今回の評価機は最終仕様決定前の試作機であり、また、店頭モデルの128Gバイトより多い256GバイトのSSDを搭載している。下記のベンチマークテストはあくまで参考としてみてほしい。
なお、OSが64ビット版Windows 8ということもあり単純な比較はできないものの、PCMarkや3DMarkなどの定番ベンチマークテストでは、(今回の評価機においては)同じ型番のSSDを搭載するLaVie Z(こちらのCPUは、より高速なCore i7-3517Uを搭載)に近いスコアが出ていた。
また、Windows 8+SSDの効果か、実測の起動時間も9秒ちょっとと、非常に高速だ。もちろんWindows 8環境での日常的な操作において、パフォーマンス面での不満はまったく感じない。
dynabook R822(R822/T8GS 参考評価機) | Score | |
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Windows 8エクスペリエンスインデックス | プロセッサ | 6.9 |
メモリ(RAM) | 5.9 | |
グラフィックス | 4.8 | |
ゲーム用グラフィックス | 6.2 | |
プライマリハードディスク | 8.1 | |
PCMark 7 | PCMarks | 4398 |
LightWeight Score | 2853 | |
Productivity Score | 2047 | |
Creativity Score | 8697 | |
Entertainment Score | 2962 | |
Computation Score | 14825 | |
System Storage Score | 5202 | |
PCMarkVantage 1.0.2.0 | PCMark Score | 11007 |
Memories Score | 6859 | |
TV and Movies Score | N/A | |
Gaming Score | 8515 | |
Music Score | 13056 | |
Communication Score | 12363 | |
Productivity Score | 12601 | |
HDD Score | 37437 | |
3DMark06 1.2.0 | 3DMarks | 4507 |
SM2.0 Score | 1438 | |
HDR/SM3.0 Score | 1929 | |
CPU score | 3021 | |
3DMarkVantage 1.2.0 | 3DMark Score/Entry | 11089 |
GPU Score/Entry | 12533 | |
CPU Score/Entry | 8240 | |
3DMark Score/Performance | 2934 | |
GPU Score/Performance | 2417 | |
CPU Score/Performance | 8211 | |
CrystalDiskMark 3.0.1 | Sequantial Read | 457.2MB/s |
Sequantial Write | 266.2MB/s | |
512K Read | 317.3MB/s | |
512K Write | 252MB/s | |
4K Read | 20.11MB/s | |
4K Write | 47.91MB/s | |
4K QD32 Read | 300.6MB/s | |
4K QD32 Write | 107.5MB/s | |
バッテリ動作時間は、BBench1.01(海人氏作)でテストする。IEEE802.11n無線LANで接続(Bluetoothはオフ)し、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10(64ビット版)の設定で、バッテリー残量2%で休止状態へ移行するまでの時間を計測した。
結果は、電源プラン「バランス」、ディスプレイ輝度「40%固定」の設定で約3時間35分、同じく「eco」「20%固定」で4時間27分だった。公称値の約6時間には及ばず、モバイル環境のみでガンガン使うにはやや短い結果だが、業務シーン、あるいは移動中の動画再生や自宅/屋内での持ち運び用途には存分に活用できる実力は持っているといえる。
静音性は、低負荷時は動作していることが分かる程度の音だが、使い続けていると瞬間的に少し目立つ(暗騒音35デシベルにて、40〜41デシベルくらい)の音がすることがあった。とはいえ、3D描画など高負荷な処理をしてもそれほど大きくならない。発熱は後面に排熱口があり、その付近はやや熱くなるが、普段使い時においてはキーボード面やパームレストまで熱は伝わってこない。
さて、dynabook R822店頭モデルの発売時実売価格は15万円前後となっている。こちら、最近のノートPCの相場からすれば安価とは言えないかもしれないが、新設計の変形機構を搭載したコンバーチブルマシンであること、OfficeやAdobe Photoshop Elements 10/Premiere Elements 10をバンドルしていることを考えれば割高感はない。むしろ開発コストなどを考慮すれば、ずいぶんがんばっていると評価したい。
変形機構を持つWindows 8搭載PCとしては、すでにVAIO Duo 11やLet'snote AXといった製品とともに、なにやら“Windows 8のハヤリなスタイル”的になっているだけに驚きこそ少ない。ただし、洗練されたシステムレスポンスと優れたタッチ体験を提供するWindows 8の登場を機会に、その特徴を生かしたこういった製品が続々と登場してきている状況は、新しい時代が到来しつつあることを実感させる。本製品もまた、前述したコンバーチブルスタイルのPCと同様にモバイルデバイスのユーザーエクスペリエンスを新時代へと導く製品の1つだ。
本体重量を考慮すると、スマートフォンやピュアタブレットのように電車の中で気軽に取り出して……というわけにはいかないかもしれないが、これまでのノートPCと遜色ないキーボード入力環境を備えつつ、Windows 8が提供する最新のタッチ環境をフルに体験することもできる。これは大きな魅力だ。
また、10型クラスが一般的であるタブレットデバイスより大きなサイズのタッチディスプレイはなかなか新鮮で、複数人で情報を共有したい場面に最適である。“自宅モバイル”あるいは“オフィス内モバイル”で有効活用するマシンとして、特にプレゼンテーション用途(業務だけでなく、家族に何かを見せて説明するシーンも含めて)などで特に活躍してくれそうだ。
ちなみに今回の試作評価機で搭載していた256GバイトSSDの仕様は、東芝の直販サイト“東芝ダイレクト”のWebオリジナルモデル「dynabook R822/WT8GS、WT9GS」として、さらに8Gバイトメモリとともにオーダーが可能だ。店頭モデルにはない、より高性能な仕様を望むならこちらをチェックしてみてほしい。
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