キーワードは“ミニチュア”と“セパレート”、ついでにアレ──2012年「PCオーディオのトレンド」を考察する野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオコラム(2/2 ページ)

» 2012年02月07日 17時00分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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2012年のPCオーディオ 「選択できる・よりこだわることができる」ようになる

photo “セパレート型”の真空管搭載プリアンプ「ERNESTOLO」

 PCオーディオ関連機器は、製品数が増えるとともにそのバリエーションも広がっていった。例えば、デスクトップ用のプリメインアンプや(これまでのPC用のようなアンプ内蔵型/アクティブ型ではない、アンプ非搭載/パッシブ型の)小型スピーカーなど、いままでのピュアオーディオ系製品とは異なる、明らかにPCオーディオでの利活用を想定したモデルがいくつも登場したことからそれがなんとなく伺える。

 これまでは(ちょっと乱暴な言い方だが)「DACチップをよくして、あとはそのまま」的なニュアンスのものも少なからずあったのだが、そんな製品バリエーションの広がりにより、“デスクトップ”のオーディオを高品位にトータルコーディネートすることも可能となってきた。これは、旧来からのPCオーディオファンにとって非常にうれしい潮流だ。

 では、2012年のPCオーディオはどうなるか。

 まず2011年以上に「拡大」が進み、いよいよというべきか「選択する・できる時代」になると思っている。ユーザーが“選べる”ようになるため、これまで以上に品質、音質、使い勝手、機能性、ブランドイメージなどを含めて、製品の個性やスペックが重要となってくるだろう。

 まず「真空管」を使ったモデルは2012年も手堅い。製品の分かりやすさ、そして個性で、右に出るものがないためだ。

 続いて「より小型」のモデルが重宝されることも推測できる。机上は部屋以上に狭く、スペースに限りがあるので、その空間をうまく活用でき、それでいてさりげなく存在感や所有満足度が得られるデザインを持つものを選びたいと思うのは当然の思考だ。そのサイズも、オーディオ機器メーカー製モデルでよくある従来型コンポの“ハーフサイズ”とするコンポーネントでもいいのだが、さらに進んでCarot One「ERNESTOLO」のようなミニチュアサイズ(※筆者が勝手に呼んでいるスケール)のものが望まれるようになると考えている。

 もう1つ、各パートを分離した「セパレーション/セパレート型」もトレンドとなりそうだ。ピュアオーディオ機器は音質重視を理由に、こだわり層向けのこだわりモデル/高級モデルほど機能ごとにボディや機能が分けられる傾向があるのだが、普及期にあり、“よりこだわりたい”と考える人が増えるであろうPCオーディオにもきっと流れてくる。


photo 振動やノイズ対策を施した「音楽専用PC」もいくつか登場している。写真はオリオスペック「canarino1」

 サイズ、特にミニチュアサイズくらいであれば機能ごとに分離してもさほど場所をとらないし、機能を絞ることで(あれこれ詰め込んで、自分は使わない余計な機能があるモデルより)価格帯が抑えられる可能性があるという、別のメリットも生まれる。2012年は、デスクトップのPCオーディオでも「分離された各コンポーネントを自由に選んで組み合わせて、自分好みにシステムアップを図る」という楽しみが味わえるようになりそうだ。

 最後に価格面。製品バリエーションが増えたため製品の価格帯も同じく広くなったが、2012年は「売れ筋の価格帯はある程度固定化してくる」と思う。もちろん、製品群としては数千円のカジュアル志向なものから高級オーディオ並みのものまで多種多様なモデルが今後も登場するだろうし、それはそれでありがたく楽しいものだが、売れ筋の価格帯となるのは「2万円前後〜5万円未満」だろう。こちらは確実なグレードアップが期待できる品質を備えつつ、PCパーツ系とさほど変わらない感覚で導入できるもの──となる感じだ。

 音楽はいい音で楽しみたい。ちょうど「選択する・できる年」と据える2012年は、きっと満足度を満たす製品に出会えるはずだ。PC標準機能に少しでも不満を感じているなら、自作に続くオトナのPC遊び「PCオーディオ」にチャレンジしてみてほしい。




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