ココが「○」 |
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・最新APU「Kaveri」を搭載 |
・グラフィックス性能を強化 |
・コストパフォーマンス |
ココが「×」 |
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・ハイエンドGPUのカスタマイズは不可 |
・特徴のないデザイン |
28ナノメートルSHPプロセスを採用するAMDの新型APU「Kaveri」(開発コード名)が1月に投入され話題を呼んでいる。発売当初は、上位モデル「A10-7850K」がアキバで品薄になるなど、評判は上々のようだ。
そこで今回は、いち早くA10-7850K搭載モデルを用意したサイコムの「Radiant」シリーズから、ミニタワー型ケースを採用する「VX1300A88」を紹介しよう。最小構成価格は4万5820円、A10-7850Kを搭載しても6万620円(OSレスモデル)から購入できるコストパフォーマンスの高さが魅力だ。
評価機が採用するA10-7850Kは、4つのSteamrollerコアを搭載し、定格3.7GHz、ターボ時4GHzで動作する。統合型GPUはGCN世代のRadeon R7 Graphicsで、シェーダ数がA10-6800Kの384基から512基に増加しているほか、AMDの独自グラフィックスAPIであるMantleに対応しているのもトピックだ。先日ついにMantleをサポートした「AMD Catalyst 14.1 Beta」ドライバが公開され、この点でも注目度が高まりつつある(Mantleのベンチマークテストは別記事で紹介する予定)。A10-7850Kを搭載する本機は将来性を期待できるモデルとも言えるだろう。
VX1300A88のケースは、IN WINのMicro ATXケース「IW-Z624」にサイコムのオリジナルフロントパネルを装着したもの。本体サイズは181(幅)×405(奥行き)×365(高さ)ミリと比較的コンパクトだが、前面インタフェースが本体下部に並んでいることから、机上に設置して使うことを想定しているようだ(床に置くと端子に手が届きづらくなる)。ミニタワーといっても机上に置くとなると、やはりそれなりのスペースは必要になる。
外観はブラックを基調にシルバーのフロントマスクをはめたシンプルなデザインで、前面中央の電源ボタン周囲が青く発光してアクセントを添えている。正直、同社がラインアップするハイエンドなゲーミングPCに比べると、地味すぎてやや退屈な印象はある。もっとも、ケース自体のメンテナンス性は高く、サイドパネルはドライバなしで取り外すことができ、各種ドライブやストレージの換装も容易な構造だ。シンプルさを好むユーザーには悪くないだろう。
マザーボードにはASRockのMicro ATXマザー「FM2A88M Extreme4+」を採用する。拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16が1本、PC Express 2.0 x16が1本、PCI Express 2.0 x1が1本、PCIが1本という構成。メモリスロットは4基で、4GバイトのPC3-12800モジュール2枚をデュアルチャンネルで実装している。バックパネルはUSB 3.0×2、USB 2.0×4、PS/2、DVI-D出力、HDMI出力、アナログRGB出力、光デジタル音声出力(角形)、ギガビットLANが並ぶ。
評価機でいくつか標準構成と異なる部分を挙げておくと、まずCPUクーラーがXIGMATEKの「Praeton LD963」に変更されている。大型のアルミ製フィンとヒートパイプで排熱効率を高め、TDP 115ワットまでサポートしたモデルだ。BTOメニューのカスタマイズの金額は+2200円。ストレージはシーゲイトの1Tバイトモデル「ST1000DM003」、光学ドライブはLG ElectronicsのDVDスーパーマルチドライブ「GH24NSB0」で、こちらは標準のまま。拡張ベイは、2つの5インチベイのうち1つが光学ドライブで埋まり、4基の3.5インチベイのうち1つがHDDで埋まっている。
この構成で価格は6万7480円(OSなし)と手が届きやすい価格に抑えられている。Mantleドライバの出来次第で将来的に外部GPUの導入を判断する、といった場合、初期費用のハードルが低いのはありがたい。ただ、標準構成の電源ユニットが450ワットになっている点は注意が必要だ。また、BTOオプションでは電源ユニットの最大容量は650ワットまで、外部GPUの選択肢もGeForce GTX 760が上限になっている。
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