ファン氏は、2012年のタブレットデバイス市場を「“Ice Cream Sandwich”の年」と位置づける。Androidが4.xに進化することで「タブレットデバイスは、コンピューティングデバイスと携帯デバイスを融合する存在になる」と語り、Androidベースのタブレットデバイス市場は2012年も急成長を続けるだろうと予測する。
タブレットデバイス元年となった2010年は、年間2000万台の市場を創出したが、そのほとんどはAppleのiPadで生み出されたものだった。2011年は、Androidベースのタブレットデバイスが多数登場したこともあり、その市場規模は6900万台にまで急拡大した。
しかし、「これまでのAndroidタブレットデバイスは、同じAndroid OSを採用するスマートフォン向けのソフトウェア資産を生かしていなかった」とファン氏は指摘する。その背景には、スマートフォン向け開発されたAndroid OSをタブレットデバイスにも適用するためにリリースされた“Honeycomb”(ハニカム:Android 3.x)採用モデルでは、それまでスマートフォン向けに開発されてきた“Gingerblead”(ジンジャーブレッド:Android 2.x)向けアプリと互換性の問題があったり、タブレットデバイス特有の機能や拡張性を生かしていなかったりという問題があった。特に2011年には、スライドタイプやドッキングタイプなどでキーボードを搭載したモデルも登場するように、Android搭載デバイスのバリエーションが増えたことも、既存アプリの対応を遅らせる一因になったと見らている。
しかし、「Ice Cream Sandwichが、携帯電話とタブレットデバイスを1つのプラットフォームに統合することで、ソフトウェアデベロッパは累計2億5000万台といわれるスマートフォンを含めたAndroid市場を手に入れることができる」とファン氏が語るように、1日平均70万件、2011年のクリスマスの週末には370万件ものアクティベーションがあるAndroid端末が“単一プラットフォーム”化されることは、ソフトウェアデベロッパのアプリ開発や移植を加速し、タブレット市場をさらに拡大するきっかけになる。これにより、「タブレットPCは、家電製品としてはスマートフォンよりも急速な成長を遂げるだろう」(ファン氏)は予測する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.