定番Ultrabookが“フルHDのIPS液晶”で劇的進化――「ZENBOOK Prime UX31A」を徹底チェックする2代目に死角なしか(2/5 ページ)

» 2012年07月10日 00時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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高級感ある薄型軽量のアルミユニボディ

 ボディの基本設計やデザインは、先代のZENBOOK UX31Eからそのまま引き継いでいる。前方に向かって曲線を描きながら薄くなるくさび形のフォルムは、MacBook Airのようにアルミニウム合金の削り出しで作られるユニボディ構造となっており、高い剛性と美しさを兼ね備えているのが特徴だ。

 天板は同心円状にヘアラインを引いたスピン加工、パームレストと底面には縦方向のヘアライン加工を施し、独特の存在感を演出している。手に持つとアルミボディのずっしりとした重量感と、ソリッドな感触が伝わってくる。ツルツルとした心地よい触感も印象的だ。

アルミニウムのユニボディは、前方に向かって薄くなるくさび型フォルムを採用(写真=左)。天面のスピン加工がデザインのアクセントになっている(写真=右)

液晶ディスプレイを開くと、パームレスト部の薄さがさらに強調される(写真=左)。底面は奥に吸気用のスリットがあるものの、無骨な突起やパーツの継ぎ目などはなく、美しく仕上がっている(写真=右)

 デザインへのこだわりはパッケージ全体にも及ぶ。天面と同じスピン加工で仕上げたACアダプタ、専用のキャリングケースに、それと共通デザインの変換アダプタ収納ケースなど、デザインイメージを統一した付属品が、ブラックを基調にしたスリムな化粧箱に上品に収められ、パッケージ全体でZENBOOKの世界観を表現している。

本体と付属の変換アダプタを収納するケースが付属するのは先代機と同様だ。コストパフォーマンスを追求しつつも、こうした細かな配慮がうれしい

 本体サイズは325(幅)×226(奥行き)×3〜18(高さ)ミリで、重量は約1.3キロだ。先代機のZENBOOK UX31E(UX31E-RY256)と比較して、重量は据え置きだが、奥行きは3ミリ、高さは1ミリとごくわずかだが増した。13.3型Ultrabookとしては、最厚部が少々厚く、軽さも際立った数値ではないが、デザインや堅牢性、そして後述するスペックとのバランスを考えると、よくまとまっている。なお、実測での重量は1383グラムと、公称値より少し重かった。

 バッテリーは本体に内蔵され、ユーザーが交換できない仕組みだ。6セルのリチウムポリマーバッテリーを採用し、容量は約48ワットアワーだった(CPUIDのHWMonitorで確認)。公称でのバッテリー駆動時間は約8.5時間、充電時間は約3.1時間とされている。先代機に比べて駆動時間は約0.4時間延長、充電時間は約0.1時間短縮と、それぞれ少しずつ改善された。

 ACアダプタは、実測でのサイズが60(幅)×60(奥行き)×29(高さ)ミリ、重量は約181グラムにおさまっており、本体と一緒に携帯してもじゃまになりにくい。ACアダプタ本体をコンセントに直接つなぐ仕様だが、先端のプラグ部は取り外せるため、別途2ピンの電源ケーブルを装着することも可能だ。

ACアダプタは小型軽量にまとまっている(写真=左)。底面のネジ(ヘックスローブ)を外すと、カバーが分離でき、内部構造が見渡せる(写真=中央)。見ての通り、内部のほとんどはバッテリーが占めている。バッテリー容量はグローバルサイトの表記では50ワットアワーだ。CPUIDのHWMonitorで確認した容量は約4800ミリワットアワーだった(画面=右)

超低電圧版Ivy Bridge/ChiefRiverプラットフォームを採用

 基本システムには、Ivy Bridge(開発コード名)こと第3世代Coreプロセッサ・ファミリーの超低電圧版を中心としたChief River(開発コード名)プラットフォームを採用している。

 3Dトランジスタを世界に先駆けて導入し、22ナノメートルプロセスルールで製造された第3世代Coreは、先代機が採用する第2世代Core(開発コード名:Sandy Bridge)と比べると、高性能かつ低消費電力で、CPU内蔵グラフィックスコアの描画性能も大きく向上している。

 CPUは第2世代Ultrabookで採用例の多いCore i7-3517Uを採用。2コア4スレッド対応のモデルで、動作クロックは1.9GHzだ。Turbo Boost 2.0により、高負荷時は最大3.0GHzで動作する。Ultrabookの薄型ボディに無理なく内蔵できるよう、TDP(熱設計電力)は17ワットと低い。

 チップセットにはIntel HM76 Expressを搭載。グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を利用する。メモリはPC3-12800 SDRAMを4Gバイト搭載しており、増設はできない仕様だ。8Gバイトまで増やせないのは少々惜しいが、デュアルチャンネルアクセスに対応しており、メモリコントローラの最高性能を引き出している。

CPU-Zの情報表示画面。CPUはUltrabookで多く採用されている第3世代CoreのCore i7-3517U(1.9GHz)を搭載する(画面=左/中央)。TDPが17ワットの超低電圧版モデルだ。デュアルコアCPUでHyper-Threadingに対応しており、4スレッドを同時実行できる。Turbo Boost 2.0によって、最大3.0GHzで動作する。メモリは従来のPC3-10600よりも高速なPC3-12800 SO-DIMM(DDR3-1600)を搭載(画面=右)。デュアルチャンネルアクセスに対応し、Ivy Bridgeのメモリコントローラ本来の性能をフルに引き出せる。容量は4Gバイトで増設はできない

 データストレージはSerial ATA 6Gbps対応のSSDを採用し、容量は約256Gバイトと余裕がある。今回入手したZENBOOK Prime UX31に内蔵されていたSSDをデバイスマネージャで確認すると「SanDisk U100」と表示されていた。これは、先代機のZENBOOK UX31E(UX31E-RY256)に搭載されていたものと同じだ。SSDの公称スペックとしては、シーケンシャルリードが最大450Mバイト/秒、シーケンシャルライトが最大350Mバイト/秒、ランダムアクセスのIOPS(Input Output Per Second)は1200IOPSとなっている。

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