マウス操作に関しては、W8CPで大きな変更を加えたが、タッチ操作についてはUIがほとんど変化していない。画面端から中央に向かって指をドラッグさせることで機能メニューを呼び出したり、アプリを切り替えたりといった動作はそのまま引き継いでいる。ただ、サムネイルによるアプリ切り替えへの対応など、W8CPの機能ブラッシュアップに合わせて、タッチ操作にも新UIに対応した動作を加えている。
この連載では、動作検証用のタブレットPCとして、ASUSの「Eee Slate B121」を用いている。デュアルコア、4スレッド対応のCore i5-470UM(1.33GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大1.86GHz、TDP 18ワット)を搭載した12.1型ワイド液晶ディスプレイ採用のスレート型PCで、重さは約1.1キロ。システムメモリは4Gバイトでデータストレージには容量64GバイトのSSDを内蔵する。
記事で紹介しているタッチ操作については、すべて、このタブレットPCで検証したものだ。Eee Slate B121には、32ビット版 Windows 7 Professionalをインストールしているが、ここに日本語版W8CPを上書きインストールしている。現在のところ、ドライバなどを含めて問題なく動作している。ただし、Eee Slate B121の解像度は1280×800ドットにとどまり、MetroスタイルにおけるSnap Viewを利用できる最低解像度「1366×768ドット」に達していないため、Snap Viewを利用できない点に注意したい。
タブレットPCのタッチ画面では、画面右端から中央に向かって指をなぞると「Charm」、画面上端、または下端からなぞると「右クリックメニュー」、画面左端からなぞると1つ前のアプリを呼び出す「戻る」の機能となる。これらは、基本的に従来と同じ動作で、画面にも変化はない。ただし、最後の「戻る」の動作に関してはちょっとしたトリックを用意している。左端から中央に向かって指をなぞると、1つ前に実行していたアプリのサムネイル画面が指の動きに合わせて出現するが、そのまま中央付近まで移動して指を離すと「戻る」動作が成立する。このサムネイルを表示した状態で、そのまま指を左端まで戻すと、マウス操作でも解説した「過去に呼び出したアプリのサムネイル一覧」を画面左端に表示できる。これで、同じ操作を繰り返さずとも目的のアプリを一発で呼び出せるわけだ。
なお、W8CPから導入した新機能ではないが、タッチ操作に関してもう少しだけ紹介しておこう。Windows 8におけるタッチ操作では、指で触れたポイントを“軌跡”として表示できる。この“演出”は、誤ったタッチが発生しやすい細かい操作でもストレスをある程度低減できるとみられる。軌跡のパターンは3種類あって、1つが軽くタッチした状態で「薄い丸を短時間表示する」もの、2つ目はドラッグ操作における「範囲選択枠」、そして、3つ目は長押し状態の「小さな四角マーク」だ。3つ目の長押しは「右クリック」と同じ効果で、デスクトップ画面でこの操作を行うと「コンテキストメニュー」を表示する。ただし、Metroスタイルのアプリやデスクトップ画面ではこの限りではないので注意したい。
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