きっとみつかるベストなPC──「ThinkPad Xシリーズ」バイヤーズガイド:PCをいつ買えばいいかって? いまでしょう(1/3 ページ)

» 2012年05月09日 21時00分 公開
[林.佑樹(撮影:矢野渉),ITmedia]

堅牢×モバイルでいまも揺るぎない支持「ThinkPad Xシリーズ」

 ビジネスシーンによく似合う印象を持つユーザーが多いThinkPadシリーズ。打ちやすさを追求したキーボードと、マウスがなくても快適なポインティング操作ができるトラックポイント、そして、ThinkPadの長い歴史で変わることなく愛されてきた黒基調デザインと堅牢性。これらの特徴を支持するThinkPadユーザーは、実をいうとビジネス利用のユーザー以外にも多い。

 今回紹介する「ThinkPad Xシリーズ」は、モバイル利用を重視したラインアップで、2012年5月の現在は、「ThinkPad X121e」「ThinkPad X220」「ThinkPad X220i」を中核とするほかに、これまでのイメージを大きく変える薄型のデザインを重視した「ThinkPad X1」を加えている。ThinkPad X1とThinkPad X121eには、ポインティングデバイスとして、トラックポイントだけなく、タッチパッドも用意する。使う状況に合わせてトラックポイントとの併用できるため、室内利用でも屋外利用でも入力が快適だ。もちろん、一方をオフにすることも可能だ。

 ThinkPad X121eとThinkPad X220、ThinkPad X220iは、キャンペーン価格を適用すると場合によって10万円を切る価格となることもある。もちろん、低価格の構成であっても、ThinkPadシリーズの使い勝手はそのまま生きている。そういう意味では、高いコストパフォーマンスを持つラインアップといえる。

実は販売実績ナンバーワンという「ThinkPad X121e」

高いコストパフォーマンスが人気を支える「ThinkPad X121e」

 ThinkPad X121eは、サイズが11.6型で、解像度が1366×768ドットの液晶ディスプレイを採用する。標準構成での重さは約1.4キロだ。この機種は、インテルのプラットフォームを採用する構成とAMDのプラットフォームを採用するモデルを用意する。両者の違いは搭載するCPUとチップセットのみで、本体のデザインや搭載するインタフェースは共通する。

 ともにグラフィックスコアはCPUに統合するので、インテルのプラットフォームを採用する構成はIntel HD Graphics 3000となり、AMDプラットフォームを採用する構成ではRadeon HD 6320を利用する。CPUの違いとともに統合するこれらグラフィックスコアの違いも性能の差となって現れる。また、バッテリー駆動時間も、インテルプラットフォーム採用モデルで約3.8時間、AMDプラットフォーム採用モデルで3.5時間と異なる。なお、標準搭載のバッテリー以外に、大容量の6セルバッテリーも用意していて、このバッテリーを搭載した場合、駆動時間は、インテルプラットフォーム採用モデルで約7.7時間、AMDプラットフォーム採用モデルで約7.2時間になる。ただし、重さはともに約1.55キロに増える。

 インテルプラットフォームにしてもAMDプラットフォームにしても、ThinPad X121eは、ほかの“Xシリーズ”よりサイズは小型で持ち運びやすく、かつ、パワー(特にグラフィックス性能)もある程度必要なユーザーに勧めたい。


これぞ正統派モバイルPC「ThinkPad X220」

日本のモバイルPCといえばこのモデル「ThinkPad X220」

 ThinkPad X220とThinkPad X220iは、より高いCPUの性能と使いやすいモバイル性能をユーザーに提供するラインアップだ。なお、“X220”と“X220i”のハードウェア的な違いは実質的にCPUだけと考えていい(そのほかには、利用できるサポートサービスなどに違いがある)。

