レノボ・ジャパンが行ったThinkPadの製品説明会では、全モデルで搭載したキーボードの訴求や、そのほか、新たに実装したハードウェアとソフトウェアのメリットを紹介した。
レノボ・ジャパン 横浜事業所 大和研究所 デザイン/ユーザーエクスペリエンス 研究・開発 部長の高橋知之氏は、キーボードのメリットを説明した。ThinkPadシリーズでは、X1から導入が始まったアイソレーションタイプの6段(レノボ・ジャパンは6列と表現する)キーボードは、世界各国のユーザーに行った調査の結果を反映し、今回登場した全モデル搭載のキーボードでさらに改良を加えたという。
説明会では、7段配列のキーボードを搭載するThinkPad T420sと、6段配列のキーボードを搭載した新モデルのThinkPad T430sで比較を行い、最適化されたキータッチフィーリングなど、従来のキーボードが持つメリットをそのまま継承しつつ、6段になることでさらに使い勝手のいいレイアウトを実現したと説明する。特に、キートップの形状と右上、右下におけるキーレイアウト、バックライト対応を取り上げている。キートップ形状では、従来の7段配列よりキートップの面積を大きくし、表面にくぼみをつけることでキーを押した指を捉えやすくなったという。また、キーレイアウト、特に右上で横に並べた「Home」「End」「Insert」「Delete」キーと、右下で横に並べた「PageUp」「上カーソル」「PageDown」は従来より幅を増やすなど、合理的な配置を実現したと主張した。
同じく、大和研究所 製品開発統括担当 ノートブック製品 開発オペレーションズの広瀬陽一氏は、新モデルに導入した新しい技術を紹介した。システム監視とセキュリティー維持、電力管理をワンチップで行う「ThinkEngine」については、その実装するメリットとして、温度管理による発火事故の防止や、盗難時によるHDDの抜き取りにおいてもパスワードによる保護が可能であること、そして、消費電力の削減や、それまでの電力消費パターン履歴から最適な電力管理を行うことを挙げている。
また、第6世代の“フクロウ ファン”を採用した冷却システムでは、風量が従来のファンから28%改善し、高温による性能低下の防止と、発生する静電気を除去することでヒートシンクのホコリ付着を減らし、冷却性能を維持すると説明した。
そのほかにも、マグネシウム合金製のフレームでPC本体を持ったり携帯したりするときに発生するたわみを抑えて内部の破損を防ぐ「ThinkPad ロール・ケージ」の採用や、堅牢性を実現するために実施する「拷問試験」など、これまでのThinkPadシリーズでも行っていた品質維持についても、訴求している。
説明会の最後には、ThinkPadシリーズのUltrabookとして、海外では発表している「ThinkPad X1 Carbon」のサンプルを紹介している。14型ワイド液晶ディスプレイを搭載して重さは1キロ(3ポンド)未満、ボディにはカーボンファイバを採用する。出荷時期と実売価格については現時点では明らかにしていない。
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