプロセッサを採用しており、x86アーキテクチャとは互換性がない。特にJAVAのランタイム環境(JRE)はx86モデルにしか提供されていないため、JAVAを必要とするTomcatやPS3 Media Serverは必然的にx86モデルでしか動作しない。24時間稼働のサーバとして多様な使い方を考えているのなら、TS-x39以上を選択するのが無難だろう。

 なお、現行モデルはすべてiSCSIにも対応している。iSCSIはもともとHDDなどの外部記憶装置とのインタフェースであるSCSIをネットワーク経由に拡張したもので、OSからはローカルドライブと同じように見える。そのため、ネットワークドライブへの保存ができない地デジチューナーでもiSCSIターゲットへは保存できる場合がある。仕組み上、1台のPCからのみの接続となるが、それでもTurboNAS上に配置するメリットは大きい。

 その理由の1つは耐障害性だ。TurboNAS上に配置するということはすなわち、TurboNASのRAID構成が有効に働くということになる。もう1つはバックアップ機能。TurboNASではiSCSIの論理ユニットであるLUNのバックアップ/リストア機能のほか、サービスを継続しながらある瞬間の状態を保存するスナップショット機能をサポートしている。そして3つめがシンプロビジョニングだ。

 シンプロビジョニングは、あらかじめドライブの全容量分を確保するのではなく、必要になったときにはじめて容量を確保していく機能だ。LUNは実際の搭載ディスク容量に関係なく、最大32テラバイトまで作成することができる。今後を見込んであらかじめ大容量で作成しておくことにより、容量拡張時に容易に移行できる。メーカーによって違いはあるものの、録画ファイルを移動させただけで再生できなくなるなど「録画したときの状態」からの変化に過敏に反応する地デジ番組録画では、物理的な故障や交換に備えてiSCSIのようなレイヤーを挟んでおくと安全だ。

iSCSIはターゲットと、そこにぶら下がるLUNからなる。シンプロビジョニングを有効にしておくと必要になったタイミングでディスクを確保しにいく(画面=左)。iSCSIドライブをPC側から見たところ。32Tバイトの大容量ドライブとして見えている。実際の使用領域は601Mバイトだ(画面=中央)。こちらはTurboNAS上の状況。あらかじめ1Tバイトのファイルが32個作られているが、スプースファイル(途中に抜けのあるファイル)になっており、実際の占有容量は小さい(画面=右)


 今後、HDDの供給が安定して価格水準が戻ってくるころには、ストレージ容量増加のためにHDDの追加ないし交換を考えることになるだろう。RAID 1以上で冗長構成されているものについては構成台数を増やしたり、1台ずつ交換・リビルドを行ってサービスを停止させることなく、利用可能容量を増加させることができる。空きスロットがある場合にはそこに容量の大きな新しいHDDを装着し、バックアップを行ってから付け替えればよい。

 TurboNASの利点には「今のニーズに合ったシステム」を構築しながら、「その先のニーズを見越した移行プラン」を立てられることもある。HDDを取り巻く状況は先行き不透明でありながらも、需要は確実に迫ってくる。ぜひ、TurboNASシリーズで効率のよいデジタルライフを送ってもらいたい。

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