―― UH90/Lで大きな特徴となるのが、非常に高精細な「IGZO」液晶ディスプレイの採用です。14型ワイド画面で3200×1800ドット表示、画素密度は約262ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)を達成していますが、なぜここまで突出した高解像度化を行ったのでしょうか?
山田氏 インテルがUltrabook構想を立ち上げて2年が過ぎ、各社から製品が出そろいました。軽さが特徴の製品、駆動時間が特徴の製品と、現状では三者三様です。
その中で富士通がどうアドバンテージを示すかを考えた末、これからユーザーの扱うデータ量が飛躍的に増えていく中で、優れた情報一覧性を提供できる「高解像度」というキーワードに注力すべきと判断しました。やるからには中途半端なスペックではなく、ドットを視認できないような圧倒的な高解像度を実現したいという思いがあり、3200×1800ドット表示の14型ワイドIGZO液晶パネルを選んでいます。
実際、2つのウィンドウを並べての作業も楽ですし、Webデザインなどクリエイティブ系アプリケーションではスペースを広く使えます。デジタルカメラで撮影した写真やフルHD動画を縮小表示で見るより、ドットバイドットで美しく精細に見たいといったニーズも今後ますます高まると予想し、それを先取りできる液晶ディスプレイに仕上げました。
安藤氏 UH75/Hは、13型クラスのボディに一回り大きな14型ワイド液晶ディスプレイを詰め込んだことが仕様上の大きな特徴でしたが、解像度は標準的な1366×768ドットだったため、もっと大画面を生かす高解像度にしてほしいという要望もいただきました。そこで、UH90/Lでは画面サイズを維持しつつ、解像度を一気に3200×1800ドットまで高めたことで、この課題を大きくクリアしています。
松本氏 今後、高解像度のコンテンツはますます増えていくため、長期間満足して使っていただくため、高解像度化のトレンドをいち早く押さえておく必要がありました。実際にこの液晶ディスプレイで高画素の写真を表示すると、2D画像ではなく、まるで3D画像であるかのような立体感があり、従来機と精細さの違いは明白です。これを見た後は、低解像度の液晶ディスプレイがコンテンツの感動を阻害するようなことがあってはならない、実にもったいない、と感じるようになりました。
―― 確かに非常に高精細で美しい表示ですが、ここまで画素密度が高いと、Windows 8のデスクトップ画面では表示が細かすぎて、視認性と操作性の最適なバランスを取るのが難しい面もありませんか?
松本氏 その通りで、Windows 8でここまで画素密度が高い液晶ディスプレイをどのようにして快適に使っていただくのか考える必要がありました。
出荷時には拡大率(dpiスケーリング)を144%と大きめに設定していますが、それでも文字やアイコンが小さいと感じられる方は少なからずいらっしゃると思います。そこで、専用ユーティリティの「かんたんサイズ設定」(無償ダウンロード提供)を用意し、出荷時の拡大率よりも大きな拡大率に変更できる2つのモードから、お好みのサイズに変更できるよう工夫しました。
山田氏 なお、右側面に搭載したHDMI出力端子はHDMI 1.4aをサポートし、4K(4096×2160ドット)の解像度まで映像出力が可能です。UH90/Lは非常に解像度が高い液晶ディスプレイを搭載していますが、それ以上の高解像度を外部出力できるようにしています。
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