新ファームウェアで向上した「OCZ Vertex 4」の性能をチェック!登場当初からさらにパワーアップしたという(1/3 ページ)

» 2012年05月22日 16時30分 公開
[長畑利博,ITmedia]
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Indilinxの新コントローラを搭載した……だけじゃない

 OCZ Technologyの最新SSD「Vertex 4」はIndilinxブランドのコントローラ「Everest 2」を採用した製品だ。Indilinxは、高速なSSDコントローラのメーカーとして知られているが、2011年3月にOCZ Technologyが買収している。ただし、今回採用しているEverest 2は、OCZ Technology製ではなく、Marvellの「88SS9187」をIndilinxの部隊が改良したものだという。

本体はヘアライン加工された金属部とプラスチックカバーを組み合わせている。本体の厚みは9.3ミリで、7ミリ厚のSSDしか搭載できない薄型ノートPCでは使用できない(写真=左、中央)。3.5インチドライブベイ用の変換マウンタが標準で付属する。固定方法は背面からネジ止めするタイプだ(写真=右)

基板レイアウトでは、斜めに配置したコントローラが目立つ。コントローラの型番は「IDX400M00-BC」だ(写真=左)。512Mバイトの外部キャッシュを基板の裏表に実装して、全部で1Gバイトの大容量キャッシュを用意していることが分かる(写真=中央)。カバー内側は最も熱を持つと思われるコントローラ部分のみ金属ケースに接触する熱伝導テープを貼っている。反対側はプラスチック製になる(写真=右)

 Vertex 4は、2.5インチサイズでSerial ATA 6Gbpsに対応したモデルだ。容量のラインアップとして、現時点で128Gバイト、256Gバイト、512Gバイトの3モデルを用意するが、近く、64Gバイト版もリリースする予定だ。スペックはすべてのモデルでシーケンシャル読み出しが535Mバイト/秒となる。シーケンシャル書き込みは容量によって異なり、128Gバイトモデルが200Mバイト/秒、256Gバイトモデルが380Mバイト/秒、512Gバイトモデルは475Mバイト/秒となる。1秒間に行える4Kバイトファイルデータの読み書きの回数を示すIOPSの数値は、128Gバイトと256Gバイトが9万IOPS、512Gバイトが9万5000IOPSだ。4Kバイト書き込みに関しては、すべてのモデルで8万5000IOPSとなる。

 ただし、このスペックは、製品を発表した当時の値だ。OCZ TechnologyはVertex 4用の新しいファームウェア(Version 1.4 正式版)を5月17日に公開した。このファームウェアでは、各NANDデバイスの管理方法を変更することで、シーケンシャル読み出しがすべてのモデルで550MMバイト/秒へ、シーケンシャル書き込みでは128Gバイトモデルが480Mバイト/秒、256Gバイトモデルが465Mバイト/秒、512Gバイトモデルは475Mバイト/秒と向上している。シーケンシャル読み出しはわずかな性能向上だが、ボリュームゾーンとなる低価格モデルではシーケンシャル書き込みの性能が大幅に向上した。

Vertex 4シリーズ主要仕様
容量 128Gバイト 256Gバイト 512Gバイト
インタフェース Serial ATA 6.0Gbps(Serial ATA 3.0Gbps対応時)
DRAMキャッシュ 1Gバイト
読込速度 最大 535Mバイト/秒
書込速度 最大200Mバイト/秒 最大380Mバイト/秒 最大475Mバイト/秒
4KBランダム読込 9万 IOPS 9万5000 IOPS
4KBランダム書込 8万5000 IOPS
ランダム最大書込 12万0000 IOPS
平均故障間隔 200万時間
動作環境温度 0〜55度
消費電力 アイドル時1.3ワット、アクティブ時2.5ワット
外形寸法 69.63(幅)×99.8(奥行き)×9.3(厚さ)ミリ
重量 101グラム
保証期間 5年

新ファームウェアによる性能変化(変化値はRC時のもの)
容量 128Gバイト 256Gバイト 512Gバイト
ファームウェア v1.3 v1.4 v1.3 v1.4 v1.3 v1.4
読込速度 535Mバイト/秒 550Mバイト/秒 535Mバイト/秒 550Mバイト/秒 535Mバイト/秒 550Mバイト/秒
書込速度 200Mバイト/秒 420Mバイト/秒 380Mバイト/秒 465Mバイト/秒 475Mバイト/秒 475Mバイト/秒

SSDのファームアップに手間のかかる製品も多いが、本製品では非常に簡単だ。サポートページにある「OCZToolbox」をダウンロードして起動する。表示されるVertex 4の型番を選択してから「Tools」→「UpdateFir,ware」を選んで実行するだけでよい。このツールはSecureErace機能も備えている

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