「Haswellが動いた!」──“次世代”Ultrabookも集結したIDF基調講演:IDF 2012(2/2 ページ)

» 2012年09月12日 18時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
前のページへ 1|2       

HaswellとIvy Bridgeを比較するデモを公開

 パルムッター氏は、基調講演でWindows 8について繰り返し言及している。これは、次世代のUltrabookを利用するユーザーが増えるきっかけとしてIntelが期待していることを示唆している。それと同様に、基調講演でクローズアップしているのがAtomだ。フォームファクタごとにCoreプロセッサー・ファミリーとのすみ分けを明確にしている。Intelが想定するAtomの競合はARMであり、そのうえで、Coreプロセッサー・ファミリーを補完してあらゆる分野をインテルアーキテクチャでカバーするのがIntelの狙いだ。

これまで、ローエンドのCoreプロセッサー・ファミリーとAtomのすみ分けで苦労したIntelだが、現在は利用目的に合わせて使い分けを明確にしており、Atom事業も戦略的に強化していると説明する。2012年8月のIFA 2012では、Atom(Clover Trail)を採用するタブレットPCが多数展示しており、Windowsプラットフォームでは、ARM搭載のWindows RT対応モデルに比べてAtom搭載のWindows 8対応モデルが明らかに優勢だった

 Ultrabookでは、2013年にも第4世代Coreプロセッサー・ファミリーにあたる「Haswell」(ハスウェル)が登場する予定だ。20分の1といわれるアイドル時における消費電力の低さと、「SoC(System on Chip)への対応がHaswellで重要なポイントとなる。前者は「非アクティブ時でも、バックグラウンドでメールの送受信やSNS関連データのアップデートを行い、常に最新情報を入手しておく」というスマートフォンなら当たり前の機能をPCでも可能にする技術だ。

 後者のSoC化は、消費電力低減や低コスト化において重要な要素で、これまで2チップソリューション、または、3チップソリューションの名称で「CPUとチップセット」のコンビネーションを重視していたIntelが、主力製品でもシングルチップソリューションを採用することになる。パルムッター氏は「今後もSoC化は進んでいく」と述べており、Haswell以降の世代でも、引き続きSoCを提供することになりそうだ。

アイドル時に消費電力を最大でこれまでの20分の1に落とせるHaswellは、ARMのようなAlways Connectedな動作が可能になる(写真=左)。IDF 2012では、Haswellに関して2つのデモでHaswellとIvy Bridgeの比較をした。パフォーマンステストではGPUに負荷をかけた場合の動作を比べており、高いパフォーマンスを維持してスムーズな動作を可能だ(写真=中央)。消費電力の比較では、Ivy Bridgeと同じ負荷設定とフレームレートで動作した場合、Haswellは半分の消費電力で済むことを示した(写真=右)

 IDF2012では、Haswellの動作デモを初めて公開した。主に統合した新しいグラフィックスコアのパフォーマンスと、低い消費電力を訴求するデモで、会場ではIvy Bridge世代のCPUを搭載するシステムと比較している。3Dグラフィックのデモでは、Haswellでは問題なく処理できても、同じ表示オプションを設定したIvy Bridgeではフレーム落ちが多発するなど、パフォーマンスの違いが明らかに確認できた。一方で、同じ設定オプションで両者の動作を比較した場合、Haswellの消費電力はIvy Bridgeの2分の1で済んでいる。このような、Haswellにおける余裕のあるTDPを利用して、PCの薄型化も実現する見込みで、基調講演では、Haswellを搭載したIntelのコンセプトモデルを公開して、その薄さを訴求した。

負荷を高く設定し、Ivy BridgeとHaswellで動作を比較。Ivy Bridgeでは描画に引っかかりがあるが、Haswellではスムーズだ
同じ負荷条件とフレームレートを設定し、Ivy BridgeとHaswellで消費電力を比べると、Haswellの消費電力はIvy Bridgeの2分の1になった

 新世代のUltrabookでは、IFA 2012でも登場したソニーのVAIO Tap 20など、通常の液晶一体型PCとしてもテーブルタイプのPCとしても利用できるモデルが、今後多数登場する可能性があるという予想を示した。ナチュラルUIへの取り組みも強化しており、開発者向けに「Perceptual Computing SDK Beta」の提供を始めている。この取り組みは、ユーザーインタフェースの進化を促して、今後数年におけるUltrabookの利用方法にも影響を及ぼすだろう。

Haswell世代のUltrabookのコンセプトモデルでは、とにかく薄さを強調する(写真=左)液晶一体型PCでは、ソニーのVAIO Tap 20などのように、普通の作業用デスクトップPCとして使ったり、ときにはディスプレイをテーブルのようにして複数のユーザーで画面を共有したりと、新しい利用場面を提案する(写真=中央)。開発者向けに、Natural Intuitive Computing実装に必要な「Perceptual Computing SDK Beta」の提供を開始して、ナチュラルUIの研究を促進する(写真=右)

基調講演で行ったHaswellのデモで使っていたテスト用システムボードでは(写真=左)、HaswellのSoC実装エリアは、ファンを含めて非常にコンパクトだ(写真=右)

こちらはHaswellを搭載したUltrabookのコンセプトモデル(写真=左)。LenovoのYOGAのような変形機構を持つ(写真=右)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月29日 更新
  1. Windows 11でサインイン後に「画面が真っ黒になる」事象が確認される 発生時は暫定解決策あり (2026年09月28日)
  2. 圧倒的な通気性と航空モチーフのデザインが光る「ANAオリジナル タフな背中がムレにくいビジネスリュック」を試す (2026年09月28日)
  3. AnthropicがAIモデル「Claude Opus 5.5」を発表/OpenAIもAIモデル「GPT-6 Sol」「GPT-6 Luna」を投入 (2026年09月27日)
  4. 斜め吸気や底面ARGBなどThermaltakeの新作ピラーレスケースが話題に! Lexar製SSDはモデル数が拡充 (2026年09月28日)
  5. GeForce RTX 5080は30万円超えの空気感――GPU高騰の裏で見つけた7割引の水冷パーツと8万円台の小型PC (2026年09月26日)
  6. 入手困難な「PS5 Pro」の販売がソニーストアで再開 発送は11月以降、購入申込み条件はPS5/PS4のプレイ実績60時間以上 (2026年09月28日)
  7. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  8. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  9. 「約12万円のPS5 ProよりゲーミングPCを買った方がいい」は本当なのか? 同等スペックで組んだら価格は…… (2024年09月19日)
  10. Ryzen AI Max+を搭載したハイスペック9型ミニノート「GPD WIN Max 3」 (2026年09月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー