Windows 8 Consumer Previewで使いやすくなった基本操作をさらう鈴木淳也の「お先に失礼! Windows 8(もう仮称じゃない)」(4/4 ページ)

» 2012年05月18日 11時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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スクリーンショット自動取得に対応、スタートボタン“風”メニューも

 最後にW8CPで追加した便利なTipsを紹介しておこう。W8CPでは、W8DPで要望が多かった「スクリーンショットの自動取得」機能を導入した。これまでも「PrtScr」キーを押してスクリーンショットを取得し、ペイントなどのレタッチソフトにデータを貼り付けて保存という操作が可能だったが、W8CPでは、ショートカットを押した時点のスクリーンショットを取得し、そのまま画像ファイルとして自動で保存する機能を用意した。「Windows」+「PrtScr」キーを押した瞬間に画面が一瞬暗くなってシャッター音が鳴り、その瞬間のスクリーンショットを画像保存用フォルダにPNG形式で保存する。なお、画像保存用フォルダはデフォルトで「ピクチャ」となっている。Macなどでは以前からある機能だが(こちらは「Command」+「Shift」+「3」キーの同時押し)、Windowsでもついに搭載されたことになる。

 ただし、この機能にはいくつか制限がある。まず、すべての画面のスクリーンショットを取得できるわけではない(この場合、ショートカットキーを押してもシャッター機能が反応しない)。そして、シャッターを押しても取得できない画像があることにも注意したい(システム関連の特殊な処理画像などがこれに当てはまる)。また、従来のWindowsにあった「Alt」+「PrtScr」のようなアクティブウィンドウのみを指定したスクリーンショットも取得できない。「PrtScr」自体が無効化されているようで、このキーを押してもスクリーンショットはクリップボードに貼り付けられない。

 なお、「ピクチャ」フォルダに作成するファイル名は「スクリーンショット(番号).png」となる。スクリーンショットを取得するごとに番号が増えていく。

 2つ目のTipsは「スタートメニュー」の存在だ。W8CPでデスクトップ画面から「スタートボタン」を廃止したが、その代わり「マウスカーソルを従来のスタートボタンの位置に合わせると、スタート画面のサムネイルを表示する」といった、それに近い機能を用意している。W8CPではそれに加えて、「スタートメニュー」なるものも存在する。この呼び出しは簡単で、スタート画面のサムネイルを表示している状態で、「右クリック」するだけだ。スタートメニューで比較的使用回数が高い機能をメニューとして実装しており、「ファイル名を指定して実行」「コマンドプロンプト」「コントロールパネル」といった機能をワンアクションで起動できる。

 もっとも、ここではアプリケーションのショートカットを呼び出すより、「エクスプローラ」などの“よく使うアプリケーション”はタスクバーの部分に「Pin」で登録しておけばいいわけで、あくまで補助的なものだ。ただし、普段は階層の深い位置にあって呼び出すのが面倒な「管理ツール」も一覧に登録してあるため、このような設定関連ユーティリティをよく使うユーザーには適した仕組みだろう。

 もともと、W8DPにおけるスタートボタンの存在は「デスクトップ画面からスタート画面へ戻る」機能を実装するためにだけあるもので、かえって操作上の混乱を引き起こす要因だった。これを廃止したのは英断だと考えているが、「Windows 8も従来のWindowsのように使いたい」と考えているユーザーには複雑な思いかもしれない。


 以上、W8DPからW8CPへの移行で変更したUIに着目して紹介した。W8DPで不完全と評価されていた各種機能もほぼ実装されつつあり、Windows Storeのほか、メールやカレンダーといった基本的なアプリもW8CPでは標準実装している。次回はこれらアプリに着目しつつ、Windows Storeの基本機能をチェックしていく。

Macなどではすでに導入しているスクリーンショット自動保存機能をWindows 8でついに実装した。「Windows」+「PrtScr」を同時に押すと画面が一瞬暗くなり、「ピクチャ」フォルダにシャッターを切った瞬間のスクリーンショットをPNG形式で保存する(写真=左)。W8CPでは、デスクトップ画面から「スタートボタン」を廃止したが、同種の機能を持つ“隠しメニュー”を呼び出せる。デスクトップ画面でマウスカーソルを左下に持っていき、スタート画面のサムネイルを表示している状態で右クリックするだけだ。深い階層にある管理メニューやエクスプローラを一発で呼び出せるので便利だ(写真=右)

コラム「Update! Building Windows 8」

このコラムでは、「Building Windows 8 Blog」などで明らかになるWindows 8の最新動向を取り上げていく。今回は“変わるサービス名称に混乱しない方法”だ。

Windows 8では「Windows Live」が廃止に?

 Windows 8で新たにサポートされた機能の中で、最も典型的なのが「Webサービスとの連携」だ。SkyDriveをオンラインで共有だけでなく、ローカルストレージのように扱ったり、「共有(Share)」機能を使って写真やWebページをメールやSNSでほかのユーザーと共有したりと、最近のモバイルデバイスでは当たり前となりつつある機能が、Windows 8ではOSレベルで導入している。W8CPだけを見ても、FacebookやGmailといった外部サービスへの対応を標準で組み込んでいるが、「OSの標準機能はマイクロソフトのサービスで固める」といった雰囲気ではなく、そこに時代の流れを感じたりもする。

 ところで、マイクロソフトでは、当時のCTOだったレイ・オッジー氏の指揮で、2005年に「Windows Live」の名称でオンラインサービスの統合と再ブランディングを行っているが、これがWindows 8の世代で、新たな形で再ブランディングすると発表している。詳細はBuilding Windows BlogでのSteven Sinofsky氏の投稿にあるが、「Windows Live〜」「Windows〜」といった言葉をなくして、よりシンプルな名称になっている。例えば「Windows Live Mail」が「Mail app」に、「Windows Live ID」が「Microsoft account」といった具合だ。

 名称の変更自体は、ユーザーに影響を与えるものではないが、どこかの説明を見て「あれ? これはなんだっけ?」といったことがないように、記憶に留めておくといいだろう。

Windows 8で変更する主なサービスの名称
サービス Windows 8 Windows Phone Web/HTML5 従来の名称
アカウント Microsoft account Microsoft account Account.live.com Windows Live ID/Passport
ストレージ/文書 SkyDrive app/SkyDrive Desktop SkyDrive app/Office app SkyDrive.com FolderShare/Live Mesh/Windows Live Mesh
電子メール Mail app Mail app Hotmail.com Windows Live Mail/Outlook Express
カレンダー Calendar app Calendar app Calendar.live.com Windows Live Mail/Windows Calendar
連絡先 People app People app People.live.com Windows Contacts
メッセージング Messaging app Messaging app HotmailとSkyDriveに包含 MSN Messenger
写真/動画 Photos app/Photo Gallery/Movie Maker Photos app/Camera Roll Photos.live.com Windows Live Photo Gallery/Windows Live Movie Maker


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