ただし、この変形機構には注意点が1つある。それはディスプレイロックスイッチの取り扱いだ。スイッチがRELEASEの状態で、通常のノートPCと同じように液晶ディスプレイを内側にして閉じると、次に天板を開くとき、開いている途中で液晶ディスプレイが誤って回転し、液晶ディスプレイの下部がキーボード面にぶつかってしまうことが多い。
この問題は14型のVAIO Fit 14Aと15.5型のVAIO Fit 15Aで発生しがちだった。一方、画面が小さい13.3型のVAIO Fit 13Aでは、スイッチをRELEASEにしたままでも液晶ディスプレイの誤回転が発生しなかった。
こうした事故を想定し、液晶ディスプレイの下部はゴムで覆われているため、キーボード面との接触で傷がつくようなことはないが、慣れないうちはスイッチの位置をきちんと確認してから変形したほうがよいだろう。
また2つに折れるヒンジ部もゴム製で強度が気になるところだが、ソニーは液晶ディスプレイの開閉・回転テストはもちろん、間違って画面だけを持って本体がぶら下がってしまった場合を想定したゴムの伸縮テスト、タブレットモードで生じた本体と液晶ディスプレイの隙間の強度を確認する加圧テストなど、VAIO Fit 13A/14A/15A用の品質試験を厳しく行って製品化したとしている。
気になる方は、ソニーが提供する品質試験のビデオをご確認いただきたい。
VAIO Fit 13A/14A/15Aの基本スペックは、Ultrabookがベースになっており、第4世代Coreの「U」シリーズを採用する。店頭向けの標準仕様モデルは全5モデルを用意し、モバイルを想定した約1.31キロのVAIO Fit 13AはCore i3-4005U(1.7GHz)とアウトカメラを標準装備、中間サイズのVAIO Fit 14AはPentium 3556U(1.7GHz)にスペックを抑え、大ぶりなVAIO Fit 15Aの最上位機はCore i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)と2880×1620ドットの高解像度液晶を採用するなど、サイズ以外の仕様も異なる。
さらにソニーストアが取り扱う直販のVAIOオーナーメードモデルならば、基本スペックやソフトウェア、アクセサリなどを選択して購入でき、最低価格はVAIO Fit 13Aが12万9800円、VAIO Fit 14Aが9万9800円、VAIO Fit 15Aが10万4800円となる。
独自の新しい変形機構を備えて登場したばかりのため、一般ユーザーにとって安いといえる価格帯ではないが、このマルチフリップ方式はVAIOノートの新定番になっていくのか、そして思惑通りに2 in 1のPCが普及していくのか、今後の動向に注視していきたい。
これらの詳しいレビューは後日掲載する予定だ。
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