最後にベンチマークテストも行おう。
本機はCPUにデュアルコアのOMAP 4460 HS(1.5GHz)、メインメモリ1Gバイトを実装する。ベンチマークアプリ「Quadrant Professional Edition」を用い、5回計測した平均値は以下の通り。参考スコアとしてAndroid 4.0搭載タブレット、Tegra 3(1.4GHz)搭載の東芝「REGZA Tablet AT830」、OMAP4430(1.2GHz)搭載の「REGZA Tablet AT700」の結果も並べた。
ベンチマークテスト | LifeTouch L | (参考) REGZA Tablet AT830 |
(参考) REGZA Tablet AT700 |
---|---|---|---|
Total | 2091 | 2916 | 1535 |
CPU | 5341 | 6375 | 4517 |
Memory | 2323 | 3032 | 1570 |
I/O | 1316 | 3794 | 801 |
2D | 293 | 226 | 151 |
3D | 1184 | 1153 | 638 |
Tegra 3搭載モデルと比べると値はやや劣るものの、実利用におけるスライド操作やWebページのレンダリング速度はかなり快適。Webサイト表示やプリインアプリ類を普通に活用する範囲でもたつくことはない。
バッテリー動作時間のカタログ値はWebサイト閲覧時で約13時間、動画再生時で約10時間だ。参考としてAndroidの3Dベンチマークアプリ「Neocore」を明るさ最大状態で連続動作させ、残量100%から50%まで約2時間20分、同0%まで約4時間20分動作した。こちらは高負荷状態=最低でもこれだけ動作するであろう指針としたが、おそらくタブレットでガシガシ連続で使うシーンはさほどない。家庭内であれば数日は充電なしで、あるいは数日の旅行などに持っていくにも安心のバッテリー動作時間を備えているといえる。
LifeTouch Lは、確かにとんがった強烈な部分はない。ただ、薄型、軽量、長時間動作、印刷対応、DTCP-IP対応、豊富なプリインストールアプリ、サポート体制など、バランスのよい仕様はかなり高く評価したい。
でも、安心のファミリー用とするなら防水性能は備えてほしかった。キッチンなどの水回りやお風呂プレーヤーとして活用するシーンのほか、ダイニング/リビングルームでも水にこぼす可能性はある。もっとも同社グループは「MEDIAS TAB N-06D」で防水タブレット、スマートフォン「MEDIAS」シリーズなどをすでに投入し、ノウハウもあるだけに、ここは次に期待といったところか。また、価格帯は東芝のREGZA Tabletシリーズ、富士通のARROWS Tabシリーズと似通うものではあるが、アプリ類不要なので3万円台といった超努力モデルもあれば、この仕様ならおぉぉと思う人は意外にいるだろうと妄想したりする。
ともあれ、クセがなく、多くの人が安心して使える良バランスなA4オールインワンノートPCのような仕様は、「安心、簡単、快適」を掲げるNECらしい。決してとんがってはいないが、2012年6月現在、日本市場で多く販売されているのは、実はこういったPC。そういった意味で、家庭に導入する、家族のために導入するタブレットとして勧められる1台だ。タブレットもこういったモデルが受け入れられるとなれば、ぐっと一般層にも普及してくる……。そんな部分も期待したい。
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