フルHD&IPS液晶で5万円台――破格のWindows 8タブレット「LuvPad WN1100」実力診断文句なしのコスパ(2/2 ページ)

» 2013年04月16日 09時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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1920×1080ドット(フルHD表示)対応のIPSディスプレイを搭載

11.6型で1920×1080ドット表示に対応したIPS液晶ディスプレイ

 11.6型サイズの液晶ディスプレイは、視野角の広いIPSパネルで、1920×1080ドット(フルHD)表示に対応する。画素密度は約190ppiだ。輝度も明るく、写真や動画などを美しく表示できる。広視野角のIPSパネルを採用しているため、見る角度を変えても色味などの変化が少なく、横位置でも縦位置でも全体を見渡せる。Windows 8ノートPC/タブレットではいまだに140ppi以下の製品が多いが、それらと比べると格段の精細感がある。色味は若干黄色系が強く感じられる。

 10点マルチタッチのタッチパネルを搭載しており、指で画面に直接触れて操作できる。タッチパネル表面の指の滑り、感度、タッチ精度、いずれも良好だ。ただ、標準ではデスクトップでのボタンや右クリックメニューの表示などはかなり小さく、指では操作しにくい。これはWindows 8のdpi設定が標準で「小(96dpi)」になっているためで、ディスプレイのプロパティから使いやすい大きさに調整すればよいだろう。

 ステレオスピーカーは左右側面に搭載している。最近はタブレットでも高音質をアピールする製品が増えてきている。そういう製品と比べるとやや低音が弱く見劣りを感じてしまうが、比べなければ特に音質が悪いという印象はなく、エンターテイメントコンテンツもしっかり楽しめる。

標準では、dpiスケーリングが「小」(96dpi)になっている。デスクトップの作業領域は広大だが、テキストやボタンが小さく、タッチ操作はしにくい(画面=左)。dpiスケーリングを「中」にしたデスクトップ。個人的には見やすさ、タッチのしやすさともにこれくらいがちょうどよく感じた。アイコン、テキストも高解像度のものが使用される(一部例外あり)ため全体に精細感も上がる(画面=右)

dpiスケーリングを「大」にしたデスクトップ。アイコン、テキストも大きく操作しやすいが、作業領域は狭い(画面=左)。dpiスケーリングの設定はディスプレイのプロパティで変えることができる(画面=右)

グラフィックス性能とストレージ性能は「Clover Trail」タブレットを大きく上回る

 CPUにAMD Z-60を搭載しているということで、パフォーマンスも気になるところだ。ベンチマークテストの結果を見てみよう。スペックをあらためて紹介すると、CPUがAMD Z-60、メモリが2Gバイト、SSDが128Gバイト、グラフィックスがRadeon HD6250、OSが64ビット版Windows 8という構成だ。

 Windowsエクスペリエンスインデックスのプロセッサのサブスコアは2.7とAtom Z2760搭載機(3.5前後が一般的)より少し低いが、ゲーム用グラフィックスやプライマリハードディスクは大きく勝っている。

 SSDの性能はCrystalDiskMark 3.0.2でも確認してみた。結果は、Sequantial Readで244.7Mバイト/秒、Sequantial Writeで144.9Mバイト/秒と、Serial ATA/mSATAインタフェースのSSDとしては速いほうではないものの、リード/ライト、そしてシーケンシャル/ランダムともにeMMC規格のSSDに比べれば格段に高速である。

Windows 8のエクスペリエンスインデックス(画面=左)。CrystalDiskMark 3.0.2(画面=右)

 PCMark7は、過去にレビューしたAtom Z2760搭載タブレットであるVivoTab Smart ME400Cとバージョンを合わせるために1.0.4と1.4.0両方を計測している。1.0.4で比べると、PCMarksは互角。3D描画性能の締める度合いが大きいEntertainment、ストレージ性能を大きく反映するSystem Storage、LightWeight、Productivityではこちらが上回っている一方、画像処理や動画変換などを中心とするCreativity、ComputationではVivoTab Smart ME400Cのほうが大幅にスコアがよい。

 3DMark06では総合スコアで3倍以上の差を付けている一方、CPU Scoreでは50%近く負けている。そのほか、3DMark、ストリートファイター4ベンチマーク(平均21.19fps/ランクE/6730)などのスコアからすると、オンラインのカジュアルゲームくらいならなんとかできるくらいの3D描画性能はあるようだ。

 CPUの純粋な演算性能ではAtom Z2760に少し劣るが、グラフィックス(3D描画)と、ストレージでカバーしており、総合的な能力では日常操作では互角、エンターテイメント系の能力は上回っていると判断できる。体感的には微妙なところではあるが(タイミングによってはまれにややもっさりする印象もある)、日常操作ではおおむねAtom Z2760システムと似たような使用感だ。また、Atom Z2760ではアプリケーションのインストールの際にかなりストレスを感じることがあったが、ストレージ性能が優れているためか本製品ではそういう感覚はなかった。

PCMark7(画面=左)と3DMark06(画面=右)の結果

 バッテリー駆動時間は、海人氏のbbench 1.01を利用して測定した。無線LANで常時接続し、Bluetoothオン、電源プランは「バランス」を使用した(バッテリ駆動時の液晶ディスプレイの輝度は40%)。bbench 1.01の設定は、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフに設定している。結果は、残り5%になるまで4時間46分動作した。タブレットデバイスとしては短めな点に注意したい。

 ボディの発熱は、右の裏面上部(ロゴがないほう)を中心に、ベンチマークなどで負荷をかけているとじんわり熱を持ち、最大で39度まで上がった。横位置での側面の下側は31度で、このあたりを持っているぶんには気にならない(室温は26度)。

文句なしのコストパフォーマンス

 直販サイトでの販売価格は5万9850円で、Bluetooth接続のキーボード/マウス(Microsoft Wedge Mobile Keyboard/Microsoft Wedge Touch Mouse)とのセットモデルが6万9800円となっている。カスタマイズメニューでは、64ビット版Windows 8 ProへのアップグレードやMicrosoft Office 2013のバンドルなどが行なえるので、必要に応じて利用するとよいだろう。

 64ビット版Windows 8が使えて、フルHD表示が可能なIPS液晶ディスプレイを搭載しているというだけでもかなりのアドバンテージであるが、それでいてこの販売価格だから、コストパフォーマンスは文句のつけようがない。短めのバッテリー駆動時間さえ許容できるならば、購入を検討する価値は十分にある。

マウスコンピューター/G-Tune
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