 ThinkPad X220が搭載するCPUでは、Core i7-2640M(2.8GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.5GHz)やCore i5-2520M(2.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.2GHz)などが選べるが、この場合、CPUはTurbo Boost TechnologyとHyperThreading Technologyに対応する。一方、ThinkPad X220iが搭載するCPUはCore i3-2350M(2.3GHz)のみで、Hyper Threading Technologyに対応するが、Turbo Boost Technologyには対応しない。純粋な処理性能としてはThinkPad X220が上で、ThinkPad X220iはコストパフォーマンスを重視した構成といっていい。このあたりは購入に使える予算に応じて選択することになるだろう。

 ThinkPad X220でも、Core i7-2640MとCore i5-2520Mのどちらを選ぶかで悩むが、動作クロックが0.3GHzの違いで、3次キャッシュメモリの容量がCore i7-2640Mで4Mバイト、Core i5-2520Mで3Mバイトというほかは、ほぼ同じ機能と仕様。それで価格差が約2万円という“バランス”が決め手になる。

 先に紹介したThinkPad X121eの液晶ディスプレイサイズが11.6型だったのに対して、ThinkPad X220とThinkPad X220iはともに12.5型ワイドになる。解像度は1366×768ドットと同じだが、BTOでIPSパネル採用ディスプレイを選択できるため、より見やすく、かつ、高い視野角を得られる。これは、作業性が向上するだけでなく、対面に座る相手との打ち合わせでディスプレイを水平まで倒して共有するのにも適している。

 バッテリーは4セル、6セル、9セルから選択可能で、さらに、9セルバッテリーと6セルバッテリーは併用できる。この状態におけるバッテリー駆動時間は、約22.4時間にも及ぶ。ただ、標準の6セルバッテリーでも約8.9時間と、昼間の仕事中に持ち歩く分にはバッテリー切れの不安なく使える。長時間の携行と高い処理能力を必要とする作業性を重視するユーザーは、ThinkPad X220を選びたい。


デザイン重視という思想を初めて導入「ThinkPad X1」

歴史あるブランドでデザイン重視という思想に挑んだ「ThinkPad X1」

 Thinkpad X1は、これまでのThinkPadシリーズに相当する性能と、デザイン優先というユーザーの要望を高い次元で両立したモデルで、従来の“ThinkPad Classic”特有のデザインから脱却した意欲的な“作品”ともいえる。

 側面の形状にくさび形を採用したように、最薄部(パームレスト側)で16.5ミリ、最厚部(ヒンジ側)で21.3ミリというThinkPadシリーズ最薄のボディが注目されるが、スタイルだけでなく、ボディやその内部の構造でも新しい試みを施している。それは、“最薄”のボディにTDP 35ワットクラスのCPUを搭載可能にする冷却システムや、薄いボディで強度を確保するため、液晶ディスプレイに組み込んだゴリラガラスとパネルとフレーム、そして支えに使う“骨組み”をマグネシウム合金で一体化した「ThinkPad Rollcage」の採用などだ。

 標準で本体に内蔵したバッテリーの駆動時間は約5時間。外付けで底面に取りつけるスライスバッテリーを装備した状態では約9.6時間になる。ThinkPad X220に比べると短いが、急速充電を可能にする“RapidCharge”システムを採用する。約30分で容量の80パーセントまで充電できるので、街で立ち寄る喫茶店やオフィスで電源が確保できれば、コーヒー一杯である程度の充電が可能だ。バッテリー時間の不安がなければ、ThinkPad X1は13.3型液晶ディスプレイを搭載するだけに作業はしやすい。

 なお、2012年になって「ThinkPad X1 Hybrid」も登場した。こちらは、Windowsに加えて、LinuxベースのカスタマイズOS(その実態は限りなくAndroidに近いが)を導入したモデルで、LinuxベースのカスタマイズOSを有効した状態(レノボはこの状態をInstant Media Mode、IMMと呼ぶ)で、通常の2倍に及ぶバッテリー駆動時間(約10時間)を実現し、メールやWebブラウジング、動画や音楽ファイルの再生もできる。ただし、Google Playからのアプリ追加には対応していないので、IMMの用途自体は限られる。


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